ぷーこの家電日記
第385回
産地リレーで自宅にいても全国を巡る旅
2021年7月9日 07:30
季節を感じなくなるほど、家にこもりきりの1年半!? 季節分からないねぇとか言いながら「暑くない?」「蒸し暑くない?」と、すでにエアコンガンガン入れ始めております。1度入れると夏が終わるまで切れないのを分かっているのに、このごろの不快度指数高すぎる!
もともとめっちゃ暑がりの私。よく聞く話として、職場でも家でも、女性の方が寒がりで男性の方が暑がりで、エアコンの設定温度戦争が起きるのが通説。我が家は完全に逆だ。夫も決して寒がりではないのだけれど私が暑がり(笑)。実際は大変だと思いつつも、ブランケットや膝掛けを使う女性に憧れてしまう。エアコンを使いながら卓上扇風機で暑さをしのぐ私は更年期に入ると溶けちゃいそうで、今からすでにドキドキしているのだ。
季節が分からないと言いつつも、この1年ほど季節を感じた年はない。コロナ禍に入って、あまり家から出ない生活の中で習慣になった、産直ECサイトでのお買い物。最初の最初は「コロナで困ってます」という販路に困った食材を、「どうせ買うなら困っている人から買おう」くらいな気持ちだった。
でも実際は本当にみんな困っているし、そんな私の小さな胃袋では何かをどうにかするなんて考え自体がおこがましいなと気付いてからは、気ままなライフワークとして、産直ECでの買い物が我が家に根付いた。1年間で200件以上購入をしていて、全国あちこちから届く食材のおかげで、快適なおこもり生活を送ることができたのだ。まさにありがとう生産者様、ありがとうドライバー様である。
以前は自分と家族の住む場所くらいしか見なかった天気予報も、どこかで台風と聞けば誰かの顔が思い浮かんで心配になるし、豪雨と聞いてもハラハラしてしまう。家にこもってほぼ人にも会わないこの1年が、今までで1番賑やかで1番全国を近くに感じているというのがとても不思議。
最近は、どこにも行けない私たちにと、地元の観光パンフレットを同梱してくれる方もいる。ちょっとした旅行気分を味わえるし、落ち着いたら行きたいなぁという場所が増えていく。食べ物とセットでその土地を知ることで魅力がグッと上がるのが、とっても良い取り組みだなぁと感心感動しているのである。
そうやって、産直ECで食べ物を買っていると、食べ物の旬ってものすごく短いのだと感じる。「美味しかったなぁ。また食べたい」と思うころにはもうなくなっているし、どうしようかなぁと迷っているうちに終わってしまう。ものすごく早いスピードで駆け抜けていく旬を捕まえそびれたら、次のチャンスは1年後になるのだ。そして美味しいものの旬は重なるもので、お財布と胃袋事情で諦めることもしばしば。あれ食べたかったなぁと後悔したときにはすでに販売は終了していて、とにかく忙しい(笑)。
そして、それと同時に産地リレーってとっても面白いなぁと感じた。産地リレーは、細く縦長い日本の地形を生かして、リレーのように各地で次々と旬を迎えていく仕組みのことだ。日本全国に安定的に美味しい食べ物を提供するためにもよくできた仕組みで、ある生産者はその生産物を終えると「次は○○県よろしく!」と同志にバトンを渡した気持ちになるって言っていたし、私たちは知らず知らずのうちにその恩恵を享受しているのだ。個人で生産者と旬を追いかけていると、その慌ただしいほどの速さに驚くし、スーパーに行ったときの楽しみがものすごく増える。この野菜ってこの県が多く作っているのか! って知ったり、今週から産地が変わった! と、1人でニヤつきながらその発見を楽しんでいる(笑)。
10代の頃から一人暮らしをしていた私は、その頃は果物なんて買えなかったし、そのせいかどうしても贅沢品という感覚が抜けず、日常で果物を食べる習慣が20年近くすっぽり抜けてしまっていた。しかし、今年は本当に旬を追いかけるように果物を食べている。山梨→山形→北海道と旬で産地を追いかけたさくらんぼには感動しかなかった。
すごく苦手だった地理のお勉強も、食べ物と絡めるとすごく分かりやすいし、なんなら日本史や世界史だって食べ物絡みで考えるともう少し私の成績も良かったかも(笑)。「この野菜がヨーロッパで広く食べられているのにはコロンブスが関わっていたのかぁ!」とか、「これは遣唐使が持ち帰って、こちらは鎖国時代にオランダから来たのかぁ」と、知れば知るほど食欲だけじゃなくて知的好奇心まで満たしてくれる。私にとって聖火リレーよりも熱かった今年の青果リレー。まだまだこれからも繋げていくぞー!
またもや緊急事態宣言が発令されるらしい東京。またまた出かけるのは先延ばしになっちゃうので、各地から我が家に来てもらいますよーっと(笑)。