ぷーこの家電日記

第585回

感動的なスリランカカレーと出会った。そして習った!

この1カ月ほどほとんど雨が降らず「雨が欲しい。雨が降って欲しい」と願い続けてきた。やっと念願の雨が来たと思ったら台風とか、もういい加減にしてほしい。もう少しで収穫を迎えるお米たちが倒れてしまうんじゃないかと心底心配。

このはちゃめちゃな天候に負けず、農作物たちが健やかに育ちますように。まだまだ発生するであろう台風が上陸しませんように。上陸しても留まらずさっさと通り過ぎますように。そして恵みの雨がコンスタントにほどほどに降りますように。

細々と趣味で家庭菜園をしている私ですら、今年の異常な暑さと水不足の打撃を感じているのだもの。プロの農家の苦労には本当に頭が下がる。こんな天候にも関わらず、ピカピカな通常通りの野菜を売り場で見ると、両手を合わせて拝みたい気分になる。そしてそんな美しい野菜や果物たちを横目に、私は自分が育てたろくでもないボケ茄子(水分不足で色つやが悪くなった茄子のこと)をせっせと消費するのであります。

ちょっと前にも書いたけれど、あまり美味しくない家庭菜園の茄子たちは、とにかくカレーにぶち込んで食べている。大量に消費したいのと、焼き茄子などにしてもあまり美味しくないからだ。なのでカレーを大量に作っては食べて、カレーがなくなってはまたカレーを仕込む。

そんな感じで、この1カ月くらい、カレーがない日はほぼ存在しなかった。「正直しばらくカレーは食べたくない」と思い始めたりもしているのだけど、食べたくないと思いながらせっせとカレーを作っている。

タイカレーにインドカレー、ネパールカレーなど、カレーにもいろいろ種類があるのだけど、結局昔から慣れ親しんでいるカレールーを使った日本のカレーが一番飽きずに食べ続けられるということになり、最近はもっぱら日本のカレーばかり食べていた。ちなみに我が家が使うのは「ジャワカレー スパイシーブレンド」。そこにさらに畑で採れた青唐辛子や気分によって好きなスパイスを足したりもしているので、かなり辛くて美味しい。

美味しいとはいえ、そろそろ完全に飽きかけていた日本のカレーの味。そんな私は先日スリランカのカレーを習いに行ってきた。事の発端は、去年と今年お手伝いしたマルシェで食べた衝撃的に美味しかったカレーだ。

マルシェのお手伝いをしている楽しみの一つはランチ。いろいろなキッチンカーも出店しているので、ご飯がとても楽しみだし、美味しい。去年、そんなキッチンカーグルメの中から「バナナリーフカレー」というものを食べた時に「何これめっちゃ美味しい!」とかなり衝撃を受けたのだ。しっかりスパイシーで、いろいろなカレーの味が複雑に混ざり合いとにかく美味しい。でも何の味なのかさっぱり分からない。再現したくても私の舌と経験から何も導き出せないくらいに「全然分からないけど、とにかく美味しい!」と思ったのだ。

そんなバナナリーフカレーを、今年も1年ぶりに食べて「やっぱり衝撃的に美味しい!」と虜になった。これが家で食えたなら……。どこかのCMのようなセリフを思いながら、衝撃的に美味しかったことと、スリランカ料理を教えてくれる教室を探していることを、独り言のようにSNSで呟いたのだ。そうすると、このバナナリーフカレーの販売元の公式アカウントから「バナナリーフカレー教室も計画中です」とコメントをいただいたのである。

「こんな嬉しいことある!?」と、SNSは日記や備忘録のような用途で使っている私には感動の出来事だった。そんなこんなで、料理教室イベントの開催案内が告知されると、私は応募開始時間直前にアラームをかけてまで即申し込みしたのであーる。

そして先日習ってきた! 教室は東京の池袋にあるフロリダ亭の店舗内で開催。キッチンカーでしか食べたことがなかったので、お店に行くのは初めてだったけど、居心地のよさそうな空間で、食事をしに絶対に再訪しようと思った。

配布されたレシピの、まずは材料の説明から。馴染みのないハーブやスパイスもあり、話を聞くだけでもうめちゃくちゃ楽しい。そして驚いたのは、あの美味しかったバナナリーフカレー、1皿になんと7つものカレーなどがのっていたということ。そりゃいろいろ混ざって複雑だし、分かる訳ないわ! と納得。あれを再現するには7つもの具を作るという、「ちょっと作ろう」と思うにはなかなかハードルが高い代物だった。1,000円ちょっとであれが食べられるのはむしろ安すぎる。

デモンストレーション形式で、1つずつ説明しながら作ってくれて、その間に質問も自由。レシピの内容だけじゃなくて、「こんな辛い料理は、何歳くらいから食べ始めるの?」とか、「たくさんのカレーは作り置きみたいな感じで少しずつ作るの?」とか、興味あることは何でも聞いて、何度「へー!」と言ったことか分からない。

店主は本当に陽気で親切で楽しい人で、いろんなことを教えてくれて、ネットでいろいろレシピも調べられる時代だけど、やっぱり対面で習うことから得るものってものすごく多いなぁと感動体験をしたのでありました。

そして最後はそれぞれ自分の好きなように好きな量をバナナの皮で包んで、レンジでバナナの皮の香りを全体に移してから実食! 当たり前なんだけど「すごーい! あの味だ!」とめちゃくちゃ感動してしまった。やっぱり衝撃的に美味しい!

帰りにインドのカレーに使うスパイスはけっこう家に揃っているので、スリランカ料理ならではの材料をいくつか買い足して帰宅。早速作る……にはけっこう時間もかかるので、次の週末にでもまとめて作ろう。スリランカでは作り置きは好まず、ほぼ毎日作って食べるとのことだったけど、私には難しそう。まとめて作って、お弁当のように包んで冷凍庫に入れておくつもりだ。そしてテレワークの日のランチとしてレンジで温めて食べよう! 分量を確認するくらいで、あとは難なく作れるくらいまで修練したい!

ちょっと雨が降ったことで、大量消費のためのボケ茄子カレー生活を脱せそうだが、新たな毎日カレー生活が始まりそうなのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。