ぷーこの家電日記

第513回

おめでたい席に「めで鯛塩釜焼き」がおすすめ

今年に入ってすぐ、長く仲良くさせてもらい、いつもお世話になっている友人が結婚した。気分は友人が結婚したというよりも、兄妹や近い親戚が結婚したって感じだった。お相手の方も本当に素敵な人で、嬉しくて嬉しくてグイグイ行きたいけれど、「迷惑な小姑みたいになってはダメだ!」と一生懸命理性で抑える私(笑)。あぁ、家族が増えた気分! あ、この発想がもう小姑ぽいのか!? でもとにかくとっても嬉しかった。

披露宴などはしないと聞いていたから、共通の友人と「お祝いしたいねー」とは言いながら、いつもの何となくバタバタ流れる日々に飲まれ、あっという間に数カ月が経過。その共通の友人が「久々に会いたいね!」とグループLINEで連絡をくれ、久しぶりにみんなでご飯を食べようという話があっという間に決まった。

「私の家で大丈夫?」と聞くと、2人というか2組とも「完全にそのつもりだった(笑)」と返信が。久々に会えるのも嬉しいし、やっとでお祝いできるのも嬉しい! 準備期間は2週間。共通の友人と「お祝いしよう! しよう!」と裏で盛り上がる。

表向きには、ただ我が家でご飯食べようっていう会なので、「何か食べたいものあるー?」とLINEで投げながら、モツ鍋会をすることになった。お祝いなので、お祝いのご馳走も用意したいところ。

そんな中、友人が「私、台本書こうかな」と言ってくれた。そう、彼女はその道のプロなのだ。大切な友人のために活かせる腕を持っていることがものすごく格好良く、頼もしい。そして人のお祝いにかこつけて、私もそれを一緒に味わえるのも最高に楽しみだ。

私にできることはといえば……。よし、飾りつけしよう! と、ホームパーティーに向けて本気で準備しちゃうぞー! と腕まくり。大の大人が本気で遊びに取り組むのって本当に楽しい。

そして私はめちゃくちゃパリピだ。ホームパーティー専門パリピ(笑)。出不精のパリピなんて結構レアなタイプかもしれないけれど、大人数も大きな音もキラキラ華やかな場所もオシャレするのも全部苦手なくせに、パーティーは大好きなのだ! 考えるだけでワクワクウキウキ、テンションMAX!

可愛いパーティーグッズを見つけては、台本を書く友人に「これ買っちゃったー」なんて連絡を入れる私。そしてそれをしっかり台本に組み入れてくれる友人。

夫には「はい。これ衣装ね」と、ハロウィンなどで使われるであろうコスプレ衣装を渡す。夫は、自分でプランを立てたり、自ら積極的に何かやるということは全くしない。でも、「今度、うちでこういう会するから」と言えば、全力で乗っかって楽しんでくれる。これもある意味すごい才能だなって思う。その夫の才能のおかげで、みんなも変な気を遣わずに楽しむことができてとてもありがたい。

今回も衣装を渡すと、「いいねー!(笑)」とノリノリで着替えて、カメラに向かってポーズを決めてくれた。やる気満々である(笑)。

風船を数十個膨らましてパーティールームを作り、準備もほぼほぼ完了。友人から届いた台本にも「さすがすぎる!」と夫婦で声を出して笑ってしまった。面白い会になる予感しかしない。

結婚のお祝いのサプライズの料理といえば、やっぱりケーキかなとも一瞬思ったのだけれど、私がケーキを作ったとしても「いかにも手作り」というボソボソのスポンジケーキになる予感しかしないし、ケーキを焼いて冷ましてデコレーションして……と考えると、時間的にも冷蔵庫のスペース的にもどうにも無理がある。

そして感動しそうなデコレーションケーキは絶対に作れない! ということで思いついたのは「鯛の塩釜焼き」である。おめでたい席に使われる鯛だし、インパクトもあるし、作るのはそんなに難しくないし、ケーキ入刀しなくても、塩釜を共同作業でかち割っていただければ絶好のシャッターチャンスだ。塩釜焼きを割る用のハンマーも、100均のハンマーを手芸用品でデコってお祝い仕様にして準備した。あぁ当日が待ち遠しい。

当日の段取りとして、台本を書いた友人親子が先に到着してリハーサル。そして鯛の塩釜焼きをオーブンに入れて、特別ゲストが到着後、談笑している間に焼き上がるようにする。オーブンの音を合図に夫がトイレに立つ形で一旦退室して、神父の格好をして戻ってきて、飾りつけした部屋の扉をガラガラっと開けてイベント開始という流れ。

予定通りに始まったものの、全員集合してからの雑談の時間が短く、焼き時間を少し延長したのがいけなかった。「やばい、焦げ臭い」と思い慌てて確認すると尻尾部分が焦げているではないか。慌ててオーブンを終了させたものだから、オーブンの終了音が短く合図に気づかない夫。

そんなちょっとしたハプニングから始まったものの、あとは概ね予想通り、いやそれ以上に大いに盛り上がり、台本を書いた本人は号泣し、私は途中で床で爆睡……。もう自由すぎるというか、ちょびっとカオスな、私たちらしい楽しいご飯会となった。

今回作って思ったけれど、鯛の塩釜焼きは、家にオーブンさえあれば簡単な上に結構盛り上がるので、いろいろなお祝いの場にぴったりでおすすめである!

つまみにもなるので、お酒が好きな人にも甘いものが苦手な人にも向いているし、余ってもおにぎりやお茶漬けなんかでサラサラっと食べられる。人にもおすすめしたいし、私もまた何かを祝うときに作りたいなーと思っているのでありました。

この度は、本当におめで鯛! これからもどうぞよろしくお願いしますの気持ちでいっぱいです。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。