藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

第2回

テクノロジーの進化を感じる“くさーい服”への最終手段

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 パワハラ、モラハラ、セクハラ、マタハラなどと並んで「スメハラ」という言葉が取りざたされるようになってまあまあ久しい。「スメハラ」とは「スメル・ハラスメント」。すなわち「臭いによる周囲への嫌がらせ」という意味である。

 体臭、口臭、香水臭や柔軟剤臭など取りざたされる「スメハラ」が、他のハラスメントよりも厄介である点が一つある。それは臭いの元であるハラッサー(ハラスメントをする人)自身に、「嫌がらせをしている」という自覚が生じにくいという点だ。

 なかでも自分がいま身につけている衣類から漂う悪臭など、自覚を持てと言われても困惑してしまうのではないか。多くは良かれと洗濯をしているのに臭ってしまっている。ただ着て汗をかくだけで雑巾くさくなってしまうシャツや下着の類。途方に暮れている声をよく耳にする。

 この雑巾臭、いわゆる「部屋干し臭」の原因菌は「モラクセラ菌」という細菌であると2011年に特定された。この「モラクセラ菌」という菌自体は別に珍しくもない人肌の常在菌なのだが、汚れを落としきれない生乾きの衣類やタオル内で繁殖、独特な酸っぱみある悪臭を醸してしまう。

 この「モラクセラ菌」を増やさない方法は割合単純で、要は「1・衣類は汚れたら時間をおかず」、「2・しっかり洗濯して汚れを落とし」、「3・速やかに乾燥させる」ということを遂行しさえすれば良い。

 ただその「単純」が、住宅事情、ライフスタイルの変化により、現況そう容易ではない。また、うっかり数回「失敗」してしまった洗濯物は「リベンジ」できないのか。速乾性の高い化繊など異様に臭いやすい素材はどうしたらいいのか。などなど、この雑巾臭対策は悩み深いものであった。

 はたして、最近あるアイテムを試用してみたところ、そんな懊悩をあっけなく雲散霧消させてしまった。その商品名は「リセッシュ除菌EX Plus デオドラントパワー 香り残らない」(花王)。ちょっと長いけどぜひ正確にオーダーしてほしい。

花王の「リセッシュ除菌EX Plus デオドラントパワー 香り残らない」

 通常通りに洗濯を済ませたくさい衣類に、この「リセッシュ除菌EX Plus デオドラントパワー 香り残らない」スプレーを吹きつけ(上着なら脇下あたりを重点的に)そのまま通常通りに乾かすだけでいい。それだけで我が家では長らく悩みの種だった、家人のボクシング用衣類の強烈な悪臭が“嘘のように”消えた。まるで狐につままれたような感じだ。

 この商品、「中和消臭」「除菌力」「浸透力」を謳い、繊維にすばやく浸透させた液体で布内の除菌を行ない、香りでマスキングすることなく臭いを消してしまうしくみらしい。ついでに「皮脂酸化ブロック」技術というもので衣類上の皮脂による臭いや黄ばみの発生まで抑えてしまう。怖いほどのテクノロジーの進化ではないか。

 「スメハラ」までいかずとも、「臭い服」に悩んでいる人には、このスプレーの威力、一度騙されたと思って試してみてほしいと思う。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。