ぷーこの家電日記

第522回

久しぶりの帰省で思い切り甘えてきた

先日久しぶりに福岡の実家に帰省した。ゴールデンウィークの連休は混む上に飛行機のチケットも高いのでいつも帰らないのだけど、同郷の夫が「高校の同窓会が5月の下旬にあるんだよね。今年幹事年度だし行こうかな」と言うので、「じゃぁ私も同じタイミングで帰省しようかな!」と帰ることにしたのだ。

帰省するのは去年のお盆休み以来。平日にちょっとお休みをもらって、格安LCCで成田空港から帰った。夏休みほど時間がないので、到着した当日は私も夫の実家にお世話になり、翌日は私1人で自分の実家に戻り2泊。いつもは実家に帰るときも夫と一緒だったので、結婚して10年で初めての1人里帰りだった。

夫と一緒に帰るのも楽しいし、お互いの実家を行き来するのは嫌いではないのだけれど、1人帰省は最高に気楽で最高に楽しかった! 一緒にいるとやはり少なからず気を遣うし、夫や両親がお互い気を遣っているのを感じて、ありがたい気持ちと同じくらいに申し訳ない気持ちにも。結果、1人帰省最高! となった(笑)。

帰省した時は、あちこち出かけたりしないのが我が家流。旅行や遠出も楽しいけれど、ただ普通の週末を、ちょっと豪勢に過ごすのである。普通に過ごすといっても、上げ膳据え膳のおもてなしで、帰ったらお風呂は沸いているし、ふかふかのお布団も敷いてあるし、ビールは冷えてるし、母のご馳走も並ぶ。

私も結構料理をする方だけど、いつまで経っても母の料理上手には敵わないなと思う。それはきっと味覚や嗅覚だけでなく、思い出とか思い入れとか、五感以外の色々な感情も含めてのことだと思うし、外で食べるどんなご馳走よりも私を満たしてくれる。

そして晩酌をしながら色々な話に花が咲く。懐かしい過去の話から、私が知らなかった昔の話、そしてお互いの近状にこれからのこと。両親も70代後半という世に言う後期高齢者なので、終活の話も自然に出てくるけれど、何かあったときではなく、頭も体もまだ元気なうちにこういう話ができるのは深刻になりすぎずにとても良いなと思うのだ。

「私たちは小さな家族葬にしたいと思ってる」「家族葬ってお別れの機会をもらえなかった人がいつまでもパラパラと訪問に来るから残された側は逆に大変らしいよ」とか、酒のつまみにする話ではないけれど、それくらい軽いノリで終活話。

早寝の父が寝た後は母と女子トーク。母はとても明るく、人の悪口なども絶対言わないし、子供の私に愚痴一つ溢さない人だったけれど、私が大人になってからは、「外で誰かに言うわけじゃないからいいのよ!」と、色々話せる秘密同盟のような関係だ。THE良妻賢母みたいな母も素敵だったけれど、夜更かしタイムにだけ現れる清廉潔白だけじゃない人間らしい母が最高に好きだ(笑)。色々話して私もスッキリして就寝。

そして翌日は二度寝まで貪った後、市内の海が見える綺麗なお店でお寿司ランチ! そのお店に私は行ったことがなかったのだけれど、私が毎年ふるさと納税で地元に寄付をする際に見つけて、ここ数年両親に返礼品のお食事チケットを贈っているお店だ。

地元の新鮮な食材など魅力的な返礼品がある中、腐らない嵩張らない使いたい時に使えるという便利さ、そして何よりもとても良いお店とコース料理で両親もとても気に入ってくれていて、毎年4月の結婚記念日に使ってくれている。いつか私も行ってみたいなぁと密かに思ってはいたけれど、今回帰るタイミングで予約をとっておいてくれたのだ。

大きなガラス張りの店でカウンターの向こうは一面の海! 最高である。私の地元は海も山もあって程よく便利で程よく田舎。地元でプチ旅行気分と食事と日本酒を堪能して大満足だった!

昼から軽く飲んだふわふわした気持ちで帰宅して昼寝(笑)。本当に帰ってきて食べているか飲んでいるか寝ているかのどれかで自分でも呆れてしまうけど、私の自堕落な根の部分を知っているので驚かれもしない。

昼寝から覚めた後、父と近所の畑まで水やりとじゃが芋掘りに出かけた。父も家庭菜園をしていて「まさか私が同じ趣味を持つとは思わなかったよ」と言いながらよく家庭菜園話にも花が咲く私たち。それでも一緒に芋掘りしたことなんてなかったのですごく嬉しくて大はしゃぎしてしまった。

芋掘りに行って、掘った芋で料理してもらうなんて、まるで私は芋掘り遠足帰りの幼稚園児のよう(笑)。その夜もまた美味しいご飯とお酒とお喋りと、普通で特別な時間を過ごしてあっという間に最高の実家時間が終わってしまったのでした。

帰宅する日も変わらず遅い起床。早めの昼ごはんを食べてあっという間に帰路につく。駅で見送られた時、不覚にもちょっと泣きそうになってしまった。まだまだ元気だし元気でいてほしいと願っているけれど、これがこの先何十年も続くものではないということは分かる。実家で一緒に過ごすこの時間がとても貴重で有難いことだとしみじみしてしまったのだ。

週末+1日程度あれば、何もない時でも全然帰れちゃうなと今回の帰省で分かったので、もう少し帰る頻度を上げたいしもっともっと話がしたい。また父と畑に行ったり、母に料理を習ったりもしたいなぁ。と思っているのであります。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。