ぷーこの家電日記

第408回

正月準備に燻製器で自家製ハム作り

あっという間にクリスマス! あっという間に年末! びっくりするほどあっという間に年の暮れが近づいてきた。ぷーこの家電日記も2021年は今日で最後。1年本当にお世話になりました。今年は連載8年で400回を迎えて、何をしても続かない私としては、何かをずっと続けることの凄さとありがたさを感じた年でもありました。ご褒美ではないけれど、今年こそオーブンレンジを買うぞと決めて宣言して早数カ月。1度見に行って、その後「よーし買おう!」と思ったタイミングでどこもグッと値上がりしていて、思い切れず、まずは大掃除を終わらせて、きっと値段も落ち着いているであろう年明けに買おうと心に決めているのです。

そんな感じで年末を迎えたわけですが、今年は正月準備をほとんどしていない。帰省しない年は正月食材などを買い、おせちはそこまで好んで食べないけれど、少しだけ準備する。基本的なお正月食材は無くてもブリとナマコ、ハムと蒲鉾と数の子があれば私たちはお正月を過ごせるので、大変な準備などはほとんどしないお気軽お正月。

おせち料理は頑張って作ったりしないけれど、私が年で1番丁寧に出汁を取るのが大晦日と元旦で、年越しそばとお雑煮は、お酒で疲れた胃腸にじわぁっと染みるような美味しいのが大好きで気合が入る。博多雑煮に絶対欠かせないかつお菜は、ここ数年家庭菜園で自分で育てているので、何とか調達できるし、どんこ(干し椎茸)や蓮根など、お正月に絶対使う食材はちょこちょこと手に入れた。後は定番の海産物とハムと蒲鉾と餅など細々したものくらいか……。

去年は産直ECでほぼ揃えたけれど、産直ECは基本個人の生産者さんが販売されているので、獲れ次第採れ次第という感じで日時指定が難しいところが多い上に、年末年始は流石にお休みを取られる方も多い。去年はタイミングと量を見誤ってしまい、お正月フライングと段ボール大渋滞で、美味しかったものの結構バタバタだった(笑)。今年は生鮮品を30日か大晦日に近所で購入しようかなぁ。

そして大事なのはハム! 「お正月=ハム」と言うのは夫。年末やお正月にハムを食べるという習慣は私には全くなかったので、おそらく夫は子供の頃からお歳暮にハムをもらっている家だったんだろう。「ハムの人がいたんだねぇ(笑)」なんて笑っちゃうのだけれど、普段食べないような良いハムを食べるのが夫にはお正月なのだ。年末年始にダラダラ昼から飲んでるようなときも「ハム食べる?」なぁんて私にも言ってくれる。

お歳暮を贈ったり貰ったりすることは我々にはほぼ無いので、結果買うことになる。お正月のご馳走的な位置付けなので、折角ならばと私も美味しそうなハムを探してみたり、夫も年末には「ハムもう1本買ってもいい?」なぁんて言うことも。

今年も12月に入って「ハムの季節がやってきたねぇ」なんて話していたのだけれど、そこでふと思いついて、「ハム、作ってみたら?」と言った。11月に模様替えやDIYなどをするために、ちょこちょことホームセンターに通っていたのだけれど、その時に目的の物は見つからず、その代わり(?)に燻製器に目が行って、つい買ってしまったのだ。

ときどき家で鋳物の鍋などで燻製を作ることはあったのだけれど、その燻製器は大きな肉なども燻せる大きさ。ここ2年ほどじわじわと焚き火やソロキャンプにハマり、ときどきキャンプに出かける夫のおもちゃにもぴったりだし、家では煙が気になってそこまで本格的に燻製を作れなかった私の食欲にもマッチする。何より思いの外安く、2千円台で買えるというのに驚いて買った燻製器。それが年末のハムを作るのに最適ではないか!

「ハム……作る? ハムってどうやって作るんだっけ?」と、夫とネットを調べて、ハムの種類とかハムとベーコンの違いとか今更ながら知って「へー!」となる我々。脱水したり、ソミュール液という塩などの味をつけたもので1週間ほど塩漬けにしたり、塩抜きをしたりと、ハムって結構な手間がかかる。だけどとてもワクワクする。

そんな話をした次の日に、夫は豚の塊肉やにんじんやセロリなどの香味野菜を買って帰ってきて、すごいやる気に笑った。普段料理をほとんどしない夫が、毎日冷蔵庫の肉をひっくり返したりとお世話をしていた。そして、暖かく晴れた週末に、焚き火がてら近所の公園のバーベキュースペースへと出かけていった。ハムを作るためには週間天気予報も重要だ。4時間ほど燻して帰宅し、それからまた数時間茹でる。

1週間ほどかけて作ったハムをいざ試食。「すっごい! ハムじゃん!」と、当たり前の感想を言ってしまったけれど、ものすごく感動した。チップの香りもほどよく残り大人の味。塩加減もバッチリ。「いやぁ、温度調整が大変だったよ」と燻製の大変さを語りながらも、「これは上出来だ! このハムは美味しい」と、夫自身もお正月に向けて再度やる気が出たようで、新たな塊肉が今も冷蔵庫に3本鎮座している(笑)。正月といえばハムだったけれど、正月といえば自家製ハムになりそうな我が家。新たな風物詩的な習慣が生まれたのでありました。

それではみなさま、どうぞ良いお年を。来年もまたどうぞよろしくお願いします。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。