賃貸の退去時トラブル・40％がアリ、敷金では不足？入居時のポイントは？

賃貸住宅の退去時に、敷金に関するトラブルを経験した人も多いのではないでしょうか。今回は、20～40代の1人暮らし経験者1,000人に聞いた「引っ越し退去時の失敗・トラブル」「経済的な負担と対策」をご紹介します。引っ越しだけでも大きな負担なのに、予想外の出費がかさむのは避けたいもの。経済的な負担を防ぐための効果的な対策も見えてきました。

賃貸住宅から退去時のトラブル、約4割が「経験あり」

Q）ひとり暮らしの賃貸住宅から引っ越すとき、失敗したと感じた経験や、トラブルになった（なりそうだった）経験はありますか

賃貸住宅の総合管理を手掛けるハウスメイトパートナーズが、賃貸住宅でのひとり暮らし経験のある20～40代の男女1,000人へ「引っ越し時のトラブル経験」を聞いた調査で、「ひとり暮らしの賃貸住宅からの退去時、失敗したと感じた経験や、トラブルになった（なりそうだった）経験の有無」を尋ねると、「失敗やトラブルの経験がある」「失敗やトラブルになりそうだった経験がある」「失敗だったかも、と思う経験がある」を合せて、4割以上の人が「ある」と回答しました。

多かったのは「敷金が戻らない」などの、経済的負担

Q）具体的にはどのような経験でしたか（複数回答、n=426）

前の質問で「ある」と回答した426人へ「具体的にどのような経験だったか」を複数回答で答えてもらうと、「敷金が戻ってこなかった（31％）」「入居時からあった傷や汚れの修繕費を請求された（27％）」「退去時のクリーニング費用として法外な金額を請求された（21％）」など、経済的な負担に関わる内容が上位に複数挙がりました。ほかには「退去申請手続きに時間がかかり、予想以上に手間がかかった（25％）」「入居時の状態に戻すように言われて当惑した（13％）」などの回答もあり、想定外の事態に見舞われた人も少なくないようです。

敷金以上の経済負担を経験したのは、約3割

Q ）その失敗やトラブルで、経済的な影響はありましたか（n=426）

続いて「退去時の失敗やトラブルでの経済的な影響」について尋ねると、「敷金よりオーバーし、経済的な負担が発生した」人は全体の27.2％という結果に。「出費は発生したが敷金でカバーできた」人と合わせ、6割以上の人に経済的な負担が生じていたことが分かりました。

敷金以上の負担額は「5万円以上」！

Q）その失敗・トラブルでいくらくらい出費がありましたか。

さらに、敷金以上の経済負担があった人へ「負担した金額」を聞いたところ、最も多かったのは「5万円以上」で38.8％を占めました。

退去時のトラブル、防止行動をしてない人も3割

Q）賃貸住宅への入居時、退出時に気を付けていることはありますか（複数回答）

一方、退去時に失敗・トラブル（になりそうだった）経験が「ない」と回答した463人へ「賃貸入居時、退出時に気を付けていること」を尋ねると、トラブルを防ぐための行動をしていない人が34.1％いたものの、「退出や入居の連絡・相談は早めにする（53.1％）」「契約書を細かく読む（31.3％）」「入居や退出の時に写真を撮る（21.4％）」などが挙がりました。トラブルがあった人の経験を意識して、入居時から対策を取っていることが分かる結果ですね。

入居時のポイントは「早めの連絡」「契約確認」「写真撮影」

また「それぞれの行動に対しての（退去時のトラブルを防ぐ）効果」への回答を「効果があった」と「まあ効果があった」で合計すると、「退出や入居の連絡・相談は早めにする」は84.5％、「契約書を細かく読む」は84.1％、「入居や退出の時に写真を撮る」は68.7％と、それぞれに高い効果を感じていることが分かりました。

まとめ

今回の調査は、ひとり暮らしの引っ越しが対象でしたが、小さな子どものいるファミリーであれば、退去時の壁や床の傷、汚れのトラブルはひとり暮らし以上に増えそうです。必要以上に経済的な負担をかけないためにも、入居時に部屋の状態を記録したり、契約内容を細かくチェックしておきたいですね。壁や床のほか、水回りのシミ、作り付けの扉の蝶番の具合や棚の化粧板が剥がれていないかなど、細かいところまで仲介会社の人の立ち合いのもとで確認しておくと安心です。

◇賃貸住宅から退出時に4.2割の人はトラブル経験あり！その内、2.7割は敷金以上の経済的負担を経験。一方でトラブル経験のない“引っ越し上手”は入居時の行動に違いが（ハウスメイトパートナーズ）
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000026783.html