老師オグチの家電カンフー

インスタ映えも抜かりない。7,000円を切ったヌードルメーカーで遊ぶ

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

 こういう仕事をしていると、「常に最新の家電を買ってるんでしょ」と言われますが、そんなワケないです。むしろ、積極的に型落ちを選んでいます。

 先日は、発売から3年以上経過したフィリップスの「ヌードルメーカー」を買いました。だって、発売当時は3万円以上した製品が5000円切ってるんですよ。世界最大のネット小売(Amazon)で税込6,480円。幸楽苑の「あっさり中華そば」(税込421円)11杯分、iPhone Xのたった約3.8%の値段です。比較対象がおかしいですかね?

フィリップス「ヌードルメーカー」

 製品について詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでいただくとして、「麺食いならもはや必需品! フィリップスのヌードルメーカー」。

 最近、スープが青いラーメンが話題で、インスタに載せるために食べに行く人も多いようです。ヌードルメーカーなら麺にも色が付けられます。お菓子作りに使われる食用色素で赤い麺を作ってみました。本当は見た目に不味そうな青い麺にしたかったんですが、なかなか近所では青の食用色素は売ってないんですよね。

 かなりの量を強力粉に入れましたが、色はかなり薄まってピンクに。別途買ってきた塩ラーメンのスープにも食用色素を入れて完成。味は、普通にラーメンです。どうせ色を付けるなら、梅やトマトといった味が変わる材料の方が楽しいはずです。

 でも恐ろしいことに、見た目にこだわってレシピを考えていると、「味なんてどうでもいい」という気持ちになるんですね。「やはり、1個400円でもAmazonで青い食用色素を買うべきだったか」とか考え出して、食べ物を作るという本来の目的を見失いかけます。写真だけ撮って食べ物を捨てる人の気持ちが少しわかりました。承認欲求って恐ろしいですね。

麺の着色に使った食用色素。赤なら大きめのスーパーに置いてあります
強力粉に食用色素を投入。初回よりこんな使われ方をするヌードルメーカーもなかなかないでしょう
色はピンクになり、押し出される様はまるで挽肉みたい
ピンク塩ラーメンの完成。味は普通。やっぱり青くするべきだったか……

 ちょっと正気に戻ったところで、翌日は汁なし担々麺を作ってみました。担々麺におけるおいしさのひとつは辛さだったりするので、麺に唐辛子の粉を混ぜて辛さを増してみる作戦です。

 メインの味付けは、中国製の合わせ調味料におまかせ。挽肉を炒めて味を付けておきます。中国の汁なし担々麺は、見た目がかなり地味なのですが、ここはやはり写真映えを考えて、ラー油を皿に流し込みます。ラー油は、熱したゴマ油に粗挽き唐辛子を入れれば簡単にできます。

 3倍辛そうな赤い(真っ赤ではなくオレンジ)麺を茹でて皿に盛り、挽肉と刻んだネギと砕いたバターピーナッツをかけてできあがり。いやもう、普通にうまいです。ヌードルメーカー関係なく。Facebookに載せたら「いいね!」もたくさんもらえました。

 後片付けがかなり面倒なので、毎日は使いませんが、自己満足と自己承認欲求が満たされるアイテムとしてはポイントが高いです。

 今度は、そば粉100%のそばや米粉の麺も作ってみたいですね。実は、軽い小麦アレルギーでして、たくさん食べるとお腹が崩壊するんですよ。

次は、担々麺用の麺を作る。唐辛子(一味)を強力粉に加える
製麺すると全体的にオレンジ色になった
完成。麺にも辛みがあって満足。調味料の花椒を使うと刺激の強い本格的な味になります

小口 覺

雑誌、Webメディア、単行本の企画・執筆、マンガ原作、企業サイトのコンテンツ制作を手がけるライター。日経MJの発表した「2016年上期ヒット商品番付」では、命名した「ドヤ家電(自慢したくなる家電)」が前頭に選定された。

Webページ「有限会社ヌル/小口覺事務所」
http://nulloguchi.wix.com/nulloguchi