ぷーこの家電日記

第380回

苦手なものは少ないに越したことはない

早々に梅雨入りした東海地方以西。今年は長梅雨だと言っていたけれど、それからピタッと梅雨入りが北上せず、関東はまだ梅雨入りしていない。それでもだんだん蒸し蒸しする日が増えてきて、室内にいても暑がりの私にはそろそろ限界が来た。エアコンのフィルターを綺麗にしてもらったので、そろそろドライ運転を開始しそうな我が家。緊急事態宣言が延長になって、今月も家にこもっている日が多くなりそうだけれど、せめて家の中くらいはさらりと爽やかに過ごしたいものである。

在宅勤務が多い中、毎日毎食ともに食事をしながら、つくづく我々夫婦の食の趣向は似ているよなぁと思う。出身地が一緒なので、ベースの味の傾向が似ているというのはもちろんだけれど、好みの味付けだったりがとても似ている。毎日のご飯を作る上で、これがなかなかありがたいというか楽だ。味付けの濃い薄いなどでお互い我慢することもないし、相手が自分の料理を1口も食べずに調味料ダバダバかけていたら、私は正直ムッとしちゃうと思うけれど、それもないし。同じものを同じように感じて美味しいねぇー! と盛り上がれるのは、本当にラッキーなことだ。

2人ともほぼ好き嫌いがないのも、料理を作る上でストレスが少なくて良い。とはいえ、食材で嫌いなものはないけれど、味付けや調理法で苦手な物はそこそこ多い。ともにお酢が苦手なので、お酢を使った料理は我が家ではほぼ出てこないし、逆に辛いもの好きなので、辛い料理は好んでよく食べる。かなり趣向は似ているとはいえ、もちろん完全に一緒な訳ではない。揚げ物に添えられたキャベツには、私はお醤油派で夫はソース派。うどんといえば私は絶対に肉うどんだけど、夫はかき揚げを乗せる(笑)。それくらいどうでもいい違いとこだわり。ちょっと温度差が大きい食べ物といえばトマトかな。

夫はトマトの生食が苦手だ。トマト味の料理はむしろ大好物。自分に好き嫌いがあることを認めたくないのか知られたくないのか、苦手ということを結婚してもしばらく私に隠し続けていた(笑)。「何かもう1品軽めのおつまみが食べたいなぁ」って言うから、「トマトスライス出そうか?」と言うと、「うーん、やっぱり今日はいいかな」って言い出すし、カプレーゼなどが食卓に並んでも、1切れ2切れ食べて「もうお腹いっぱいになった」(嘘つけ!)とか言っちゃう。

いつもの食事と食いつきが全然違うし、何度か同じことがあれば「おや? あまり好きではない?」と流石に分かる。「嫌いでしょ?」と確認しても「そんなことないもん!」と何故か頑なに否定。言い訳が尽きてきたころに、「嫌いではないけど、好んでは食べないかなぁ」と言い出した(笑)。極端な好き嫌いではないので、別に食べなくても特段問題はないと思っているし、たくさん作って余らせる方がもったいない。見るのも嫌! というわけではないので、今は私1人で食べる分+α程度の量で生のトマトを使ったサラダなど作るし、夫も少しは食べる。

それが、つい先日「これ美味しいね!」といつもトマトを食べるスピードの2倍くらいの速さでぱくぱく食べ出したのだ。別に嫌いを克服してほしいとは思っていなかったけれど、自分が美味しいと思うものを「これ、美味しくない!?」と共感できることがめっちゃ嬉しくて、私のテンションが上がってしまった! ほぼ思考や趣向が確定されているであろう40代で「好き」が増えることって何だか嬉しい。

私も、好きなものが増えたら楽しさが増えるよなぁという期待から、数年に1度くらい苦手なものをあえて食べてみる。「えー! これって美味しいじゃない! 何で今まで避けてたんだろう?」と感動することを期待するんだけれど、大抵「やっぱりダメだわ」となる(笑)。美味しい美味しいと食べている人を見ては「私もその感動を味わいたい!」と悔しくなってしまう。次回こそはー! とまだまだ諦めてはいないのだけれど、道は遠いらしい。

夫が生トマトを美味しそうに食べているのを見たばかりということもあり、私も今年こそはと目をつけた食材は「梅干し」。あのしょっぱい昔ながらの梅干しがとっても苦手なのだけれど、今年は梅が豊作というか、出来がとても良いとちらりと聞いた。今年は梅干しを作るところからトライしてみたいと思う。梅ジュースや梅酒は毎年のように漬けるけれど、梅干しは初めてだ。きっと初めて漬けた自分の梅干しに「うへー! 酸っぱい!」と顔をしかめるだろうし、なかなか箸も進まないだろう。熟成が進んで何とか全部消費し終わるころに「梅干し大好きかも!」なぁんてならないかな(笑)。そんな期待を込めながら、今年は梅仕事ってやつをやっちゃうぞー! と苦手なものにワクワクしているところであります。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。