走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

着ない時にはウエストポーチに変身するミズノの最新ウインドジャケット

<実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 気温が低くなる冬期はマラソンのメインシーズン。10℃程度が最もよい記録が出ると言われているが、走っているときはいいものの、じっとしているとかなり寒い。

 大規模な大会になるとスタート位置に整列してから1時間以上待つことも珍しくない。そのためにスタートまでジャケットを着ることになるわけだが、最近ではコンパクトに畳むことができ、ウェアのポケットやウエストポーチに収納できるタイプも一般的になった。

 そしてミズノがリリースしたウィンドブレーカーシャツ「ポーチジャケット」は、コンパクトになるだけでなく、着ないときはウエストポーチに変身。レース中に必要なエナジージェルなども収納できるのだ。

ウィンドブレーカーシャツ「ポーチジャケット」
メーカー名ミズノ
製品名ポーチジャケット
実勢価格11,880円(税込)

 レース前はウォームアップジャケットとしてカラダを冷えから守り、スタートしたら脱いで、コンパクトになるだけでなく、ウエストポーチに変身するのが新しい。

 コンパクトに畳めるジャケットはパタゴニアのフーディニ・ジャケットやザ・ノース・フェイスのインパルスジャケットあたりがランナーにポピュラー。さらに脱いだジャケットを腰の部分に保持できる機能を確保したモデルとしては、サロモンのファストウイングハイブリッドジャケットも発表されていたが、ジャケットがウエストポーチの役目も兼ねるのは、このモデルが最初である。

 着用してみると、極薄の素材を使用しており、トップレベルの軽量性を確保。目の詰まった生地は、風を衣類内部に通さない。着用時にウェア内側のバックルを留め、お腹の前で留めた状態でウェアを脱ぎ、ウェア全体を軽く集めて、下から内側に丸めて上から入れ込むように押し込めばウエストポーチ型にコンパクトに収納可能だ。ジャケットから変身したウエストポーチには二つのポケットがあり、ジッパー付きポケットにはスマートフォンが楽々収納可能で、ジッパー無しのポケットにはエナジージェルが数個入る。

ミズノのポーチジャケットは簡単にウエストポーチへと変身。ジッパー付きの大きなポケットはスマートフォンも入れられ、小さいポケットのほうはエナジージェルの収納に最適なサイズだ

 レース中は気温の上昇に伴い、手袋やアームウォーマーを脱いだりすることも多いので、ポケットの数は多ければ多いほどいい。それだけにこのポーチジャケットはスタート前の冷えからランナーを守り、レース中の収納力を増やしてくれるということで一石二鳥。

 さらに、レース後半に、かいた汗で汗冷えしやすい遅いランナーにとっては、このモデルを再び着ることで体温保持できる。その便利さは実際に着てみれば体感できるが、ミズノのポーチジャケットは初級ランナーから中級ランナーまで幅広いレベルに対応してくれるスグレモノだと思う。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。