藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

心配性の災害対策グッズその11「防災クロック」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
リズムの防災クロック「4RQ001-003」

実は「手回し充電ラジオ」的な商品を、10個以上所持している。ほんとうはもっとあるかもしれないけど勘定したくない心もちである。どこにしまったか、わからないやつも少なくないからである。

うすうすそういう残念な現状に気づいている家人から、定期的に家庭用防災用品の在庫について確認されるのだが、のらりくらりとごまかし続けて久しい。非常によろしくない状況であるのは重々承知しているのだが、日々の雑事に追われ追われて、今年もまた防災の日である9月1日がやってきてしまった。

言い訳なのだが、「手回し充電ラジオ」的な商品を購入しつつ散逸させてしまうのには、それなりに理由がある。

筆者がこの手のグッズを買い始めた最初期……、2000年前後の商品は値段のわりにあまりスペックが高くなかった。

つまりは手回しと言いつつ手回ししにくい形状だったり、頑張って回してもすぐに電気が切れてしまったり、付属の携帯充電ケーブルの規格がどんどんどんどん変わっていってしまったり、あまりにラジオの電波を拾わなすぎだったり。なんだり、かんだりと「帯に短し襷に長し」感の強いものが多く、新しいものを買うと前のやつのことがわりとどうでもよくなるわりに、捨てるには忍びなかった(いつか何かの役に立つかもしれない論)。それでホイッと「もしもバッグ」などのなかに放り込んでは、そのまま行方不明になるパターンを踏んでいた。

しかし時は2021年。筆者は、ついにマイベスト手回し充電ラジオ+αな逸品を手に入れた。これはすごい商品だ。なぜならば、まず、普通に「超見やすい時計」だからである。視力の弱りかけてきている中年の目に優しい視認性の高い文字盤のアナログ時計というのは、あんがい、あるようでない。

この立ち位置だけでも存在意義として十分なのだが、目覚まし時計であり、かつ、目覚まし音にはアラームのほかラジオ音が選べる! そう、「時計」でありつつ、防災用「手回し充電ラジオ」なのだ。ラジオとしては、アンテナ付きで、マンションでもAMとFMがかなりしっかり入る。ワイドFMまで入るので驚く。

さらに、なくてはならないスマホ・携帯充電用の出力USBポートつき。手持ちのケーブルでスマホもタブレットも充電できてしまうのだった。

アラームは電子音とラジオから選べる
AM・FMラジオが聞ける
スマホ充電用のUSB出力ポートも

まず持ってみればわかるのだが、あのイライラしがちな「手回し」を非常にしやすい形状をしている。変な力を入れるところがない。持ちやすい。非力な筆者でも、とても軽い力でぐるぐるできる。

そして驚くべきことに、使い始めから一切乾電池を入れず、ただ手回しでぐるぐる充電しているだけでも、時計は止まらない。さらに、たまのラジオも余裕で聴け、懐中電灯までついているので夜中にメガネを探す時にも活躍し、たまにぐるぐる充電するとスマホも短時間で生き返る……普段使いできている!!! これなら、なくさないで済む!!!

「防災……防災のために何か備えなくちゃ」と気は焦りつつ、根がずさんでパキっとした対処ができていない諸氏にとくにお勧めしたい。

あとは、コンセント由来や電池由来の「電気」をとにかく使いたくない志向の方に。この手回し充電力には、必ず満足すると思う。

手回ししやすい形状
藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。