ママ1万6千人調査「教育費が高い！」3歳～高校の学齢別・習い事費用実態

子どもの成長とともに増え続け、悩みの種となるのが教育費ですね。今回は、3歳から高校3年生までの子どもがいる母親16,170人へ聞いた、学年別の習い事費用などの調査結果をご紹介します。スポーツ、芸術、塾などさまざまな習い事がありますが、習い事の種類によって金額が掛かるピークは異なるようです。また世帯年収や住んでいる地域によって、掛かる金額が変わることも分かりました。

約7割が「教育にお金が掛かりすぎると思う」

図表1）教育費の支出についての意識

ベネッセホールディングスの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」が、3歳から高校3年生までの子どもがいる母親16,170人へ行なった「学校外教育活動に関する調査2017」で、教育費について聞いたところ、「教育にお金が掛かりすぎると思う」と回答した割合は全体で67.2％となり、年代別では「中学生」の77.6％で最多という結果でした。また「教育費の無駄をできるだけなくす努力をしている」という割合は全体で62.3％、年代別で見るとこちらも最多は「中学生」で64.6％となりました。

学校外教育活動費、ピークは中学3年の25,900円

図表2）学年別学校外教育活動費（月額）

次に、習い事などで掛かる「学校外教育活動費」を学年別に見ると、3歳以降で少しずつ支出が増加し、ピークは中学3年生の月額25,900円という結果に。しかし内訳を見ると「スポーツ活動」のピークは小学3年生で月額5,100円、「芸術活動」のピークは小学校4年生で月額2,200円でした。スポーツや芸術などのおけいこは小学校中学年でピークを迎え、小学校高学年から中学3年生までは英会話・英語教室、進学塾などの「教室学習活動」に掛かる費用が増加していることが分かりました。

学校外教育活動費は、2009年調査から2,200円ダウン

図表3）学校外教育活動費（月額）（経年比較）

また「学校外教育活動費」の推移について見てみると、今回の調査での平均額は月額14,500円で、2009年に行なわれた第1回調査結果の16,700円と比べて2,200円減少していました。全年代で減少が見られ、各減少額は、「幼児」で700円、「小学生」で2,600円、「中学生」で2,900円、「高校生」で3,400円となり、学年が上がるほど減少幅も大きくなりました。

「スポーツより勉強」が4割、「芸術より勉強」も4割以上

図表4）スポーツ活動・芸術活動についての考え（※）

続いて、「運動やスポーツよりもっと勉強をして欲しい」かを尋ねると、「とてもそう思う」と「まあそう思う」を合わせた全体の割合は39.4％となり、過去2回の調査結果と比べて増加しました。また、「音楽や芸術の活動よりもっと勉強をして欲しい」かを尋ねた質問でも、「とてもそう思う」と「まあそう思う」の合計は、過去2回の調査と比べて最も多く44.5％となりました。多くの親はスポーツや芸術よりも勉強に力を入れて欲しいと考えているようです。

※2009年調査では、高3生を対象していないため経年比較では3歳～高2生を対象に算出

6割が「習い事や塾に通わせないと不安」

図表5）教育についての考え

さらに「子どもの将来を考えると習い事や塾に通わせないと不安」かを聞くと、「とてもそう思う」と「まあそう思う」を合わせて全体で60.8％に上りました。過去2回の調査結果と比べると、年々上昇していて、第1回調査より9.1ポイント増えています。また、「子どもにはできるだけ高い学歴を身に付けさせたい」かを聞いた質問へ「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した人は64.4％で、こちらも過去2回と比べ最多の結果となりました。

世帯年収、自治体規模によって変わる教育費

図表6）1カ月あたりの学校外教育活動の費用

世帯収入と自治体規模別に、1人あたりの学校外教育活動費の違いを調べてみると、「世帯年収400万円未満」の家庭で月平均の負担額が8,000円なのに対し、「世帯年収800万円以上」では2,500円となり、3.1倍の差が生じました。自治体規模別では、自治体規模が「5万人未満」の場合、月額平均9,900円だった一方、「政令指定都市・特別区」では17,500円と1.8倍に増え、都市部ほど支出額が大きくなることも分かりました。この状況は2009年の調査結果からほとんど変わっていませんでした。

まとめ

習い事や部活動に掛かる費用は、子どもが成長するほど増え、高校受験を控えた中学3年生がピークとなるようです。qufour読者のお子さんは未就学児も多いので、月額の金額に驚いた方もいるのではないでしょうか。お子さんの成長に合わせた支出の波があることも分かったので、参考にしながら計画的に貯蓄ができると良いですね。

◇第3回 学校外教育活動に関する調査 2017（ベネッセホールディングス）
http://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=5210