調理の下処理

【調理の下処理6】「鶏肉」部位別の下処理のコツと、冷めても美味しい訳

お値段も手頃な「鶏肉」は、唐揚げや鶏ハムなどメイン料理に欠かせない食材で、部位によって食感も異なりますよね。今回は、鶏モモ肉、鶏ムネ肉、ササミ、砂肝の部位に合わせた下処理法をご紹介します。それぞれ脂肪や筋の付き方が異なるので、下処理の方法は部位によって違うのです。上手に下処理をして、仕上がりを良くするコツをお伝えしますね。

 

【鶏モモ肉の下処理】脂身や筋を取る

鶏モモ肉は脂肪分が多いので、唐揚げや照り焼きチキンにすると、ジューシーな食感に仕上がりますね。ですが、余分な脂は臭味の原因になります。鶏肉の脂肪は、皮の部分に多く付いています。皮の裏に付いている脂肪を包丁でスライドするように取り除きましょう。そのほか肉に付いている脂肪、筋、軟骨は、包丁で切り込みを入れてはがします。照り焼きチキンにするときなどは、皮にフォークで穴を空けると、皮の縮みを防げるので、仕上がりが良くなります。

 

【鶏ムネ肉の下処理】「観音開き」と「そぎ切り」の方法

鶏ムネ肉は、節約料理に欠かせないお肉ですが、加熱をすると固くなりがち。下処理で固くなるのを防ぎましょう。そぎ切りにする場合、繊維を断ち切るように包丁を入れると固くなりにくいです。鶏ムネ肉の繊維は、木の葉の葉脈のように入っているので、2~3等分に切り分けたあと、繊維と直角に包丁を入れてそぎ切りにしましょう。また、鶏ハムやステーキなどにする場合は、厚さを均一にするために観音開きにしますが、このときは開いたあと、包丁の背で叩いて、繊維を切ると食感が柔らかくなります。

 

【ササミの下処理】筋の取り方

ササミは鶏のなかで最も脂肪分が少なく、淡白で軟らかい部位です。ササミには中央部分に入っている長くで白い筋は、身の中心まで続いているので、取りにくいものです。筋を取るには、筋に沿って包丁で切り込みを入れます。筋の先端を左手で押さえて、包丁で身を押しながらスライドさせて取り除きましょう。

 

【砂肝の下処理】薄皮の取り方

2つのこぶが並んでいるような形をしている砂肝には、、銀色の薄皮が付いています。この薄皮を取り除くには、まず2つのこぶを切り分けます。次に、こぶの中心へ包丁を入れて皮を残すようにそぎ取ります。左半分も同様に包丁を入れて、そぎ取りましょう。取り除いた薄皮は、細かく刻んで煮込み料理や炒め物などにすると、おつまみの1品になりますよ。薄皮を付けたまま調理することもありますので、料理に合わせて下処理をしましょう。

 

鶏肉料理が冷めても美味しい訳

お弁当のおかずにも大活躍の鶏肉料理は、冷めてもあまり味が落ちず、美味しいですよね。鶏肉が冷めても美味しい理由は、脂の融ける温度にあります。肉の脂が溶ける温度は、鶏肉が30~32℃、牛肉が40~50℃、豚肉が33~46℃です。鶏肉は口の中で脂が融けやすいため、冷たい料理やお弁当にも向くのです。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。