藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
換気扇の油ヨゴレは冬の前に着手を! DCMの「油マジ落ちクロス」
2020年10月28日 08:00
冬の大掃除といえばキッチンの換気扇……という「刷り込み」はいつごろ生じたものなのだろうか……。直近30年くらいの家事本を読み直しても、正直よくわからない。
そもそも暮れの、12月後半の天気、気温……、気候全般が、窓を開け放ったり水を使うような大掛かりな掃除に全く向いていない。それが自明なのに、なんとなくするものだ、という空気がある。
もちろん宗教行事としての「お清め」行為には意味があると思う。たとえば江戸時代に「煤払い」が行なわれていた12月13日という日付は旧暦でいえば10月29日。天気や気温の塩梅からいえばむしろこの10月末くらいの日程のほうが大掃除をするのに適しているように思えるのだがどうだろう。
そう、キッチン換気扇掃除、これほど真冬の掃除に適さない箇所はない、と筆者はつねづね思っている。何故なら油汚れは気温が低くなるほど固まりやすく、つまり落としにくくなるからである。
よく落とすためには熱が要り、たとえばすすぎのためのお湯を沸かすにしても真冬のコストは寒季以外のそれに比べ、高額になることは想像に難くない。
というわけでだいぶ放置してきたべとべとでギトギトの……換気扇周りの掃除をするならまだ秋である今のうちであるというわけなのだ……。
がんばろう。そのお供にしたいのが今回ご紹介する「油マジ落ちクロス」である。
クロスはキッチンペーパーのようなロールタイプ。しかしドギツイ黄色なのでキッチンペーパーと誤用はしないで済むだろう。
20センチごとにミシン目で切り取ることができ、必要な量だけ使える(1ロール50枚分)。ペーパー状だが材質はポリプロピレン。要は薄く軽く加工したプラスティックだ。当然水には溶けない。
よくポリプロピレン製の食器に油ものの料理を乗せると、ギトギトしてなかなか洗っても汚れが落ちないという悩みが聞かれるが、この商品はその性質を逆手にとっていると言える。
筆者宅の換気扇は、多忙を言い訳に1年以上放置していた。まあ結構な状況に陥っており、一瞥しても付着した油の量がひどい。こうなると一気に何とかしようとしても呆然とするのみなので、このペーパーを1、2枚ずつ使いながら数日かけてコツコツとレンジフード周りの油から拭うことにした。
油のダラダラ溢れる整流板1枚にも3、4日かけて、本丸のシロッコファンに至るまで、なんだかんだ1週間ほどチマチマと掃除することに。しかし1枚ずつ使い捨てられるペーパー相手なのでこれができる。油汚れを拭く際は抵抗が強いので、破れてしまう紙のキッチンペーパーでは難儀なところを、このクロスはうまく逃げられた感がある。
市販の油汚れ用洗剤の併用も問題ない。すすぎ拭きの水拭きも容易だ。かく、掃除は道具立て如何で難易度が変わる。まあできればこういう作業を、もう少し高頻度に行なえればいいのだけれど……。