老師オグチの家電カンフー

生成系AIで家電の画像をいろいろ作ってみた

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

有料版のChatGPTで、画像生成AI「DALL·E 3(ダリ3)」が使えるようになったので、さっそく試してみました。家電がらみの画像を色々生成させた結果分かったこととは?

まず、「DALL·E 3」に限らず、画像生成のAIはローカルな文化への理解が薄いです。例えば、「たこ焼き器を囲んでいる家族」で出てきたのが冒頭の画像です。

まぁ楽しげではありますが、たこ焼きのサイズが微妙にでかいし、手で掴んだら熱いよ! さらに「家族」と指定しているのに人種がバラバラで、この画像に限らず多様性を押し付けてくる傾向が強いです。

イラスト調だと違和感は減りますが、それでも少しヘン。串揚げみたいになってます。たこ焼きは難易度が高かったのでしょうか?それならと「ホットプレートでお好み焼きを焼く人」と入力してみました。

なかなか美味しそうなお好み焼きですが惜しい!
これは、むしろピザ?

世界的にある家電でやってみましょう。「全自動コーヒーメーカーがあるキッチン」で出てきたのはこちら。

結構イイ感じです

それでは「オシャレなカフェに置かれたデザイン性の高い空気清浄機」で。

違和感ないですね

皆が想像するオシャレなカフェとデザイン性の高い空気清浄機の平均的な姿がここにある。「北欧風デザインの扇風機」では、どうでしょう?

なんか「ぽいやつ」が生成されました。羽根の形が微妙に小さいですが
「北欧風デザインの掃除機」。キテレツですが、人間には思いつきそうもないデザインで刺激にはなります
「北欧風デザインの電卓」すでに売ってそうですが、数字が。左脳の機能が壊れた人が見る世界は、このようなものかもしれません
「日本のラジカセ」昭和の雑誌っぽいイメージの背景付きです。海外から見た日本文化は、こうなんでしょうね
「日本の電気街」相変わらず文字はメタメタですが、秋葉原の裏通りっぽさは伝わります
「日本の秋葉原のパーツショップ」概観、店内共に雰囲気はバッチリです
「日本の電気街の販売員」実際にいそうです
ついでに「日本のメイドカフェ」。もしかして、この手の日本文化はちゃんと認識してるのか?
上の2枚は、「百貨店の家電製品売り場」。国は指定していませんが、(日本以外の)アジアの国のように見えます
難易度が高かったのが工場のイメージです。これは「テレビを製造している工場」。AIが具体的な工程などを理解していないことが理由でしょう。詳しい人からは、まだまだ不十分さがあります
「スマートホームのイメージ図」イラストは素敵ですが周囲にあるアイコンなどは雰囲気
「IoTの概念図」ちょっと修正すればイメージとしては使えそうです

大枠のイメージは作ってくれるものの、まだまだ細部や文脈には難があるのが現状です。最後に、AIの思い描く「未来の生活」をKaden Watchの文字と共に画像にしてもらいました。

複数回生成させましたが、どうしてもWatch(時計)にイメージを引っ張られてしまうようです。まだまだウォッチが必要ですね。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>