藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

家事する男に刺さる? マツキヨのプロ洗剤は普段の掃除じゃ物足りない人に
2026年1月29日 08:05
ここ5年ばかりの社会の変化で顕著なのは、家庭生活における男性のコミット頻度の上昇だろう。
おそらくその元はコロナ禍からの「リモートワーク」で、今でも会社員の一部はその形態で働き続けているというケースが存外多いのだろうなと感じている。というのも例えば平日昼日なかに行なわれる保護者会にお父さんがあたりまえのように何人もいるだなんて、20年前の筆者周辺の小中学校ではほとんど考えられなかった。
まあゼロではなかったが、興味本位でわざわざ仕事を聞きに行ったアホウ(筆者)に対して「実は僕フリーのカメラマンなんです」なんて教えてもらって、なるほど、であるなら不思議じゃないなどと勝手に納得していた。
今では朝にも夜にも保育園の送迎に男性というのも全く珍しくなくなったし、日中のスーパーでカゴを持って食材を買っていても男性だからと目立ちもしない。世の中はジワジワと確実に変容している。
さてマツキヨココカラ&カンパニーから2025年春に売り出された、プロ仕様の洗剤シリーズ「matsukiyo WASHBLACK」は、そういった世相の変遷を受けてか明白に男性の家事コミットを目しているなと感じる。
だいたいパッケージデザインから練り込まれていて、細身のシュッとしたボトルが黒基調で統一されている。わかりやすいメンズみ。既存の洗剤の女子女子しい、いわゆる主婦向けっぽさを一掃し、「プロ仕様」と謳うだけに価格帯も高めで、「安くてオトクだから買いましょう」という性格の商品ではない。
初発のトイレ、バス、コゲ(キッチン)、水アカに対する掃除用と、洗濯用のエリそで、シミ向けの洗剤合わせて6商品のラインナップ(特に洗濯用2品)からも男性の方を向いた商品群であることが伺われる。いずれも掃除洗濯の中でも、やったらやっただけ「結果のわかりやすい」箇所向けだ。ただまあその「やった実感」を得たいのは別に性差のある感情ではないとも思うのだけど。
マツキヨのPB商品でありOEM生産されたものなので、製品そのものの性能は既存の市販洗剤と地続きではある。例えば筆者の試用した水アカ落とし洗剤(767円)にしろ他社の類似商品と比して劇的にどうこうという使用感では、正直言って、ない。もちろん水洗金具、浴室鏡、風呂椅子などの類の水アカ汚れはよく溶けて落ちる。一般的な浴室掃除用中性洗剤で不満を感じる向きには積極的に取り入れて然るべき性能だ。
一点、パッケージデザインの洗練を優先した結果のトレードオフなのだろうが、商品の視認性は50代の視力にはキツく、スプレーボトルは同シリーズをいくつか揃えると、一見してどれが「水アカ落とし」用でどれが「トイレクリーナー」なのか分からない。なので洗剤を1カ所にまとめて置いておくようなライフスタイルの場合、誤用の可能性は禁じ得ない。使用の際にはしっかり確認しよう。
性別を限定しないデザインである一方で、年齢という変数までは織り込まれていないように見えるが果たしてどうだろうか。
家事に向き合う人の輪郭が変わりつつある今、洗剤もまた、その変化を映す道具になっている。
WASHBLACKは、掃除の結果よりもまず、「誰が、どんな気分で家事に立つのか」を問う製品なのかもしれない。



