e-bike日々徒然

お気に入りのサイクリングコースにクマ目撃事例が多発!? その正体は…

2023年の秋序盤は夏みたいでしたね~。そして秋後半は……気持ちいい気候のハズがもう冬のような雰囲気に。季節の変遷が極端で困惑してしまいます。

ともあれ2023年は10月に入ってからようやく猛暑が和らいだという感じ。それまで「この気温だと無理!」と思っていたサイクリングを鋭意再開しました。

季節が進むにつれて気温も下がりつつあり、週に何度かのサイクリングが徐々に快適になってきました。しかし……新たに困惑する要素が加わってしまいました。

それは「ツキノワグマ」です。

筆者がよく走るルートは、埼玉県の入間市~狭山市。入間川沿いの遊歩道です。

そこからあまり離れていない場所(飯能市~入間市)でクマ目撃事例が多発。よく走る遊歩道から直線距離で4km足らずのエリアです。

ツキノワグマの行動半径は、オスで100~200km2、メスで50~100km2程度と言われています。なので直線距離で4kmだと、クマの行動半径内といえそうです。

その後、連日のように飯能市~入間市でクマの目撃情報が伝えられました。2023年10月26日に最初の目撃通報があり、11月10日までに合計13件の目撃通報があったそうです。

また、情報を総合すると、クマは徐々に川沿いを下流に進んでいるようでもありました。つまりサイクリングする遊歩道のほうへ近づいてきている!!!

最初にクマが目撃された付近は加治丘陵がある「ちょっと山っぽいエリア」です。ただ、登山道もそこそこ整備されていてハイカーが多いエリア。「クマ、このあたりに出るかぁ?」という疑問符が残るところ
こちらは、さらにサイクリングの遊歩道に近いエリア。ここも加治丘陵です
山道の写真しかありませんが、実はすぐ近くには舗装された歩道があり、散歩の人で一日中人通りがあります。「こんなところにクマが近寄るかぁ?」という感じではあります

……まあでも、サイクリングの遊歩道の周辺は住宅地で森はほとんどないし。そう思ってサイクリングを続けました。内心ビビりながらですが。

そうしていたら2023年11月11日に「読売新聞オンライン」に「クマか目撃情報相次ぐ 入間丘陵地で、市が注意喚起」というニュースが掲載されました。

ニュースの概要は「入間市の(加治)丘陵地でクマ目撃通報が相次ぐ」「加治丘陵の遊歩道を立ち入り禁止とした(上の「サイクリングの遊歩道に近いエリア」です)」「2023年10月26~2023年11月10日までに13件の通報があった」といったことです。

また、「市職員は猟友会メンバーと目撃場所付近を確認したが、クマの姿や足跡は見つからなかった」「通報のうち目撃者本人からのものは5件で、残り8件は見たという話を聞いた人からの通報だった」「2023年11月9日に届いた写真はカモシカだった」とも報道しています。

筆者はちょっとだけ「やっぱり」と思いました。ここ数年、毎年のように「飯能市や入間市でクマを見た」という情報が飛び交っています。

このあたりには、クマがいない、出没しないとは言い切れません。また加治丘陵は青梅丘陵や秩父に、青梅丘陵は奥多摩につながっていますので、クマが来る可能性もあります。

でもなんとなく、カモシカの見間違いでは……と思っていました。

このエリアにはニホンカモシカがけっこういます。筆者も林道などでニホンカモシカを見かけることがあって、見ると一瞬「え? クマ!?」と思ったりします。余談ですが、ニホンカモシカとツキノワグマの生息域はカブっています。

東京都の奥多摩湖畔に現れたニホンカモシカ。中央の黒っぽいのがソレです。現場ではゆっくり動き回っていたのですぐ見つけられました。一瞬「クマ? 手前のフェンス越えてきたらヤバい!」と思いました。奥多摩湖周辺の山にはツキノワグマがいます
ニホンカモシカを知っている人なら、この時点で「なんだカモシカじゃん」とわかると思います
ただ、ニホンカモシカ(カモシカ)を知らないと「シカ=茶色っぽくてスラリとした動物」という思い込みもあり、「あの黒っぽいのクマだ!」と驚くかもしれません

こんなのがノソノソ動いていたり、ダダダッと走っていたりしたら(ニホンカモシカは速いし機敏)、なんか怖い野生動物と思ってしまうかもしれません。体長は約1~1.5mで、目撃されるツキノワグマもそういう大きさだったりしますし。

ちなみにニホンカモシカはウシ科の草食哺乳動物で日本固有種。北海道と琉球列島を除く日本各地に生息しています。奥多摩周辺の裏道をサイクリングしていると、よくニホンカモシカやニホンザルに遭遇します(ニホンザルのほうが危険度が高いと思います)。

ちなみに、入間市や飯能市のネット掲示板は、2023年10月26日(初めてのクマ目撃通報の日)以降、騒然としていました。なかには「そんなのカモシカだよ」と言っている人もいましたが、不安に思っている人が多数。筆者も「クマの可能性がないわけではないし」と不安でした。

しかし上記ニュースが伝わった2023年11月11日以降は、飯能市~入間市にクマが出てて怖い的な話をする人はほとんどいなくなりました。きっとニュースの「市職員は猟友会メンバーと目撃場所付近を確認したが、クマの姿や足跡は見つからなかった」「通報のうち目撃者本人からのものは5件で、残り8件は見たという話を聞いた人からの通報だった」「2023年11月9日に届いた写真はカモシカだった」あたりを見て、「なーんだ」と安堵したんじゃないかと思います。

はぁでもよかった。クマじゃないっぽくて(いやクマかもしれませんが)。これでだいぶ安心してサイクリングを続けられます。

スタパ齋藤