ぷーこの家電日記

第572回

少しは丁寧に暮らしたい。麹で腸活するぞー

この季節になると、スーパーの店頭には梅をはじめ、ホワイトリカーや氷砂糖に瓶などが並び始める。そう、梅しごとの季節である。そして、お酢やらっきょうなども並ぶ。何かと漬ける季節である。

漬け特設コーナーを見るたびに私はウズウズしてくる。私は毎年この漬けるという行為がかなり好きなのだ。ひたすら黙々と作業して、そして日々少しずつ育っていく感じを見ているだけでとっても幸せな気分になる。だがしかし、今年もグッと我慢。なぜならば、過年のものがたくさん渋滞しているからだ。

甘いお酒を好まないので、梅酒はほぼ消費しないし、塩っぱいのが苦手なので、自分で漬けた昔ながらの梅干しは料理にたまに使う程度で全然減らない。お酢が苦手なのでらっきょうも味見程度に食べるだけで、あとは里親を探す感じ(笑)。そう、私は好き嫌いがないと言いながら、味付けに対する好き嫌いが結構あるのだ。

お酢は体に良いと聞くので、昔から何度も克服しようとチャレンジしてきた。食べられないわけじゃないけれど、どうにも大好きにはなれない。意識しないと使わないので、我が家のお酢は他の調味料と比べてかなり長持ちする。そして同じような酸味からか、お漬物もあまり食べない。浅漬け程度は美味しいと思うけれど、酸味が強い古漬けはかなり苦手。

発酵食も体に良いと聞くので、日常的に上手に取り入れていきたいと思いつつ、なかなかうまくいかない。そんな中、夫が珍しく風邪をひいた。そして移ったのか、私もどうやら風邪をひいたらしい。

以前は薬を飲んで寝たらパッと治っていたような風邪も、歳のせいか中々治らない。「疲れも取れないし、風邪も治らないお年頃だよねぇ」と夫と苦笑い。丁寧な暮らしとは程遠い私たち夫婦だけど、少しは気にしなきゃなとさすがに思う今日この頃。

先日NHKで放送されていたドラマ「しあわせは食べて寝て待て」に感化されたということもある。あのドラマは本当に良かった。薬膳を学び取り入れることはマメではない私には難しそうだけど、旬の食材を取り入れることで自然と実践できていることもあるはずだ。

そこに発酵食を取り入れることで腸内環境を整えて、疲れにくく免疫力をアップしたい! いわゆる腸活というやつだ。大好きな納豆はよく食べるけれど、普通のメニューにも取り入れたい! そんな中思い出したのが「塩麹」である。

2011年頃に万能調味料として塩麹の大ブームが起きた。私も塩麹を作っていろいろな料理に使ってみたけれど、流行りが落ち着くのを待たず、私の中のブームは去り、結構な量の麹だけが残った。麹を1袋調味料だけで使い切るのって難しいなと思ったものだ。

ちなみに私は甘酒が好きではないので、一気に大量の麹を使用できるのはお味噌を作る時くらいなのだ。「日本の発酵食代表、麹を取り入れるべく、久々に塩麹でも作ろうかな」なんて思いながら、調べてみると、塩麹や醤油麹だけでなく、今は玉ねぎ麹やトマト麹、さらにはカレー麹なんてものもあるのか! めっちゃ進化してるじゃん。と感動しながら、確かにどれも調味料として非常に使い勝手が良さそうだ。麹が余って持て余すよりも、いろいろな麹をまとめて作っておくと、和洋中どんなメニューにも使えてすごく便利じゃないか。と思い立ち、調味料をまとめて作っておくことに。

畑で採れはじめたハーブでハーブ麹なんて作っておくと、簡単にイタリアンになりそうだし、ちょうど採れたニンニクも中華にぴったり。そら豆も今ちょうど旬だから、このタイミングで豆板醤も仕込んでおこう。家にもち米もあるからコチュジャンも作るかー。と、「ちょっと作るか!」と思ったったらついついやりすぎる私はいつものこと。600gの麹を少しずつ分けて、結局まとめて10種類の調味料を作った。調味料やドレッシングなど、一瓶使い切らないうちに飽きることがよくあるので、これくらい少量ずつの方が使い切れてちょうど良い。

数が多いので、まずはコピー用紙1枚に、全部の麹用の分量を書き出す。そして加熱や湯煎にも使えるアイラップを10枚に名前を書き、麹と塩を計量してそれぞれの袋に入れる。そしてその後、一つずつ他の材料と一緒にミキサーの中に入れ、全部ガーっと混ぜてからアイラップに戻し、空気が入らないように袋をぎゅっと閉める。この地道で黙々とした作業が、今我慢しているらっきょうや梅の仕込みと通ずるものがあって楽しい。

10袋準備できたら、60℃に設定した低温調理器の中にドボンと全部突っ込み、6時間放置。一晩寝ている間に発酵が進み、あっという間にいろいろな調味料ができたー! 結構な達成感である。

我が家のキッチン家電も大活躍だ。出来上がった麹を綺麗な容器に移して冷蔵庫にストックすると、冷蔵庫の中がいっぱいになってしまった(笑)。

今日は何を食べようかなと、並んだ麹たちを見ているだけでちょっとウキウキして、ご飯を作るのも楽しみになる。と言いながら、「麹ってお肉をしっとり柔らかくするよな」と、大量の鶏肉を各麹で下味をつけて、大量の唐揚げ食べ比べなんていう、どうやっても丁寧な暮らしとは真逆な方向のパーティーを催してしまったりしている(笑)。でもまぁ、スープにも炒め物にもサラダのドレッシングにも、何にでも使えそうなので、ゆっくり気ままで使っていこう。

そして使い切ったら、またまとめて作ることで、飽きずに麹を取り入れていけたら良いなと思っているのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。