10分こそうじ

もう食材ムダにしない! 冷蔵庫の使いこなし術

年に一度の大掃除より、日々の“小”掃除。整理収納アドバイザーとお掃除スペシャリストの資格を持つ筆者が、1日の終わりに10分でできる掃除や片付けのポイントをお伝えします
食材をムダにしない冷蔵庫の使いこなし術を紹介します

「冷蔵庫の中がいつも食材でパンパンで、何が入っているかわからない」「気がつくと野菜がしなびていたり、賞味期限切れの調味料が出てきたりする……」毎日の食事づくりを支える冷蔵庫ですが、うまく管理できずストレスを感じている方は少なくありません。家計にも地球にも優しく、かつ日々の料理が楽しくなる「冷蔵庫の使いこなし術」をご紹介します。

なぜ「食品ロス」が起きるのか?

家庭から出る食品ロスの大きな原因は、食べられるはずの食材を捨ててしまう「直接廃棄」です。その主な要因は、食材の腐敗や賞味・消費期限切れ。ここで改めて意識したいのが、期限表示です。

賞味期限: 品質が変わらずに「美味しく食べられる」期限。この期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限: 安全に食べられる期限。この期限を過ぎたものは、食べるのを控えるべきです。

この違いを正しく理解し、期限の近いものから優先的に使い切る「先入れ先出し」を意識するだけで、廃棄の量は劇的に減ります。

「過剰除去」を見直そう

食品ロスを語る上で欠かせないもう一つの視点が「過剰除去」です。これは、本来食べられる部分まで過度にむいたり、切り落としたりして捨ててしまうことを指します。

  • 野菜の皮を厚くむきすぎている
  • ブロッコリーの芯やきのこの石づきを大きく切り落としている
  • 皮つきで調理できるのに、わざわざ剥いている

こうした無意識の習慣が、実は大量のゴミを生んでいます。野菜の皮には栄養が多く含まれており、スープの出汁(ベジブロス)にしたり、細切りにしてきんぴらにしたりと、工夫次第で美味しくいただけますよ。

野菜の皮はきんぴらすれば美味しくいただけます

冷蔵庫の「特性」を知って収納上手になろう!

冷蔵庫はただ食材を詰め込む箱ではなく、それぞれのエリアで温度や湿度が細かく管理された精密装置です。その特性を活かした収納こそが、食品を長持ちさせる鍵となります。

各エリアの特性と適した食材

※冷蔵庫によって多少の違いがありますので、取扱説明書などをご確認ください
チルド室(0〜2℃): 温度が低く、生ものの保存に適しています。肉や魚、納豆、チーズなどの発酵食品にはここが最適です。
冷蔵室(3〜6℃): 庫内全体の中でも特に温度が安定しています。下段ほど冷気が溜まりやすく温度が低いため、傷みやすい食材や、期限を管理したい食材を置くのがコツ。消臭剤を下段に置くのも、冷気が滞留しやすいため理にかなっています。
ドアポケット(5〜7℃): 開閉による温度変化と振動が激しい場所です。そのため、繊細な食材ではなく、調味料や飲料の保存に向いています。
野菜室(6〜7℃): 温度・湿度ともに高めに設定されています。野菜は乾燥に弱いため、必ずポリ袋や保存袋に入れて湿度を保ちましょう。
冷凍室(-18〜-20℃): 長期保存の頼れる味方です。

冷蔵庫のエリアごとの特徴を活かして収納しましょう

また、冷蔵庫にはいくつかのタイプがあります。

片開き: ドアポケットが大きく、開け閉めが多くても冷気が逃げにくい
観音開き: 省エネ性能が高い一方で、ドアポケットの収納力が限られる場合も
両開き: 設置場所を選ばず、ライフスタイルの変化にも対応しやすい

ご自身の冷蔵庫のタイプを今一度確認し、その特性に合わせた収納配置を考えてみてください。

冷蔵庫の黄金ルール「余白を確保する」

冷蔵室の空間は「3割以上」の余白を持たせることが、効率よく冷気を循環させる秘訣! ぎゅうぎゅうに詰め込むと冷気が行き渡らず、電気代も余分にかかってしまいます。

冷蔵庫管理がしやすくなる仕組み

半調理

買ってきた食材をそのまま野菜室に放り込むのではなく、下処理(半調理)を済ませてから保存しましょう。例えば、野菜を使いやすい大きさにカットして保存容器に入れる、肉に下味をつけておく。これだけで、帰宅後の夕食準備が格段にスピードアップし、食材を使い忘れずに済みます。

ラベルで期限を可視化

冷凍した食材や、保存容器に移し替えた調味料には、マスキングテープなどでラベルを貼る習慣を。中身と日付を書くだけで、記憶に頼らずに済みます。

冷蔵庫を整えることで得られる「いいこと」

冷蔵庫を整えると冷気がスムーズに循環し、無駄な電力消費を抑えられるため光熱費の節約に。また、在庫が見える化されることで「まだあるのに買ってしまった」というダブり買いを劇的に減らせます。在庫が把握できていると献立も考えやすくなりますよ。さらに、食材を最後まで使い切ると廃棄ゴミが減り、環境負荷の低減にも貢献できます。

冷蔵庫の歴史は、私たちの生活の変化そのものです。大正時代に登場し、昭和25年頃から一般家庭へ普及。東京オリンピックの頃には冷凍食品の普及とともに冷凍室の重要性が高まりました。

冷蔵庫は、私たちの「食」を支える大切なパートナー。食材を美味しく保ち、活用する冷蔵庫を整えることは、自分自身と家族の健康、そして地球環境を守る、とても素敵なアクションなのです。

丸 マイ

整理収納アドバイザー、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。