藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

手に心地良い、木村石鹸「風呂床の洗浄剤」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
木村石鹸 「C SERIES 風呂床の洗浄剤」

「やりがい搾取」みたいな言葉にはいつも寒々しさが伴う。少し洒落た言葉で言い換えれば「オーバーアチーブ」というのか、あるいは「おねだん以上」とでもいうべきか。

発注者の期待以上の結果を受注者がもたら「してくれる」営み。生身の人が絡む限り、その多くには人の「気持ち」のあるなしが響く。

家事系のアンケートを取ると、料理や洗濯に比べ「掃除」は特に嫌いな家事の筆頭によくあがる。

公立の小中学校での強制的な(?)掃除の経験が家庭での掃除(への積極性の有無)に悪影響を及ぼしているのではという説と、逆に学校で掃除をさせられていたからこそ公共物の汚れが道徳的に抑えられているのだという言説が世にはあり、個人的にはどちらも一理あるのだろうとは思っている。

実のところ「掃除嫌悪」「掃除忌避」みたいな感情、気持ちの根っこにはケアワーク全般への抵抗感が潜んでいるのではないかと、これまた個人的に長年踏んでいる。というのも、それをする(させられる)ことで何か自分が損をしている(させられている)ように感じる「気持ち」の「ある・なし」が影響している気がしてならない。ただ、具体的に何を損しているのか、それは明言できないままだ。

一方で、掃除を一種の娯楽や愉しみ、あるいは動く瞑想として捉える向きもある。実のところ、この木村石鹸「C SERIES 風呂床の洗浄剤」は「そちら側」の感受性に、よく響く。

ケミカルでマジカルな要素というより感触の楽しさ、結果にコミットする体感推しだ。

使い方は、こうだ。

【1】風呂の洗い場にシャワーで水を撒き、しっかり濡らす。
【2】 添付の匙で4杯分(約40g)をまんべんなく撒く。
【3】 スポンジではなく、風呂掃除用のブラシで擦る。

このとき「ジャリジャリ」という感触が手に伝わる。これが気持ちよい。

ジャリジャリ。洗剤などを使って、この大きめの粒子を感じる「体感」は、存外珍しい。決して力づくで擦る必要はない。そこまでしなくてもジャリジャリとゴシゴシが奏功し、擦っているうちに風呂床に付着しがちな黒ずみ、ぬめりがズルズル落ちていく。

商品の匂いはほぼない。落ちた汚れの成分が溶け出ての臭いは若干する。それだけだ。よくある水はけ対策で凹凸のあるタイプの風呂床にも顆粒状の洗浄剤がリーチするので隙間の汚れも掻き出せる。一通り擦ったらシャワーでしっかり濯いで成分を流す。

大理石、アルミ、木製素材には使えない

どうだ、すがすがしいだろう? 

搾取したいなら好きにすればいい。

この結果を手に入れた私の満足感は、私のものだ。たとえマイナスをゼロに戻すだけの営みにせよ、それを虚しいと人から決めつけられる筋合いはない。この清い洗い場で身体を清める。この体感も私のものだ。

使用量は1回40g。商品200g入りで770円というのは個人の感想では「おねだん以上」か。

洗浄剤の出自は銭湯の専用洗剤。納得しかない。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。