走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

足の保護性に優れた、アシックスのロングセラー!

<実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 アシックスのゲルカヤノ(GEL-KAYANO)シリーズは、1993年にリリースされたカラダの大きなランナーにも対応する、優れた衝撃吸収性と安定性、サポート性を高次元で融合したゲルカヤノ トレーナーを原点とするロングセラー。

 最近のモデルは一昔前の同シリーズからは想像できないくらいの軽量化にも成功しており、より幅広いランナーのタイプに対応できるように工夫されている。

 ゲルカヤノはその設計当初から、欧米での展開を視野に開発されたプロダクトであり、その衝撃吸収性や安定性、サポート性を実現するために、どちらかいうと重量のある部類に入るモデルだった。

 しかし、ここ最近のゲルカヤノは足の高い保護性能を継承しつつ、軽量性もある程度留意したスペックとなっている。

ゲルカヤノ 24(GEL-KAYANO 24)
メーカー名アシックス
製品名ゲルカヤノ 24(GEL-KAYANO 24)
実勢価格1万6,740円

 今回テストした「ゲルカヤノ24」は、アシックスが誇るフライトフォームをミッドソールに採用したことにより、数年前の同シリーズよりも明らかに軽くなっている。そして、SpEVA(スピーバ)もミッドソールに併用したことで、比類なき衝撃吸収性に加えて反発性能も優れている点が大きな特徴だ。

ゲルによる優れた衝撃吸収性に、ミッドソールにフライトフォームとSpEVAを採用したことによる軽量性と反発性をプラス

 実際に足を入れてみると前足部のフィット感とかかとのホールド感が素晴らしいことを感じる。ヒールの高いフィット感はアシックスのランニングシューズの大きな特徴となっているが、このモデルではメタクラッチと呼ばれる外付けヒールカウンターを用いた独自構造が、そのレベルを数段アップさせている気がする。

 走り始めると、このシリーズの伝統である優れた着地時の安定性&衝撃吸収性が継承されていることに気付く。さらにフライトフォームとSpEVAとを組み合わせたミッドソールは、反発性も高レベル。自然と足が前に出るような、一昔前のゲルカヤノでは想像できなかった、走行感のシューズだ。

 日課となっている6kmランを終えるころには、軽量性と反発性という新たな武器を手に入れたことで、自然とペースはkm/5分20秒ほどに上がっていた。

 このようにアシックス「ゲルカヤノ24」は、抜群の衝撃吸収性、安定性、サポート性に加えて軽量性と反発性にも優れたスペックとなったことで、体重が少な目のランナーや脚力の充分でないランナーにも、履きこなせるシューズとなったのだろう。

アッパーにはフィット感と通気性を両立したメッシュ、足の動きに沿うように補強材を配置したフルイドフィットを採用している

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。