老師オグチの家電カンフー

IoTを意識させず売れている? スイッチボットのCO2センサー

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
「SwitchBot CO2センサー(温湿度計)」(左)と「ハブミニ」(右)。単体でも温度、湿度、CO2濃度などは表示するが、ハブミニと接続することでスマホ通知や天気予報表示に対応する

我が家の坊っちゃん(大学生)が、「SwitchBot CO2センサー(温湿度計)」を購入してきました。やたらに窓を全開にして換気するので、寒いです。CO2(二酸化炭素)が気になるお年頃なのでしょうか?

購入の理由を聞いてみると、「学校の授業でCO2を計測する実験をしたから」と言います。CO2センサーってどうやって空気中の濃度を測っているんだっけと思い、調べてみました。CO2には赤外線を吸収する性質があり、空気中を通過して減少した赤外線の量を検出して濃度を割り出すのだそうです(NDIR方式)。

これ、5年前に書いた記事でも説明していたことをすっかり忘れていました。検索でヒットした自分の記事を読み、「へぇ、そうなんだ」と感心して、自分の記事だと知って驚いたことは1度や2度ではありません(笑)。脳の機能が低下している? これもCO2濃度のせいかもしれません。

ちなみに、CO2が地球温暖化の原因とされるのは、地表から宇宙へと放出される熱(赤外線)をCO2が吸収し地表付近にとどまらせてしまうからです。センサーの仕組みと地球温暖化のメカニズムがつながりました。

「SwitchBot CO2センサー(温湿度計)」はIoTデバイスですので、CO2濃度が一定を超えた場合にスマホに通知したり、同社のサーキュレーターと連動させたりが可能です。夏や冬の閉め切った部屋では、サーキュレーターを動かしたところで換気の効果には限りがありそうですが、気付きや意識付けにはなるでしょう。

SwitchBotアプリ。データはローカル(センサー本体)に最大38日間分、アプリに最大2年間分保存可能
CO2濃度のグラフ表示。窓を開けて換気するとぐっと下がる
アプリでは一般的に知られる相対湿度と絶対湿度を可視化。さらに結露が発生し始める温度である「露点温度」や、1m3の空気中に「あとどれだけの水蒸気を含めるか」を示す「VPD(飽差)」といったマニアックなデータもわかる

しかし、サーキュレーター稼働やスマホ通知では、まだIoTの味気なさを感じます。進次郎的に言えばセクシーさが足りない。そういえば、SwitchBotがLOVOT(らぼっと)みたいなロボット「SwitchBot KATAフレンズ」を発売しましたが、CO2センサーとも連動したら面白そうです。窓を開けるのは無理でしょうけど、CO2の濃度が増えたら大騒ぎするとか、苦しそうに倒れるとかしてお知らせしてくれればリアルじゃないですか。

当の坊っちゃん(大学生)ですが、そもそも「SwitchBot CO2センサー(温湿度計)」をIoTデバイスだと意識することなく購入していました。こちらから手持ちのハブを提供して初めてアプリ通知や天気予報表示できることを知ったようです。こうしてIoTを意識せずに購入させ、じわじわと浸透させるような底しれぬパワーをスイッチボットには感じますね。

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小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>