ぷーこの家電日記
第594回

刺繍専用ミシンSKiTCHでオリジナル作品作り
2025年11月7日 07:05
9月末頃、久しぶりにミシンを引っ張り出して使おうとしたら、壊れて使えなくなって買い直した。新しいミシンは非常に快適で、「私って案外上手くない? すごくない?」と自画自賛しながら、調子に乗って色々作りたくなって、手芸屋さんで布を物色したりしている。
「こんなバッグ作るかな」「洋服も作ろうかな」などと創作意欲がムクムク湧いてきている中、同時にムクムクとあのマシーンが心に湧いてくる。そう、ミシンを買いに行った時に見つけてしまったブラザーの刺繍専用機「SKiTCH PP1」である。
以前使っていた壊れたミシンは20数年前に買った刺繍機能も付いたものだった。刺しゅうPROというWindowsソフトを使って刺繍のデータを作成し、専用のメモリカードに保存してからミシンに挿すと刺繍ができたのだけど、刺繍機能付きミシンはかなり高いし、そのソフトも高い。ついでにWindows端末は持っていないので、OSを追加でインストールするかWindows端末を買うしかない。
もしもまた刺繍がやりたくなったらSKiTCHを買うという選択肢があるのか! と知り、修理か買い替えかで悩んでいたミシンだったのに躊躇なく買い替えることができた。「もしもまた刺繍がやりたくなったら」と言っていたのに、あの日からもう夢に出てくるほどに気になっている。完全なる一目惚れのマシンだったのである。
「もしも買うならば、買ったとして、いやいや、まだよく考えろ」と日々葛藤しながら、「これは遅かれ早かれ絶対買うことになるな」と確信していた。洗濯機や冷蔵庫のようになかったら困る家電でもない。もう純粋なる欲!! 衝動的に買うには高いけれど、頑張ったら買えなくもない、スマホを買うより少し安いくらいの値段。
「うーん、どうしよう」と毎日考えていた私が陥落するのは早かった。とうとう、とも言えないスピードで買ってしまったSKiTCH PP1! 展示してある時はとてもコンパクトに見えたのだけど、ミシンが横置きなのに対してSKiTCHは縦置き。横幅が狭かったから勝手に小さいと思い込んでいただけで、奥行きがしっかりあって、通常のミシンとほぼ同じサイズだった。箱が大きくてびっくりした(笑)。
SKiTCHは液晶なども付いておらず、スマホかタブレットで使うArtspiraというアプリを使ってデザインもデータ転送も行なう。要はデザイン編集アプリ兼SKiTCHへのリモコンとしての役割をしているのだ。
デザイン編集機能については、無償版と月額980円のサブスクでの有償版とがあり、有償版だと使えるデザインの数や作ったデザインの保存数も変わってくる。さらに有償版だとAI機能で写真から刺繍データを作ったりもできる。
この機会に最近使っていなかったアプリのサブスクを解除したりして、有償版に早速申し込む。最初の1カ月は無料で使えるので、不要だったら無料期間内に解除すればいい。
もう衝動的に猛烈に欲しくて買ったけれど、これを刺繍に! みたいな具体的なデザインは考えてなかった。絵を描いてArtspiraに取り込んで変換。と思ったけれど、とりあえず早く刺繍してみたい。せっかちが全力前のめり。
「そうだ! 友人の農場のロゴをテストプリントして、アプリに慣れたらTシャツにでもしてプレゼントしよう」と思い、単色の可愛いロゴで試してみることに。「……上手くいかない」と最初の最初でつまづいた。
通常のプリンターと違って、細い線を刺繍するのは難しいためか、刺繍データに変換すると細い線が自動で削除されてしまうのだ。これは困った。最大10cm四方の刺繍ができるのだけど、最大サイズで作ってみても線が削除される。できたら小さめのワンポイントにしたいのだけど、それはさらに難しそう。
シンプルで太い線で描いたイラストか、Artspiraのアプリ上で描いたイラストしか刺繍できないとなると、ちょっとできることが限られてくる。高くて難しいPCソフトを使って編集しなくてもアプリで簡単に刺繍ができるのは手軽さ、使いやすさの点では嬉しいけれど、手軽さゆえに痒いところには手が届かない。別のソフトで作った刺繍データをインポートすることもできるようだけど、プラスで10万を超える刺繍ソフトを買うのはダメ絶対!!!
ということで、どうやったらもっと自由に刺繍できるか、調べに調べた。早くテスト刺繍したかったのに、SKiTCH本体は全く稼働しないまま何日も調べた。この熱量で勉強できたら、もう少し違う人生が送れたんじゃないだろうか。なぁんて思うほどにめちゃくちゃ集中(笑)。
そしてたどり着いたのが、Inkscapeというフリーのドロー系ソフトウェア。そこにInk/Skitchというプラグインを入れると刺繍データを作成できるらしい。ドロー系ソフトではAdobe Illustratorはそこそこ使えるのだけど、新しいソフトを1から習得するにはちょっと時間が必要だぞ。と思ったので、ロゴをPhotoshopでパス化して、Illustratorで色や大きさを整えて、それをsvgファイルに保存して、そのファイルをInkscapeで開き、Ink/Skitchプラグインで刺繍データに変換して保存して、そのファイルをArtspiraにインポートして刺繍する。という、強引も強引、いま私のできることを全て注ぎ込んだデータ作成方法を確立したのでありました。綺麗に刺繍できた時の達成感すごい(笑)。
刺繍する方向だとか密度だとか、もっと色々細かく設定できるようだけど、それはこれからぼちぼち学んでいく。そして、この強引な作成方法ならば、Artspiraはデータ転送にしか使わないので、サブスクの申し込みは忘れないうちにキャンセルした。
自由にデータが作れるようになったことだし、色々刺繍したいものも普通のミシンで作りたいものもたくさんあるけれど、今月はとにかく予定がみっちりで時間が取れない。あと2カ月でもう今年終わっちゃうの!? と驚きながらも、年末年始のお休みには思い切り熱中するぞと、今から楽しみで仕方ないのでありました。



