ビジネスべんり帖
連携方法が多彩になった最新「ポメラ」は、活躍できるシーンが広がった
2016年11月8日 07:00
使いみちが今ひとつピンと来ない人は魅力を感じないが、その使い勝手に魅せられて、手放せなくなっているユーザーも多い。そんな、キングジムのテキスト入力専用マシン、「ポメラ」シリーズの最新モデル、「DM200」を使ってみた。
新モデルの特徴は、キーボードの打ちやすさを向上させたと同時に、Wi-Fiを搭載した点。BluetoothやSDカードスロットに加えて、Wi-Fiが使えることによって、PCやスマートフォン、タブレットとの連携方法が増えたのだ。
メーカー名 | キングジム |
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製品名 | ポメラ「DM200」 |
価格 | 45,716円(Amazon) |
テキスト入力の快適度は高い
ポメラって結局、何ができるの? という人も多いだろうが、ポメラでできることは限られている。「文書の作成=テキスト入力」だ。載せられる機能は何でも載せてしまえ! というメーカーが多い中、極限にまで機能を絞っている。その分、注力しているのが、打鍵感の良さと文字変換のスムーズさだ。一部のユーザーから絶大な人気と信頼を誇っている理由がここにある。
実際に文書の作成作業に使ってみるとどうか? 筆者は、ポメラの最初期モデル「DM10」と折り畳みキーボード採用の「DM20」、派生機とも言える昨年発表された「ポータブック」などを使ったことがある。いずれもキーボードに不満はなかったが、改めて最新の「DM200」を使ってみると、その打鍵感に心地よさを感じた。シフトキーの端を押した際の反応以外は、さすが! と言えるキータッチ。
内蔵辞書については、ATOKの特別版(ATOK for pomera)を採用。筆者は普段、Google IMEを使っているが、このATOKについては、不満に感じることはほとんどない。
PCやスマートフォンなどとの連携方法が選べて便利
入力したテキストを、どうPCやスマートフォンに受け渡せば良いのか? という部分が、歴代ポメラで話題になってきた点だ。最新モデルでは、多彩な連携方法を用意。この多彩さが、筆者には好印象だ。
シリーズ初搭載のWi-Fi接続によるPCとの連携については、Wi-Fi環境が整っている場所で便利だ。ただし、ネットワーク設定にブラウザが必要になるWi-Fiサービスでは、接続の仕方が分からなかった。また、Wi-Fi環境が整っているオフィスや自宅などでは、PCも気軽に使えてしまうので、ポメラを使うことは少なかった。
テキストデータのやり取りで、一番活躍したのが、シンプルにSDカードだった。どれだけの長文を書いても、所詮はテキストデータ。SDカードの空き容量がゼロに近くても、高確率でデータを保存できる。
SDカードを持っていなかった場合には、QRコードを発行して、スマートフォンなどに読み込ませられる。だが、1つのQRコードで変換できるのは、日本語だと2〜300文字ほど。長文を書いた場合には、複数のQRコードをスマートフォンで読み取る必要がある。この複数コードを簡単に読み込める専用アプリ「pomera QR code reader」があるが、iOS版しか用意されていない。
入力したテキストをすぐにメールしたい場合には、「アップロード」という新たな方法がある。ポメラから直接、メールできるのだ。だが筆者の場合は、iPhoneのテザリングがスムーズにできなかったので(なぜかAndroid端末では簡単に設定できたのだが……)、ポメラをBluetoothキーボードとして使い、直接iPhoneに入力していく方法を取ることが多い。これなら接続設定に煩わされることなく、即座にメールできるからだ。
最新ポメラは、ニッチなシーンで活躍してくれる
前述したように、多彩な連携方法が用意されたことで、その場その場の環境に合わせて、入力したテキストが出力できるようになった。利便性が高まったことで、ちょっとしたことならPCを取り出さずに、ポメラ使おうという気持ちにさせる。
電車内や、誰かとの待ち合わせ時など、隙間時間や狭い場所でも活用しやすいデバイスに進化していた。これならPCを持ち歩かなくても、スマートフォンとポメラがあれば完結する、という状況になるだろう。