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【2015 International CES】GoogleのNEST、LINE、ウェアラブルデバイスと繋がるLGのスマートホーム
(2015/1/13 16:42)
ウェアラブルデバイス、LINE、NEST、更に進化を続けるLGのスマートホーム
LG electronicsは、米国ラスベガスで開催された世界最大規模のコンシューマエレクトロニクス展示会「2015 International CES」の会場において、「Smart Home」の取り組みを公開した。
一部の関係者だけに限定して公開したもので、時計型ウェアラブルデバイス「G Watch R」を通じて、音声で家電製品をコントロールするなど、これまでのLINEを活用した「Home Chat」の取り組みのほか、GoogleのNESTを採用した家電の制御を実現。その取り組みをさらに進化させるものになった。LG electronicsの「Smart Home」への取り組みとブースの様子をレポートする。
LG electronicsのSmart Homeは、2015 International CESのLG electronicsブースの一角に専用ブースとして用意されたものの、招待した一部関係者だけに公開する形としており、専用入口もブース裏側にひっそりと用意されているに過ぎない。
実際に入ってみると、部屋は約10m四方の大きさで、そこにはLG electronicsの家電製品が並べられ、Smart Homeのデモンストレーションが行なわれた。
同社によると、Smart Homeでは、スマートフォンやウェアラブルデバイスと、様々な家電製品を結びつけることができるように新たな機能を追加したという。
これまで同社が提供してきたHome Chatは、LINEを通じて、家電製品と自然言語で会話しながら、操作を行なうというもの。
「LINEを使ったのは新たに開発するよりも手間がかからず、一般的に普及しているLINEを使用した方が効率的であると判断したため。アジアではマーケットシェアがナンバーワンであること、欧州市場でも利用者が増えており、今後北米市場への広がりも期待できる」と同社では説明する。
Smart Homeにおいては、Home Chatの機能を含める一方で、新たにLG electronicsのウェアラブル機器であるG Watch Rを通じて、音声で指示ができるようになった。
たとえば、G Watch Rに向かって「Coming Home」と話すと、リビングの照明が明るくなり、エアコンなども動作。家路につくまでに聞いていた音楽の続きが部屋のなかのオーディオシステムから流れるという仕組みだ。
また、GoogleのNESTを使用。NEST サーモスタットを利用して、留守のときの家電製品をコントロールできる。エアコンの場合には、人の出入りを感知し、人が帰ってくれば冬ならば温度を上げ、人がいなくなれば温度を下げるといった調整も自動的に行ない省エネにも寄与。さらに、スマートフォンからもそれぞれの操作が可能になるという。
同社によると、「NESTによって、生活を楽にすることができ、しかも省エネにも寄与できる。様々なものを接続することを前提としており、公開されたNESTの技術を使用することで、他社のスマートホームとの取り組みとは異なる、囲い込みのない環境を実現している」と説明した。
そして、もうひとつは、WebOSを利用した家電製品のコントロールだ。
クアルコムが中心となって展開するALLSEEN ALLIANCFEにLG electronicsはプレミアムメンバーとして参加。同アライアンスで展開している「All Joyn」に対応。テレビのリモコンを使いながら、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、オーブン、照明などの家電製品をコントロール。「この機能は、Web OSが入っているすべてのテレビで利用できる」という。Web OSを利用した新たな提案のひとつだといえよう。
LGが提案する二槽式洗濯機「TWIN WASH SYSTEM」
一方、LG electronicsブースでは、新たな家電製品やテレビなどが相次いで展示されていた。
白物家電では、洗濯機において新たに採用した「TWIN WASH SYSTEM」が注目を集めた。洗濯槽を上下に2つ設置し、それぞれ分けて洗濯ができるというものだ。
「北米でも、外着と下着を別々に洗いたいといったニーズがある。外着を上の洗濯槽で洗濯し、下着を下の洗濯槽で一度に洗濯するといった使い方ができる。これまでのTurbo Washの技術に加えて、新たなTWIN WASH SYSTEMの仕組みを導入することで、より短時間での洗濯が可能になる」とした。
なお、同じデザインを採用したTWIN WASH SYSTEMを搭載していないモデルも用意。下部の洗濯槽部分は、洗剤などを入れておける収納庫としている。これもこれで便利だといえそうだ。
冷蔵庫では、LG electronicsが得意とする「ドア・イン・ドア」を展示。飲み物を取り出したい場合には、飲み物が置かれている部分だけを小さく開けて、冷気が漏れるのを最小限に防ぐ仕組みとしている。また、扉側に氷を作るスペースを用意。同社独自のSlim Space Plus技術によって実現できたものだという。
掃除機では、ラインアップを強化している「LG Cord Zeroシリーズ」を展示。サイクロンタイプ、スティックタイプ、ロボットタイプ、そして、ベッド(布団)クリーナーといったように、それぞれの用途に応じたコードレス型掃除機の強みを訴求。コードレスでありながらも強力な吸引が可能であることを実演してみせた。
電子クローゼットも今年は進化させた。進化のポイントは2点。横幅を30%削減して、スリム化を図ったこと、さらに、ユーザーの要求が多かったズボンプレッサーを新たにドア部分に追加したという。衣類を振動させて、ホコリを落とし、下からスチームをあててしわを伸ばすという基本機能はそのままだ。
デジタル家電では有機ELテレビのラインアップを拡大
一方、デジタル家電では、他社が液晶テレビの強化を進めるのに対して、有機ELテレビのラインアップを拡大させていたのが特徴だ。
「昨年の世界初となる4K有機ELテレビの発表から、今年は有機ELの一般家庭への普及を目指した展示にした。フレキシブルタイプ、曲面タイプ、フラットタイプのパネルを採用した55型、65型、77型のサイズを展開。7種類の4K有機ELテレビをラインアップした」という。
さらに、「アートスリムデザイン」を採用し、全体をスリムに見せるほか、スタンドを透明にすることで、テレビが宙に浮いているような印象を与えることを狙ったという。また、WebOS 2.0を搭載しており、操作性の進化、起動時間の短縮などを図ったという。
また、液晶テレビでは、量子ドットを採用した製品群を「ColorPrime」の製品ブランドで展開。発色性の高さを訴求した。