フランスほのぼの暮らし
フランスママに学ぶ、「贈られる女性が主役」フランスのバレンタイン事情
2018年 1月 22日 07:30
日本と違ってフランスのバレンタインは、女性が主役。今回は、フランスのバレンタイン事情をご紹介します。フランス国内の花屋とランジェリーショップは、バレンタインの2月14日、妻や恋人のために、愛の象徴である赤いバラやセクシーなランジェリーを購入する男性たちで、大賑わいなんですよ。
フランスのバレンタインは、男性から女性へプレゼントを贈る
フランスのバレンタインは、男性が妻もしくは恋人へ、普段よりも特別な愛情を示す日です。フランス男にとってのバレンタインは、妻や恋人などの「ただ1人」のためのもので、そのほかの女性へ義理で何かをプレゼントすることは一切ありません。母親や姉妹も同じく対象外なので、バレンタインは恋人や配偶者のいない男性に一切関係のない日なんです。そしてもちろん、子どもにも無関係な日になっています。
花屋には、男性客の長蛇の列
バレンタイン当日、フランス男たちは若い男から御老人までが花屋に並んで、愛の証とされている真っ赤なバラの花を購入します。赤いバラは、大きな花束ではなく1輪だけ購入をして、きれいにラッピングしてもらって、プレゼントする人も多いんですよ。花屋に並ぶのが面倒な人は、店頭に並んでいるバレンタイン用のアレンジメントや、ラッピング済みの赤いバラを購入する人も多くいます。当日は「サン・バレンタイン」という、大輪の真っ赤なバラの花がプレゼント用に売られていて、1本でも見事な存在感があるんです。バレンタインにプレゼントするバラの花は「赤」限定で、ほかの色を贈ることはあり得ません。お金のない中学生カップルでも、赤いバラを贈ることが、バレンタインの絶対条件になっているんですよ。
バレンタインのランジェリーショップは、男性客しかいない!?
フまたランス男たちには、バレンタインにセクシーなランジェリーをプレゼントする習慣もあります。妻や恋人の好みは一切無視して、下着の機能性すら考慮せずに、自分の好みの色やデザインだけを基準に選んで、相手が喜ぶかなんてどうでもいいところが特徴です。2月14日に、うっかりランジェリーショップへ足を踏み入れると、男性客の相談相手にされてしまうほどの賑わいです。例え贈る相手のサイズがよく分からなくても、店員が丁寧にアドバイスしてくれたり、お店によっては実際に試着をして見せてくれたりするので、何とかなります。どのフランス男も、真剣に選んでいるのでイヤらしさを感じることがないんですよ。
ランジェリーではなく、香水を贈る人も多い
またバレンタインのプレゼントに、妻や恋人の好きな香りの香水を贈るフランス男も多くいます。自分の好みではない、ろくでもないランジェリーをもらうよりも、香水をもらった方が嬉しいという女性も多く、バレンタインのプレゼントに人気です。恥ずかしがり屋なフランス男には、ランジェリーショップよりも香水の方が購入しやすいという理由で、香水を選ぶ人もいるんですよ。普段使いできるような、あっさりした香りよりも、ちょっとセクシーな濃厚な香りの方が人気があります。まれにアクセサリーを贈る人もいますが、一般的なのは赤いバラの花と、ランジェリーや香水です。
バレンタイン当日の夜は、レストランで食事がマスト!
フランスのバレンタインデーに、絶対欠かせないものとして、レストランでのスペシャルディナーがあります。妻や恋人と2人きりで、美味しいと評判のお店や、雰囲気の良い素敵なお店で食事をします。予約はもちろん支払いも、家計費などではなく、全て男性が支払うのが当たり前。バレンタインのディナーは、人気のレストランには半年ぐらい前から、普通のレストランでも2~3カ月前から予約しないと、席が取れなくなってしまいます。このディナーに子連れは厳禁!産後数日の新生児がいても、バレンタインが無関係な親族やベビーシッターに預けて出掛けます。子どもが中学生ぐらいになれば、適当な夕飯を用意して、留守番させています。
フランスにはバレンタインのお返しも、ホワイトデーもない
フランスのバレンタインでは、女性から男性へお返しを贈るような習慣はなく、ホワイトデーもありません。まれにバレンタイン当日に、ブランジュリ―で売られているハート形のケーキを買って来て、家で一緒に食べるということはありますが、あえて男性側へプレゼントをすることって、ないんです。ですのでフランスのバレンタインは、女性には金銭的な負担が一切ありません。
フランスのバレンタインに「友チョコ」はなし
バレンタインは「愛の日」であって、友情や義理人情を確認する日ではないので、「友チョコ」もありません。義理チョコがないので、義父や義兄弟、同僚などへプレゼントを贈る習慣もありません。フランスでチョコレートを贈るのはクリスマスとイースター。フランス人は、チョコレートが大好きな国民なので、日常的にどの家庭にも常備されていて、普通に食べられているんです。フランスの子どもにとってのバレンタインは「ママがオシャレして、夜にパパと2人で食事へ出掛ける日」という認識です。