ぷーこの家電日記
第612回

花見に最高の週末。お弁当持ってお出かけ
2026年3月27日 07:04
開花宣言があってから、天気が崩れてシトシトと雨が降って、花見日和とはいえない日が続いている東京。でもそのおかげか、今年はちょっと長めに花見が楽しめそうだと何かで言っていた。そして日曜日は天気も良く花も満開に近づいていて、最高の花見日和になるらしい。
年に1度、ほんの一瞬で過ぎてしまうこの桜の季節、せっかくなので桜がたくさん咲く川沿いをお散歩でもして、そのまま近所の桜がちょっと咲く公園でお弁当でも食べたいなぁなんて思っている。
お弁当には何を詰めて行こう。私の中でお花見といえばいなり寿司。元々全然好物という感じではないのだけど、花見で食べたくなるのはおいなりさんなのである。
私のいなり寿司は口を閉じないタイプ。岩下の新生姜の漬け汁を熱々ご飯に混ぜるだけの簡単酢飯に、細かく刻んだ岩下の新生姜を混ぜて甘辛く煮た揚げの中に詰めると、ほんのり桜っぽいいなり寿司ができる。そこに絹さやの緑を添えると、もう花見にぴったり!
私が「花見といえばおいなりさん」となったのは絶対岩下の新生姜の責任である(笑)。でも簡単で美味しくて大変おすすめ。そこに花見に関わらず卵焼きと唐揚げ、そしてシャウエッセンがあればもう、つまみにもなる我が家の最強花見弁当ができるのである。
お弁当を食べる予定の公園は、家族連れがポツポツと敷物を敷いてお弁当を食べているくらいで、そこまで混まずにゆっくりとお弁当を食べながら花見ができる。若い頃は桜の名所なんてところに出かけるのもワクワクしたけれど、今はこれくらいのゆったりした花見が好き。ビールなんて飲みながら、お弁当を食べ、そして思い出話をするのだ。
我が家の先代の犬も、先先代の犬もその公園には一緒に花見に行った。全く歩けなくなって介護しながら暮らしている頃、カートを引いて動物病院に行って帰り道に公園に寄って、ポカポカ春の日差しが気持ちがいい中、「色んな匂いがするねぇ」「お日様気持ちがいいねぇ」なぁんて言いながら花見をした。
走り回ったりできなくても、元々お散歩も公園も大好きだったので、外でのんびりゴロゴロしてるだけでも楽しそうだったように見えた。先先代の犬は、最後の花見から2週間後くらいに旅立った。最後のお出かけの思い出でもある花見。そんなことを思い出してしまって、近年は花見のシーズンになると、楽しみなのはもちろんだけど、それよりもずっとずっと切なく寂しい気持ちになる。
私たちにとって花見はもはや法事みたいなものかもしれない(笑)。愛犬のことをよく知る夫と、飲み食いしながら、故犬の思い出を語り合う。物凄く悲しく寂しい気持ちにもなるので、楽しい思い出も含め、ちょっと蓋をしてしまっている愛犬への気持ちを、年に1度こじ開けて、やっぱり最高に可愛くて大好きだな! って考える時間。まさに花見は法事だ。
花見といえば宴会って人もいるだろうし、花見といえば卒業式入学式って人もいるし、同じ桜の花といえど、見る時見る人見る状況によって全然違うイメージや気持ちになる。桜はずっと変わらない姿でずっと同じ場所にいて、そして毎年ずっと変わらない花を見せてくれているのに、見る側の心境でこんなにも違って見えるというのは本当に不思議で面白い。
きっとそれは国花ともいわれる桜が、ずっと身近で心の中まで染み付いているからということもあるだろうし、ソメイヨシノのピンクとも白ともいえない淡い淡い色が、そんな色んな気持ちや思い出の隙間をふわふわ行ったり来たりさせるのだろう。
「花が綺麗だね」のひと言でも、他の花とは含みが全然違う。本当に不思議な花だ。と、そんな綺麗な桜の美しさを語りながらも、思い出す子供の頃の桜の思い出は全然綺麗なものではない。私にとって桜は春よりも夏、綺麗よりも恐怖の思い出だ。
私が小学生の頃、通学路は桜並木だった。春はそれはそれは綺麗なんだけど、夏になると毛虫地獄だった。道の色が変わるくらいに毛虫の糞が落ちていて、時々毛虫が木から落ちてきたりする。毛虫には毒があると聞いていたので、そこを通るだけで恐怖だった。
毛虫が桜の葉を食べているせいか、道中に落ちている糞から桜餅の香りがする(笑)。無邪気な小学生の私は「毛虫の糞って桜餅の匂いなんだよ」なぁんて言ったせいで、母はそれからしばらく桜餅を食べられなくなってしまった(笑)。
そんな感じで桜並木から毛虫ロードになる恐怖の桜のイメージが強烈に残っていたので、「桜って綺麗だなぁ」っていう記憶が大人になるまでかなり薄い。今はそんな桜並木の話を全く聞かないから、きちんと管理されて消毒されているのかもなぁ。あれから40年、リアルで綾小路きみまろのような言葉が出てきてしまうお年頃なのである(笑)。
子供の頃からずっと身近にある桜。母も祖母もそしてもっと昔の人も、桜を見て喜んだり切なくなったりしたんだろうなぁ。平安時代には貴族が桜の下で和歌を詠み、鎌倉時代には武士の間でも親しまれ、そして江戸時代には庶民にも愛された桜。今のソメイヨシノとは品種は違えども、今も昔も日本人の心と深く関わりがある桜。
そして桜から生まれた言葉の美しいことよ! 桜雲、花霞、花の浮き橋。言葉だけで情景が浮かんで美しい! 花冷えに花曇り。とても風情がある。誰が考えたか知らないけれど天才! こんな素敵な花と言葉をずっと繋げながら今を生きてるって感動するとともに、そう思うと綺麗な言葉を使おうとちょっと背筋が伸びる。
ちょっとギスギスして不安定な世の中だけど、桜の花を見ながら気持ちも浄化できたらなと思う花見シーズンなのでありました。桜を使った言葉で私が大好きな言葉は「桜梅桃李」。人と比べることなく、それぞれ美しく個性を大切に咲き誇りたいなぁ。




