経産省、今冬は関電10%、九電5%の節電を要請

~2社以外は数値目標なしで無理のない範囲の節電へ

 経済産業省は11月1日、この冬における電力需給対策を公開した。

 今回の需要予測は、定期検査中の原子力発電所の再稼働が行なわれない前提となっており、原発への依存率が高い、関西電力と九州電力の2社に対し、それぞれ10%と5%の節電が要請された。節電方針は、需要全体(kWh)の削減ではなく、ピーク時の使用最大電力(kW)を抑制を目指す。

 この2社以外の7社については、「無理のない範囲の節電」とされており、数値目標は設定されなかった。沖縄電力については、地理的に離れており、他の電力会社との電力融通ができないため、今回の需給対策には含まれていない。

各電力会社の需給バランス。東北、関西、九州の3社にマイナスを表わす▲がついている
節電は平日の9時から21時が対象となる。とくに需要のピークを抑えることが目標だ

 東日本大震災や水害による被害が心配されていた東北電力は、単体では需要をまかなうことが難しい状態だが、北海道電力および東京電力からの融通を行なうことで、需給対策できるとされた。

 東京電力については、最大需要を5,150万kWと高めに予想されている。しかし、それでも充分に供給力に余裕がある状態で、今夏のような大規模な節電は必要とされていない。

東北電力の需給状況。太平洋岸にある発電所がまだ稼働できないため厳しい状況
東京電力の需給状況。夏と同程度と高めの需要を予想しているが、それでもかなり余裕がある

 関西電力の節電期間は、2011年12月19日から2012年3月23日の平日とされている。年末年始の12月29日から1月4日は対象外となっている。

 九州電力の節電期間は、2011年12月19日から2012年2月3日の平日で、年末年始は対象外となる。九州地区は温かいため、関西電力よりも短い設定となっている。

 なお、数値目標のある節電対象地区でも、医療・福祉・衛生や、社会的なインフラ事業などは節電の対象外となっている。






(伊達 浩二)

2011年11月1日 16:31