ぷーこの家電日記

第547回

もう今年も残りわずか!? 忙しくも大好きな12月がやってくる

今年は秋が超特急で過ぎ去ったようで、一気に冬がやってきたなって感じだけど、それはそうだ。もう12月がやってくるのだ。1カ月程前までは半袖を着ていたと思ったら、もう年末!? 全く実感が湧かないけれど、もう師走だ、師走。

このあまりにも驚く早さが気候のせいなのか、はたまた加齢による時間経過の速さなのか定かではないけれど、もうあっという間に12月がやってきてしまうのである。

12月はとにかく忙しい。とはいえ、私の場合は仕事が忙しいとかではない。ふるさと納税も結局毎年12月末に慌ててまとめてやるし、ほんの少しだけどお歳暮の手配もお正月の準備もしなきゃだし、気が置けない友人との忘年会だってやりたいし、イベントが大好きな私はクリスマスだって盛大に楽しみたいし、夫の誕生日も12月だ。楽しいこともイベントも目白押しで“忙しい”という表現が合っているか分からないけれど、目まぐるしくあっという間に過ぎてしまう1カ月である。

そして忙しいだけではなく、とにかく出費が多すぎる月だ。目まぐるしい年末年始を過ごして、やっと新年感も無くなってきた頃に来るカード請求額に白目を剥いてしまうのだ(笑)。

それでも街中がなんだか浮き足だった感じがする12月がすごく好きだ。イルミネーションでキラキラしていたり、あちこちからクリスマスソングが聞こえてきたり、そんな雰囲気も好きだけど、その雰囲気に触発されるのか、自分が子供の頃とか若かった頃の気持ちに戻る感じがすごく好きだ。

思い出を楽しむというよりも、その時の気持ちとか感覚にそのまんま戻る感じだ。年を取るというのは、点じゃなくて線で繋がっていて、現時点でいうと私は「おばちゃん」という生き物なんだろうけれど、あくまでもそれは今立っている場所なだけであって、10歳の自分も、20歳の自分も、30歳の自分も無くなったわけじゃなくて、全部持ったまま生きてて、今後もまたいろんな時点の自分を増やしながら年を取っていくんだろうなと思うし、好きなタイミングでどんな時点の自分も引っ張り出せる感覚は面白いので、年取るのも悪くないし楽しいなと思っている。

そしていろんな時期の私が大集合したような感覚になるのが12月で、すごく好きだ。そう思えるのは楽しく過ごしてこられたという証でもあるのでありがたい。もちろんハード的にはどんどん老朽化していっているけれど、ヴィンテージものにはヴィンテージものの良さがある(笑)。最新の新品に憧れるではなく、ヴィンテージものらしいお手入れをしながら、大切に長く使っていけたらいいなと思っているのだ。

そうやって子供の頃から、気持ちの面では地続きで大して変わってないなぁということを、ものすごく実感しているこの時期だけど、昔からずっと変わらず大好きで仕方がないものがある。それは「福袋」だ。

昔は年末年始ではなく、正月の初売りの目玉だった気がするけれど、ECが普及してから年内に予約を取って、お正月にはお届けみたいな流れになり、さらにそれが加速してどんどん早くなっている気がする。12月に入ったら各社の福袋ラインナップをチェックしようなんて思ってたら、人気の福袋はとっくに販売開始していて、すでに完売していたりする。

「福袋2025」ってなんなんだよ! まだ2024年真っ只中じゃないか! と出遅れた感が悔しい。そして中身が見える福袋が主流になってきたこの頃は、欲しかったものをお得に買えるとか、それでしか手に入らない専用商品を手に入れるという目的は叶うけれど、開けるまでのどうしようもなくウキウキする楽しみがかなり減った気がする。福袋っていうよりもお得袋という感じ。仮にハズレがなくなり、中身が良くても、神社でおみくじ引くときに、「中身全部大吉ですよ」って言われるみたいな感じがして心が躍らない。

おそらく私は福袋という大博打に射幸心を煽られたいという願望があるのだろう。私にとって福袋の楽しみは、手に入れたタイミングで跳ね上がり、開ける直前がピークなのだ。過去に何度買って何度失敗して何度「もう福袋に踊らされない! 買わない!」と心に決めたことか(笑)。そして性懲りも無く毎年ウキウキしながら福袋を買うという行為を繰り返してきた。おかげで今でも福袋という言葉に条件反射でウキウキしてしまい、食いついてしまう。

そして食いつくのは良いけれど、なかなかどれにも食指は動かないし、「買わなきゃ! 買わなきゃ! 私は何を買えばいいの?」みたいな変な焦りだけが残ってしまうのである。もはや自分でも、どんな福袋だったら買いたいのかさえ全然分からない。

早く「私は別に今の福袋にそんなに惹かれない」と気づけば良いのだけれど、学習能力がないのか、12月という魔力のせいなのか全然覚めてくれなくて困る。最後に一度だけ、本当にくだらない福袋を買って大後悔して、この射幸心モンスターを成仏させてあげたいなぁとさえ思っている、福袋探しに疲れが見え始めた2024年の終わりの始めなのでありました。あぁ、福袋ウキウキ引退したい。いや、福袋を買ってウキウキしたい!(笑)

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。