老師オグチの家電カンフー

炊飯器が故障で戦線離脱!

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

 使っている圧力IHの炊飯器が壊れました。「ヴーン」と唸るものの完全には加熱せず圧力がかからない。購入してからまだ2年半ぐらいなんですけどね。

 炊飯器は、故障すると困る家電として、かなり上位に入るのではないでしょうか。ごはん、毎日食べますから。

 すぐに修理に出すべきでしたが、メーカーの保証が切れているのと、販売店に持ち込むのが面倒で、しばらくは(妻が)ガスでごはんを炊く日々でした。「鍋で炊くのしんどい」とキレぎみにもなるので、ガス抜きじゃなく解決すべく、修理窓口に持っていきました。

 家電が壊れたときの対応は、だいたい次の3つ。これはスポーツ選手が故障したときの対応に似ています。

1.他の選手で代用する
 予備の選手を使う、投手の代わりに野手を投入するといった対応です。炊飯器であれば鍋で炊く、冷蔵庫であればクーラーボックスでしのぐといった対処です。一線で活躍していた選手ではないので、チームの戦力が落ちるのは仕方がありません。

2.試合を放棄する
 戦えない、負けるので試合自体をやめる。炊飯器であれば、食事をパンや麺にする、もしくは外食するといった選択です。冷蔵庫であれば、傷みやすい食材はその都度コンビニやスーパーに買いに行くといった対応が考えられます。

3.新たな選手を獲得する
 選手のケガが長引きそうなら、新たに外から戦力を獲得する必要があります。お金をかけて獲得するのですから、能力について見極めなければなりません。これまでより戦力が低下することは避けたいですから。

 家電の場合は購入です。能力については、これまで使っていた製品が古いほど新しいモデルは機能や性能がアップしていることが多いです。電気代という家電にとっての食事代、ランニングコストも低減されることがほとんどです。新しい選手を迎え入れることで、チーム(家庭)の気分が一新されるメリットもあるでしょう。

 ただ、購入からそれほど立っていないのに壊れた場合、買い換えのメリットは少なく、腹立たしさの割合が大きくなります。

炊飯器が故障で戦線離脱! 購入したヨドバシカメラに持ち込んで修理依頼。関係ないですが、スポーツ新聞の見出しと量販店のPOPはちょっと似ています
購入したヨドバシカメラに持ち込んで修理依頼。関係ないですが、スポーツ新聞の見出しと量販店のPOPはちょっと似ています

 炊飯器が壊れた頃、「58年間現役だった炊飯器が引退した」というTwitterの投稿が流れてきました。機能が複雑になった分、家電は壊れやすくなっています。ソフトウェアという家電にとってメンタルの不調も目立ちますし。

 欠けると生活に支障の大きな製品については、壊れにくさを重視して選びたいものです。とはいえ、ネットのレビューを見るぐらいしか方法はなく、スポーツ選手の故障と同じで予期できないケースもあります。運もあるし。

 修理に出した炊飯器、まだ見積もりも出てきていません。どうしたもんですかね。

小口 覺

雑誌、Webメディア、単行本の企画・執筆、マンガ原作、企業サイトのコンテンツ制作を手がけるライター。日経MJの発表した「2016年上期ヒット商品番付」では、命名した「ドヤ家電(自慢したくなる家電)」が前頭に選定された。

Webページ「有限会社ヌル/小口覺事務所」
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