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フィリップス、有機ELパネルで市場参入~トレンドは“Interactive”

 フィリップスは、有機ELパネル「Lumiblade OLED Panel GL350(ルミブレードOLED パネル ジーエル350)」を2月上旬より発売する。価格はオープンプライスで、想定価格は1枚2万円前後。

「Lumiblade OLED Panel GL350(ルミブレードOLED パネル ジーエル350)」シルバー
ブラック

 124.5mm四方の正方形で、厚さ3.3mmの有機ELパネル。従来のLED照明はスポットや点として用いられることが多かったが、有機ELパネル照明では、均質な面発光を実現。また、従来の照明とは異なり、薄く、軽いため、様々なシーンで活用可能な次世代照明として注目を浴びている。

 Lumiblade OLED Panel GL350は、124.5mm四方のコンパクトサイズながら200lmの明るさを実現している点が特徴。装飾用途だけでなく、照明用途としても、十分な光を提供できるという。製品は、東京ビッグサイトで1月15日~17日まで開催されている事業者向けの大型展示会、ライティングジャパン2014で展示されている。

ライティングジャパン2014で展示されている「Lumiblade OLED Panel GL350(ルミブレードOLED パネル ジーエル350)」
横から見たところ。厚さは3.3mm

次世代の照明トレンドはInteractive

事業開発ディレクター OLEDアジア太平洋地域 フィリップスルミブレードのKUAN Mun Fai氏

 会場では、フィリップスで有機EL照明に取り組んでいる事業開発ディレクター OLEDアジア太平洋地域 フィリップスルミブレードのKUAN Mun Fai氏(クァン・ムン・ファイ)が自ら製品を説明した。

 「有機EL照明は、これまでの照明であった様々な問題を解決してくれる。例えば、ハリウッドのメイクルームに並んだ鏡には、昔から大きな電球が備え付けられていた。それらの電球は近づくと暑いし、大きい、電球が割れるという心配もあった。しかし、有機EL照明を鏡に内蔵すればそれらの問題は全て解決できる」とし、会場に参考出品されていた64枚の有機ELパネルが埋め込まれた鏡「LivingShapes interactive mirror」を紹介。

 「この鏡は、単にメイク中の顔を照らすだけではない。赤外線センサーが内蔵されており、人が近づくとライトが消え、離れると照明として活用できるように全面に光がつくように設計されている。メイクライトとして使う時は、その人の身長に合わせて点灯することもできる。人の動きに合わせて、Interactive(双方向)に反応するライトというのは、今後の照明市場において、キーワードになってくるだろう」

64枚の有機ELパネルが埋め込まれた鏡「LivingShapes interactive mirror」
赤外線センサーが内蔵されており、人の動きに合わせてライトが変化する

 会場では、そのほか、天井に取り付けて様々な動きを表現する有機ELを用いた照明器具「LivingSculpture3D module system」や、表面にテキスタイル(布地)を用いることで、より表現豊かな空間を実現する「Philips luminous textile with kvadrat soft cells(フィリップスルミナステキスタイル)」などが参考出品されていた。

天井に取り付けて様々な動きを表現する有機ELを用いた照明器具「LivingSculpture3D module system」
天井に取り付けたイメージ
それぞれの有機ELをコントロールすることで、波のような繊細な動きも表現する
表面にテキスタイル(布地)を用いることで、より表現豊かな空間を実現する「Philips luminous textile with kvadrat soft cells(フィリップスルミナステキスタイル)」
表面のテキスタイルは様々な種類から選ぶことができる
欧米では既に発売されている。写真は設置例。天井一面に採用した例

 日本で2月から発売されるLumiblade OLED Panel GL350は通常時と高出力時で、スペックが異なっており、通常時の消費電力は2.85Wで、電流は300mA、全光束は120lmで、最大光度は4,000cd/平方m、平均寿命は15,000時間。高出力時の消費電力は4.75Wで、電流は500mA、全光束は200lmで、最大光度は6,500cd/平方m、平均寿命は10,000時間。色温度と電圧は共通で3,200K,9.5V。本体カラーはシルバーとブラックが用意される。

据置型やロープ型の「hue」も

 昨年9月に発売した、ランプの明るさや色を1,600万通り以上からワイヤレスでコントロールできるLEDランプ「hue」では、日本未発売の据置型「Friends of hue Bloom lamp」やロープ型の「Friends of hue LightStrips」が参考出品された。

昨年9月に発売された「hue」
参考出品された据置型「Friends of hue Bloom lamp」
ロープ型の「Friends of hue LightStrips」

 hueは、自宅のWi-Fiルーターを、ブリッジと呼ばれる専用機器を介し、スマートフォンやタブレットとつなぐことで、スマートフォンやタブレットからランプの色や明るさを調節できるランプ。1台のブリッジに対し、最大50台までのランプをつなぐことができる。

 会場に展示されていたFriends of hue LightStripsとFriends of hue Bloom lampも、hueのブリッジにつないで使うことができる。ただし、hueに搭載されている独自の「ライトレシピ」には対応していない。

 「hueのように、一般的な照明として使うというよりもパーティーなどの装飾に使ってもらうイメージ。普通の照明として多く使うような白系の色は対応していない代わりに、よりビビッドな色を表現できる」(製品担当者)

hueのスターターキット購入時にセットになっているブリッジ。最大50台までのランプを接続できる
スマートフォンから直感的な操作が可能
LightStripsは、両面テープがあらかじめ付いている。写真のように壁などに貼って楽しむ
Bloom lampを横から見たところ。かなりコンパクトな製品なので、インテリアのアクセントとして使うのも良さそうだ

 いずれも日本での発売は未定。なお、hueは現在Apple OnlineStoreにて限定発売されているが、今後は実店舗での販売も視野に入れているという。具体的な時期や店舗については現在のところ、未定。

阿部 夏子