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【折り紙とハサミで切り絵19】応用編:立てて楽しむ「小さな切り絵」

切り絵のテクニックをレベルアップさせながら、新たな楽しみ方やアレンジ法をご紹介していく「応用編」の3回目。今回は、サイズの小さい切り絵の作り方とコツ、立てて立体的に飾る楽しみ方をご紹介します。立てた切り絵を重ねて並べれば、飛び出す絵本のような雰囲気になりますよ。小さな切り絵を切るときのハサミの使い方や、工作用ハサミのご紹介もしますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

 

用意するもの

今回は、切ったあとで立てられるように「タント折り紙」などの、少し厚手で強度のある折り紙を使いましょう。大きい文房具店や画材店などで購入できます。折り紙は、1枚の半分サイズと、8分の1サイズ2種類を準備しましょう。ハサミは、普通の大きさのもので大丈夫ですが、8分の1サイズなどの小さい切り絵を作るときや、狭いスペースに細かい切り込みを入れるときなどは、工作用の刃先が短いハサミを使うと良いでしょう。

 

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小さな切り絵の作り方1:中央の木から作りましょう

最初に、1/2のサイズの折り紙を切ってみましょう。今回は、折ってから切って広げると左右対称に出来上がる方法で木を作り、木の両側に絵を描くように切る方法で、草むらと鳥の親子を作ります。紙を半分に折りって正方形にし、写真のように折り線の上部へハサミを入れて、木のてっぺん部分から葉、幹、根元へと切り進めましょう。木の大きさは、葉が茂っている部分の幅を1cm、幹の幅を3~5mm目安で作ってみてくださいね。紙の底辺の部分は高さ1cmほど切らずに残し、木の根元の横に草を幅2cm切りましょう。切り絵のスタイルや切り方は、【折り紙とハサミで切り絵3】も参考にしてください。

 

◇【折り紙とハサミで切り絵3】おとぎ話のような「ウサギの森」に挑戦
https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/lifestyle/1162347.html

 

小さな切り絵の作り方2:大きい鳥を作りましょう

次に、草の根元から間を開けずに、鳥の足を直線で切り、お腹、クチバシ、背中、羽、お尻、足元へと一筆書きのように切り進みます。ハサミを進めるときは、切る部分の近くをしっかりと指で押さえてくださいね。お腹や羽などの曲線は、ハサミの位置を固定して紙を回しながら滑らかに切り、クチバシは短い直線4本で作りますが、紙を上下に動かしジグザグに切るとやりやすいです。小さな切り絵は、切り終えた部分にハサミが引っかかりやすいので、丁寧に進めましょう。下絵を描いてから切っても大丈夫です。

 

小さな切り絵の作り方3:小さい鳥を作りましょう

大きな鳥を切り終えたら、その横に草むらを幅1.5cm切り、次に小さい鳥を大きな鳥と同じ要領で切っていきます。大きい鳥は尾からくちばしまでの幅が3.5cm、小さい鳥は2cmを目安にしてくださいね。小さい鳥を切り終えたら、紙の端まで草を切り、紙を切り離します。最後に、鳥の足と足の間を切り抜いて、歩いているような姿に仕上げましょう。足の間を切るときは、あれば工作用の小さいハサミを使います。写真右側のように、鳥の足元へ、紙のフチと平行に2mmの切れ目を直線で入れます。

 

小さな切り絵の作り方4:足を切り抜きましょう

次に、鳥のお腹へ向かって直線を切って1本目の足を作り、続けてお腹の部分を緩やかな曲線で切り、もう1本の足の内側を、地面へ向かって直線で切ります。最後に、紙のフチと平行に、1本目の足へ戻って切って紙を切り離しますが、このとき足と足の間に草を切ると、鳥が草むらを歩いている雰囲気が出ますよ。写真の足は太さ2mmほどですが、もう少し太くても大丈夫です。小さいハサミは、刃先まで使ってパチンと切るようにしてください。小さい鳥の足も同じように作りましょう。

 

小さな切り絵の完成!広げて立ててみましょう

小さな鳥にも足を作れば、作品の完成です!折り線部分を指で広げて、テーブルの上などへ立ててみましょう。紙から絵が飛び出してくるような切り絵が出来上がりましたね。立てにくい場合は、広げた切り絵の上へ厚い本などの重しをしばらく乗せてから立ててみてください。木や草、鳥の形や大きさは、自由に変えて作ってみてくださいね。

 

もっと小さな切り絵に挑戦しましょう

次は、小さな切り絵に挑戦です。折り紙を4等分して、さらに半分にし、8分の1サイズの紙を作ります。工作用の小さいハサミを使って切ると簡単ですよ。紙を半分に折って正方形にし、折り線部分から切り始めます。見本では、切った紙を広げると中央に左右対称の家、その両側へ木や花を切っています。切るときは、ハサミの位置をなるべく固定して紙を動かて切りますが、花びらなどの小さな曲線は、刃先を切る部分へ持っていくようにし、刃先で線を描く気持ちで切りましょう。

 

もっと小さな切り絵、完成!

紙の端まで草や木を切り、最後に家の飾り模様を切り抜いたら完成です。ミニチュアサイズの切り絵が出来上がりましたね。紙を広げて、立ててみましょう。見本の切り絵は、家の幅が1番広い屋根の部分が幅2cm、家の土台の部分が幅1cmほどです。家や木などの高さは、紙を目一杯使って切ってみてくださいね。底辺の地面の部分は、高さを5mmほどを残しておくと、紙が安定するので立てやすくなりますよ。

 

モチーフをアレンジしましょう

最初に作った鳥の親子の切り絵をウサギの親子に変えて、中央の木の形を変えると、写真のような作品に仕上がります。だいぶ雰囲気が変わりますね。こんな風に絵柄をアレンジして、オリジナルの作品作りを楽しんでみましょう。切って広げると左右対称に出来上がるモチーフを中央へ入れると、バランスが良くなるほか、立てやすくなります。。小さいハサミを使って、1つ1つのモチーフをしっかりと切れように練習して、小さいながらも立派な作品を作ってみましょう。

 

作品を重ねて飾ってみましょう

紙の色や絵柄の違う小さい切り絵を、いくつか並べて飾ると、可愛い世界が広がります。お部屋などに飾っても、透明のケースに入れて飾ってもいいですね。光が当たると、影も楽しめますよ。子どもと一緒に、紙芝居のように遊ぶのも楽しそう!立体感のある切り絵も、切り絵の楽しみ方の1つにぜひ加えてみてくださいね。

 

まとめ

切り絵のテクニックが身に付てくると、小さな切り絵にや、細かく繊細な切り込みのある切り絵に、チャレンジしたくなる人も多いのではないでしょうか。小さな切り絵をマスターするには、今回ご紹介したように、小さい紙の範囲内へ、得意なモチーフや好きなモチーフを切る練習から始めるのがおすすめです。また、小さな切り絵は安定感があるので、立てて気軽に飾れるのも魅力です。

 

コーヒーくん(切り絵・絵本作家)

切り絵・絵本作家「コーヒーくん」として活動中。アートスクールでたまたま出会った切り絵にはまり、以来ハサミでチョキチョキしている毎日です。生活の中で見て癒しになればいいなと、ブログで日々切り絵を披露しています。手製本で絵本を作る創作活動もしています。ブログは「毎日切り絵♪絵本屋さんのコーヒーくん」、minneは「魔法ウサギ by絵本屋さんのコーヒーくん」。