藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
変わり種マスク「のどぬ~るぬれマスク」。喉/鼻をピンポイント加湿
2021年3月30日 08:00
ここまで世界がマスクだらけになるとは、2年前の今頃には想像もしていなかった。1年前にはどこを探してもマスクがなかった。マスク、マスク、マスクの1年間。今やマスクなしに街中を歩いている人などほとんど見かけることがない。マスクが十二分に行き渡ったらしいこと、マスク装着が当然の世の中になったのだということを実感する。
正直これがいつまで続くのかと考えるとうんざりする。もともと人の顔を識別して名前等と繋げるのが苦手な性質であるため、ますます誰が誰だかわからない状況になりつつある。よくわからないけど相手が会釈をするなら会釈を返そう、でも誰だっけ、ぜんぜん判別つかなかった……という心もとない日々だ。
とはいえマスクという道具? の進化というか多様化だけは、一種の「前進」と捉えるべきなのだろう。これまで無かった色や柄、素材、構造、デザインのマスクがコロナ禍、乱舞した。これまでのマスク観? は覆され続けた。
そんななか、今も店頭にある、かなり息の長い「変わり種マスク」といえばやはりこれだろう。「のどぬ~るぬれマスク」。発売から15年にもなるロングヒット商品である。この1年、あらゆるマスクが晒された、ウイルスをどれだけ防御するのかという機能においてはちょっと違う立ち位置ではある。
比較的ゆったりとした不織布マスク本体にあるポケットに、濡れたフィルターを挿し入れて装着、就寝中の無意識の呼吸中、鼻のどを乾燥させないというシンプルながら他にないコンセプトはまさに唯一無二である。
濡れたフィルターは形状を鼻部分だけ凹型にしているため呼吸を妨げることなく、装着してみるとうまくできているなあと思わされる。筆者はたいがい、一晩に二度ほど目が覚め、喉が乾くので水を飲むというのが常態なのだが、このマスクを装着して寝ると喉の渇きなく朝まで熟睡できるので、なるほどなあと思う。起きたときにはフィルターはたいてい完全に乾いている。
この独特で快適な体感がため、筆者は乾燥しがちなホテル宿泊時や新幹線移動時など欠かさず持参しており、実は長年の愛用品だったりする。
濡れたフィルターには香り付きと香りなしのものがある。好みに応じて選べるが、個人的には強すぎず、弱すぎずのハーブの香りがツボで、寝やすい。
乾燥がちな冬ならともかく、喉鼻の乾燥は気になるけど、初夏にかけて加湿器を稼働させるほど部屋の空気は乾燥していない際の粘膜の加湿にも役立つ。そう、局地的な加湿。マスクにはこういう存在意義があったのだ、と体感できることだろう。
この「変わり種マスク」、もし未体験なら、一度試してみる価値があるのではないかと思う。