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【基本の薬膳18】簡単リストで「体質チェック」~「水」編
2016年 10月 2日 06:30
薬膳では、東洋医学の「気」「血」「水」の1つ、「水」のバランスが崩れても体調不良を起こすと考えます。前回は「気」「血」の体質チェックをご紹介したので、今回は「水」の体質チェックも試してみましょう。誰でも簡単にできるリスト形式で、不要な「水」が溜まる「水毒(すいどく)」、必要な「水」が不足する「津液虚(しんえききょ)」(【基本の薬膳7】)の「証(しょう・反応や症状のこと)」を診ていきます。リストで体の偏りを見直し、ゆっくり「バランス」を調えていきましょうね!
体の機能を保っている「水」の役割
これまでも「水毒」や「津液虚」に触れてきましたが、ここで少し復習してみましょう。「水(すい)」=「津液(しんえき)」は体全体を潤す水分のことで、皮膚や粘膜を保護する役割を担います。例えば、唾液も「津液」の1つで、口内環境を調整して食べ物を飲み込みやすくするだけでなく、食道や胃を保護したり、肺に菌が入るのも防いでくれています。こう考えていくと、体内で機能する水分の役割がイメージできるのではないでしょうか。「水」のバランスは重要で、体内で余ると老廃物と結びついてしまいますし、不足しても必要な機能を果たせなくなってしまいます。かと言って、水分ばかりを摂っても体内で必要な「水」を満たせるわけではないため、「食べ物(薬膳)」や「白湯(冷ましたお湯)」をゆっくり飲んで体バランスを調えていきましょう。それではいよいよ、体質チェックです!
「水毒」の度合いを知る、チェックリスト
当てはまると思う項目にチェックを入れてみましょう。
1. □ 雨(梅雨)や、雨の日に体調を崩しやすい
2. □ 乗り物酔いしやすいと思う
3. □ 手足がむくみ、太めだと思う
4. □ 夕方以降の、下半身のむくみが強い
5. □ 夕方になるにつれ、靴がきつい感じがする
6. □ 胃に不快感やむかつきがある
7. □ 胃内停水の感覚がある(ポチャポチャ音がする)
8. □ 鼻水や痰(たん)、唾液の量が多いことがある
9. □ 便が柔らかいことが多い
10.□ 汗をよくかく
11.□ 運動不足になりがち
12.□ 1日の終わりに体が熱っぽい、ほてりを感じる
13.□ 関節痛がある、または膝に水が溜まっている
14.□ 冷たい飲料を飲みたくなる
15.□ 冷え性でお腹が冷たい
「津液虚」の度合いを知る、チェックリスト
当てはまると思う項目にチェックを入れてみましょう。
1. □ 体が重く、だるさも感じやすい
2. □ 風邪では熱症状が強い、微熱がある
3. □ 目が充血しやすい
4. □ 目が乾燥する(ドライアイ)
5. □ 肌乾燥や髪の乾燥が強い
6. □ 肌のキメが粗い
7. □ 吹き出物が出やすい
8. □ 便秘がちである
9. □ 便が硬いことが多い
10.□ 尿の色は濃く、尿量が少ない
11.□ 水分の摂り過ぎだと感じる
12.□ 水分を摂っても、喉の渇きが癒えない
13.□ 声が枯れやすい
14.□ 口や喉、舌の渇きを感じる
15.□ 顔がほてる
「水」バランスは、運動での調整も大切
「水」の体質チェックで、みなさんはいくつチェックが入りましたか?体質チェックでは、1番チェックが多かった証を自分の証と診ることもできますが、1つの症状に限定するのではなく、ある症状は強め、ある症状は弱めと診ていきながらバランスを調整していくのがよいでしょう。「水」の概念を知っていても、どの症状が不調と関連するかは分かりにくい部分もあると思うので、ご紹介した体質チェックがお役に立てばと思っています。薬膳での対処法は、「水」について【基本の薬膳7】でご紹介していますが、特に「水」バランスの場合、食べ物で水分を調整するほかに、軽い運動やストレッチをするなどして代謝を良くしたり、体を温めるのが理想です。どの食べ物が体を温めたり、冷やしたりするかにも注意を向けてみてくださいね!
体質チェックを使って、「気血水」のバランス調整を
前回と今回ご紹介した「気」「血」「水」の体質チェックは、□にチェックが入ると心配になってしまう面があるかもしれませんが、体調は日々変化していくので結果に一喜一憂しなくても大丈夫です。自分の体や心について知っただけでも、大きな前進!不調が強く、はっきり自覚している症状がある場合は重症化させないように専門医を受診しますが、たいていは誰でも当てはまる症状があり、傾向の強い部分とそうでない部分に分かれるので、過度に心配しすぎずに薬膳(食べ物)や漢方の力を借りて「健康」=「中庸」を目指しましょう。薬膳では「気」「血」「水」のバランスがとれている状態を「健康」と考えるため、今回の「水」バランスと合わせて、「気」(【基本の薬膳5】)「血」(【基本の薬膳6】)にも気を配ってみてください。みなさん忙しい毎日を送っているとは思いますが、可能な方法を取り入れながら体を楽にしていってくださいね!