藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
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手が届かない場所に落ちたモノ救出! 長~いハンドキャッチャーが便利すぎた
2025年2月20日 08:05
柔軟性が皆無である。
筆者は、開脚をすればとりあえず90度に毛が生えたくらいしか開かないし、前屈して指先が足先に微かに触れるためには、長い長いストレッチタイムを要する。とにかくカタイ。
リビングの大きめのテレビの後ろ側に、何かがいろいろと落下している。落下しているのは知っているが、重いテレビ台を動かすのも億劫だし、前屈して取り上げるにはいささかの不安を禁じ得ない。
そして後ろに何かがあるシリーズとしては、同じリビングにある大きめのソファの後ろ側だとか、あとは仕事部屋の奥行きのあるデスクの脇のその奥の方だとか、あとキッチンの大型冷蔵庫の脇のその奥の方だとか、まあまあ何かとブラックボックスが存在するのが人の住む家というものだ。と開き直ろう。
これらあの平べったい隙間掃除用具では取りきれないものたち。いつの日か取れる日が来るだろう、と文字通り放置する他ない魔空空間に堕ちたものたち……。
しかし筆者は見つけてしまったのだ。そこは、家から少し離れたホームセンター。めぐり逢ったのは、吊るされていた「ロング・ハンドキャッチャー」なるものである。
手に取りプラスチックのハンドルを握ると、先端にあるΩ形のハサミが開閉する。カチカチ。なんだこれは、ちょっと便利そう? でもきっとお高いんでしょうねぇ。値札を見る。あれ? 二度見する。
138円???
躊躇わずスッ……とカゴに入れて購入し、帰宅。どういう商品なのかとインターネットでさらってみると、どうも送料込みでは概ね1,000円近くになるようで、改めて「モノの値段とは……」と考え込む。
自宅にて、さっそく諦めかけていたあの洗濯機の後ろ側に落ちた娘のくるぶしソックスの片方をキャッチ。あっけなく、おかえり。
テレビの後ろに何故か使用済みマスクが2枚。即ゴミへ。ソファの後ろからもソックスが2足。なぜだ。
暗黒のデスク脇からは未開封の漢方薬が2袋回収された。頭痛に効くアレだ。ああ良かった。あと2回飲める。
しかして、ほんの82cmほどでも可動域が広がるだけで、あれこれしょうもない不具合が解消するものなのだなあと感心する。
と、筆者はこんな塩梅の呑気な使い方をしているわけだが、ベッドの上で不自由をされている方や、屈むのも難儀なご年配の方などがだいぶん「安全」な生活のために活用されている様子が商品サイトのレビューなどから伺えた。ある種のキャッチャー・イン・ザ・ライなわけだ。
柔軟性があってもなくても、手を離れたものらがこの手に帰ってくるのに役立つ便利道具なのだ。
こういうものが、お手頃価格で買えるやさしい世界で、あれかし。