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ソニー、家電の操作や家族間の通話機能を搭載した「マルチファンクションシーリングライト」

ソニー「マルチファンクションライト」

 ソニーは、家電製品の操作などを可能にする「マルチファンクションライト」を発表した。2016年度前半の商品化を目指して開発中。販売は電材卸事業者や住宅会社を通して行なうという。なお、量販店等での一般販売は未定。

 製品はLEDシーリングライトと、コントロール機能などを持つマルチファンクションユニットで構成される。

 同ユニットには、赤外線コントローラーの他にも、人感センサーや照度センサー、温度湿度センサー、マイクとスピーカーなどを内蔵。Wi-Fiでスマートフォンと接続すれば、ライト自体を赤外線リモコンとして動作させ、照明のほかエアコンやテレビなどの操作ができるとする。また、家庭内の家電製品をスマートフォンの専用アプリを使って、外出先からでもON/OFF操作などができるという。

 人感センサーを内蔵するため、あらかじめ設定しておけば、人が部屋に入るとテレビや照明を自動で起動させ、部屋に人がいない時には自動でOFFすることも可能だ。

 さらに内蔵スピーカーでは、スマートフォン内の音楽コンテンツを再生できる。スマートフォンとはWi-Fi接続のため、ペアリングなどの追加操作が不要。

 他にもマイクを内蔵。同製品を設置した部屋にいる家族と、スマートフォンを使って通話ができるという。例えば、ダイニングやキッチンから、子ども部屋の子どもたちと会話ができる。

製品はLEDシーリングライトと、コントロール機能などを持つマルチファンクションユニットで構成
ライト部とユニットを組み合わせたところ
スマートフォンからライトを介してエアコンを操作しているところ
エアコン操作のほかにも、会話機能や音楽再生機能を搭載。アプリをアップデートすることで、発売後も機能が増えていく予定

 ライト部のサイズは660×95mm(直径×高さ)で重さは3.9kg以下。適用畳数は8畳相当で、電球色(2,700K)から白色(6,500K)の調整が可能。消費電力は42W。

 ユニット部のサイズは、225×70mm(直径×高さ)で、重さは1.1kg以下。直径46mmのフルレンジスピーカーはバスレフ方式。アンプの実用最大出力は約5W。microSDメモリーカードなどに対応するスロットを搭載する。

「家族間のコミュニケーションツールとして使ってほしい」

ソニー L-Gadget事業室の責任者、横沢信幸氏

 前述のとおり、マルチファンクションライトは、実に多彩な機能を組み込んだシーリングライトだ。製品の開発責任者である、ソニー L-Gadget事業室の統括課長、横沢信幸氏に製品コンセプトなどをうかがった。

――まずは商品のコンセプトをお聞かせください

 「今回は、プロダクト自身が素敵な物でありつつ空間を演出する、というよりは“機能的に便利で快適な物”を作ろうということで、開発しています。そのため、商品自体のデザインは一般的なシーリングライトと同様に、シンプルなもの、シーリングライトとして違和感のないものを目指しました。

マルチファンクションユニットのグリル(カバー)には、複数のテキスタイルやカラーを用意。製品発売後は、ユーザーの声に応える形で、デザインを増やしていきたいという

 デザインについては、実は商品開発の過程で、いろいろなデザインを見てきました。しかし、いわゆるソニー ユニークと言われるようなデザインは、お客さんの好き嫌いが分かれてしまいます。今回の製品については、家族で使ってもらいたいと思っていますので、家族、特に家庭の奥さんにも受けられるようなデザインを採用しました。

 とは言っても、いろんな使い方ができる照明というのを、特徴として打ち出しています。

――これまでも、こうしたさまざまな家電製品を操作する、ハブや司令塔のような製品は多く提案されています。今回、シーリングライトを、そのハブにしようと考えたのはなぜですか?

 「もともとそうした司令塔をどこかに“置く”、というシステムはありました。けれど、ユーザーの声を聞くと、もうこれ以上は物を部屋に増やしたくないとか、置く場所をどこにするかが問題だということが分かりました。

 例えば、ダイニングに置こうとすれば、一番使いやすいのがダイニングテーブルの真ん中です。でも、食事の際には邪魔になるかもしれないし、電源をどうするか、などの問題も残ります。日本の住空間では、そうした置く場所をどこにするか、電源をどう取るか、という問題があるんです。

 だったら、場所として一番空いている、しかも電源を確実に供給できる“照明”を使おうということになりました。照明に司令塔としての役割を担わせるのが、一番お客様のメリットになると考えました。

 実は、照明器具を作るというよりは、この天井という“場所”を利用するというのが重要でした。天井を、我々が提案する製品の“場所”として再定義するという位置付けで考えています」

――天井であれば、通信的に邪魔になる遮蔽物も少なくなりますね?

 「そうなんですよ。天井に設置すると、赤外線を各家電製品に届けやすいというのが大きなアドバンテージなんです。逆にテーブルなどに置くタイプの赤外線コントローラーは、どこに置くかが問題になってしまいます。例えば部屋の隅に置くと、届きそうなのに赤外線がうまく飛ばない、ということもあるんです。その問題をクリアできる天井に設置できるメリットは、本当に大きいです」

ライト部の操作をするためのシンプルな赤外線コントローラーも付属する

――先ほど、シーリングライトとしてデザインはシンプルに、とおっしゃっていました。そうは言っても、間接照明としても使えるなどの工夫がされています。照明器具としては、どんな住空間を作り出そうとしているのでしょうか?

 「LEDライトは、フルカラーで照らせます。そこは他社でもラインナップされています。こうした間接照明によって、夕方以降にちょっとオシャレな空間にしたい、という希望をかなえられます。ちなみに、この照明部については、東芝ライテックさんの技術を入れています。

 天井に付くものは、落下という問題がありますから、そこは安全で安心できるものでないといけません。そこで照明の専門家として、ノウハウ的な技術を多く持っている東芝ライテックさんに、今回お願いしました」

背面のライトを使えば間接照明としても利用可能
専用アプリで照明の色を変えられる

――どんなユーザーをターゲットに想定して開発したのでしょうか?

 「幼稚園や小学校低学年などの子どもが2人いる、4人家族を想定しています。スマートフォンのアプリを用意したのは、このターゲットを意識したものです。例えば“会話”機能では、本体で会話ができるんです。

マルチファンクションユニット内には、スピーカーとともにマイクやセンサーが内蔵されている
会議室用などに使われる集音マイクを搭載し、天井からでも部屋の様々な音を集められる

 スピーカーと同じ場所には、会議で使うような集音マイクが入っています。そのため天井からでも、かなり色んな音を拾えるんです。ですから、スマートフォンで話しかけた声は、照明のスピーカーから流せますし、同時に子どもの声をマイクで拾うので、双方向で話ができます

 そもそも、照明にスピーカーを搭載したのも、家族の“音”というのは、音楽などではなくて、家族の“声”なんだと考えています。

 例えば4人家族の小さな子どもに留守番しておいてほしいと思った時、外出先からでも留守番中の子どもと会話ができれば安心です。もしくは、遠くに住む祖父母の家で使ってもらってもいい。そうした家族間で会話するための、専用回線という位置付けで、スピーカーやマイクを付けました」

ライティング ジャパン2016で「マルチファンクションライト」を展示するソニーブース

 なお、ソニーは東京ビッグサイトで開催されている「ライティング ジャパン2016」にて、マルチファンクションライト専用と言ってもよいブースを展開。15日(金)まで展示されているので、実際に製品の照明や機能を試すことができる。

(河原塚 英信)