ぷーこの家電日記

第465回

運動不足の45歳、初の東京マラソン体験

本連載でも1月に書いたとおり、軽い気持ちで応募した東京マラソンに当選していた。結局本番まで「走るのって楽しい!」という心境に到達できなかったし、計画の半分程度の練習しかできなかったけれど、2月に20km走るという練習目標は1度だけ達成してから「後は気合いと雰囲気で乗り切るしかない」と開き直り、去る3月5日に東京マラソン走ってきた!

前日までずっと憂鬱80%楽しみ20%くらいで過ごしてきたけれど、当日になると吹っ切れたのかワクワクしてきた。朝6時過ぎには朝食をしっかり食べてエネルギー補給していざ出発。

3万8千人くらい走る予定なので、最寄り駅で下車以降はとにかく人が多い。ランナーはAブロックからLブロックに分かれているスタートゲートで集合待機し、号砲と共に順番にスタートしていく。フルマラソン走ったこともない私はLブロック、最後の出走だ。

私がスタートできたのは最初の号砲から27分後だった。スタートするまでにすで5,000歩以上歩いていて、下手したら普段の生活時の1日分より多いくらい(笑)。これから果てしない42.195kmが待っているとか信じられないし、7時間後に自分がどうなっているか想像もつかない。

それでも沢山のランナーと沢山の応援の人に溢れた新宿の景色に、既にランナーズハイというか、ものすごく高揚する。最初は自分の走るところを確保するのが難しい程で、隙間を見つけながら手探りで走っていく。街の景色を見ながら「おー! ここ知ってる!」など完全に観光気分でキョロキョロしていると、最初の10kmはあっという間だった。練習だったら「まだ6kmかぁ」「早く家に帰りたい」なんて中々辛かったのに。

1回目のピンチは、12kmを過ぎた辺りで「トイレに行きたい!」と思い長い長い列に並んだ時。走っていると汗で水分が出るのでそんなにトイレに行きたくならないのだけれど、スタート前の待機の時間がとても長く、体が冷えていたので早々にトイレに行きたくなった。そろそろ限界が近いかもと、かなり並んでいたけれどトイレに行くことにしたのだ。

5分くらい並んで、列も少し進んできたところで、「第2ゲートの制限時間が迫っていまーす」とスタッフの人の声が聞こえてハッとする。7時間という制限時間以外に、数カ所収容関門が設定されていて、その制限時間に間に合わなかったら、その時点でリタイアとなるんだった!

数秒悩んでから、「関門超えるまでこの尿意は耐えられる!」と再び走り出した。収容関門を通り過ぎた時、制限時間の20分前くらいだった気がするので、諦めて走り出して良かったー! 関門超えた次のトイレに行ってセーフ! 気を取り直して再スタート。

2回目にして最大のピンチは18kmを過ぎた辺り。練習で20kmまでは走っていたのでまだまだ平気な距離と思っていたのに、だんだん左足後ろが痛くなり、攣ってしまいそうになったのだ。

足が攣るのはやばい! と、かなり焦った。練習中足が攣る体験はしたことがなかったので、どうしたら良いか分からず歩きながら悩む。そして一旦止まってからストレッチをして足をほぐしてみると少しずつ痛みと違和感がなくなり心底胸を撫で下ろした。いやぁ、この時が1番焦った。

20kmを超えたところからは完全なる未知の世界。ひたすら走っていくしかない。友人から事前に「エネルギー切れと脱水を避けるために、こまめに少しずつ補給すること」とアドバイスを貰っていたので、ゼリーや羊羹などの補給食を用意していたし、給水所では毎度少しずつ水分も取っていたので体力もまだ十分。

ただ、給水はあっても給食は1カ所も残っていなかった。自分で何も用意していなかったら恐らくエネルギー切れになっていたと思う。本当にアドバイスに感謝!

感謝と言えば、とにかくずっと途切れない沿道の応援と、駆けつけてくれた夫や友人の応援がものすごく嬉しかった。大人になってこんなにも誰かに応援されたり、褒められたりする機会ってそんなにない。それがずっと「頑張れ!」「ナイスラン!」って見知らぬ私に凄く声をかけてくれるのだ。それがとにかく嬉しかった。この途切れない声援が東京マラソンの1番の醍醐味かもしれない。

30kmを超えた辺りから急に足の疲労感が増してくる。20km以上走ったことなかったので未知の世界とは言え、事前に友人の体験ブログなどを読んでいたので知ってはいた。「これかー!」って感じ。

少し歩きまた走るを繰り返していたけれど、歩きから走りに切り替えるタイミングが1番足が痛いので、ゆっくりでも走り続けた方が良さそう……と頭では分かっているのに、それでもやっぱり足が動かなくなり歩いてしまったり。30kmから37kmくらいが1番キツかった。

37km過ぎたら「もう少しでゴール」が見えてきたので気持ち的にも楽になった。「もう早く終わらせたい!」というせっかち感情から、歩くよりも走る方が速い! と最後の数キロはずっと走り続けた(笑)。

「ナイスラン!」の応援に背中を押されて、5時間52分(グロス6時間19分)でゴール! 全然速くないけれど、とにかく完走することを目標にしていたので、私的には上出来だ。脳からドーパミンがじゃぶじゃぶ溢れ出してる感じであまり感じたことのない程の達成感。走っている途中はものすごくキツかったのに、ゴール直後からその辛さの記憶が曖昧になり「楽しかった!」「嬉しかった!」しか残らなかった。

もしまた機会があれば是非とも走りたいし、きっと練習もこの高揚感を思い出しながらだと今回ほど憂鬱にもならないだろう。抽選倍率が高い大人気の大会なので、次に走れる機会は何年後になるかも分からないけれど、まだ余韻に浸って楽しいと思っている今のうちに運動する習慣を身につけたいなぁと思っているのであります。たくさんのスタッフやボランティア、応援してくれた方々、本当にありがとうございました!

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。