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1カ月フィルター掃除ナシって本当? 日立のドラム式洗濯機を試した結果

家電 Watchの書き手の皆さんと編集部が「よかった」と思えたものやサービスなどを、ゆるめに紹介するコーナーです。日々のちょっとした気づきなども共有します
日立のドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム BD-SX120H」

日立グローバルライフソリューションズが2022年に発売した最新ドラム式洗濯乾燥機の注目機能といえば「らくメンテ」。なかでも乾燥フィルターの廃止は家電好きに衝撃を与えました。いままでドラム式洗濯乾燥機といえば、洗濯乾燥のたびに「糸くずフィルター」と「乾燥フィルター」をメンテナンスするのが当たり前だったからです。

通常、本体天面に配置される乾燥フィルターをなくしたことで、本体天面は液体洗剤・柔軟剤タンクのフタだけになりました。洗剤は頻繁に補充する必要がないので天面に物を置きやすくなったのもメリットのひとつ。我が家は普段脱衣カゴを置いています

新製品は乾燥フィルターを廃止した代わりに、乾燥で出た衣類のホコリも糸くずフィルターで一括して捕集する構造です。さらに、糸くずフィルターのサイズを大きくすることで「フィルター掃除が1カ月必要なし」と謳っています。

新製品発表会で撮影した新旧フィルター比較。前モデル(左)と比較してかなりサイズが大きい! また、従来はくし形だったフィルターが細かなメッシュに変わりました。乾燥用のホコリは洗濯時に出る糸くずより細かいのでこの仕様になったのでしょう

家電好きには、なかなか衝撃的なこの構造。皆が最初に考えるのが「フィルターが本当に1カ月も持つの?」ということではないでしょうか? 筆者も気になったので実際に1カ月試してみました。まず乾燥容量の最大値である6kgの衣類を洗濯乾燥したところ、フィルターについたゴミはかなり少量。これならたしかに毎日1回洗濯して30回くらいは耐えてくれそうです。

6kgの衣類を洗濯乾燥したあとの糸くずフィルター。ゴミはかなり少量ですね。普段からよく着ている衣類なので、そこまでホコリが出なかったのも大きいかもしれません

ところが、使用開始から1週間ほどして、3回ほどの通常洗濯のあとに毛布を3枚ほど洗濯乾燥したところで、糸くずフィルターのメンテナンス警告が点灯しました。さすがに毛足の長い大物ファブリックを乾燥すると大量のホコリが出るようです(我が家には犬がいるので、その抜け毛もついていたのかもしれません)。とはいえ、大物洗濯がなければ後半2週間はフィルター掃除なしで余裕をもって利用できました。結局「使い方によっては1カ月もつ」という、当たり前の結果になってしまいました。

糸くずフィルターの警告点灯後に取り出したフィルター。一部のゴミがでろんとはみ出ています

個人的に気になっていたのが「密閉された場所に濡れた繊維を長時間おいて臭くならないのか?」だったのですが、フィルターが溜まった状態で3日洗濯せずにニオイをチェックしたところ、とくに生乾き臭などはなし。糸くずは定期的に洗剤液にさらされるので、雑菌が繁殖しにくいのかもしれませんね。

ちなみに、くし形の旧糸くずフィルターは、ゴミ箱のうえでフィルターを振れば手を汚さずにゴミが塊になって落ちました。一方、新しいメッシュ型糸くずフィルターは振るだけではゴミが張り付いてうまく落ちないことも。このため、メンテナンスは毎回指でゴミをつまみ捨て、残ったゴミは流水でジャブジャブと洗っていました。

新糸くずフィルターはザザッと流水で流せばあっという間に綺麗になります

フィルター掃除のしやすさでいえば、水なしで手軽にゴミ捨てができるくし形フィルターのほうが楽。とはいえ、らくメンテは掃除回数が圧倒的に少ないので、ズボラ派としては断然「らくメンテ」を推したいと思います。

倉本 春