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フィリップスとアイリスオーヤマが照明分野でパートナーシップ

アイリスオーヤマ 代表取締役社長 大山健太郎氏(右)とフィリップス エレクトロニクス ジャパン 代表取締役 ダニー・リスバーグ氏(左)

 アイリスオーヤマとフィリップスエレクトロニクス ジャパンは、屋外照明及び産業用照明分野においてパートナーシップ契約を締結したことを発表した。

 今回の契約締結により、アイリスオーヤマがフィリップスの屋外照明及び産業用照明を2月上旬から順次販売する。

 アイリスオーヤマは2009年よりLED照明市場に参入し、メーカーベンダーによる広範な販売ネットワークと商品開発力により国内シェアを高めてきた。一方、フィリップスは世界における照明のトップメーカーとして屋外照明及び産業用照明分野においても豊富な製品群を誇る。

 両社は互いの強みを最大限活用し、今後も照明事業を通じて日本の生活を豊かにするとしている。

2020年の東京オリンピック開催に伴う施設建設に

アイリスオーヤマ 代表取締役社長 大山健太郎氏

 今回の契約締結についてアイリスオーヤマ 代表取締役社長 大山健太郎氏は「アイリスオーヤマは2009年からLED照明に参入し、それによってLEDの普及拡大が進んだと思っている。2020年には、東京オリンピックが開催されることが決定し、それに伴い様々な施設が建設される。そのようなタイミングで、屋外照明で世界最大のフィリップスから『日本市場では、アイリスオーヤマと提携を結びたい』という話が来た。脱原発が叫ばれる世の中、屋外照明による節電は非常に重要になる。両社がコラボすることで、日本の節電に大きく貢献できるだろう」とコメントした。

フィリップス エレクトロニクス ジャパン 代表取締役 ダニー・リスバーグ氏

 フィリップス エレクトロニクス ジャパン 代表取締役 ダニー・リスバーグ氏は「非常に前向きな議論を何度も交わしてきており、今とても興奮している。アイリスオーヤマが持つ、営業力はもちろん、国内での販売網に大いに期待している。フィリップスは、照明事業からスタートした会社で、昨年の照明事業の売上は世界で1兆円を誇る。特にスタジアムなどの施設照明は強く、今年ワールドカップが行われるブラジルのスタジアムも、その前の南アフリカのスタジアム照明も、フィリップスが納入している」と自信を語った。

 会場からは「なぜ、日本でのパートナーとしてアイリスオーヤマを選んだのか」という質問が出た。これに対しては「我々は、日本で実績のある会社を探していた。ただし、ただ実績があるだけではなく、躍動感、スピード感がある会社であることが必須だった。LEDは今すごいスピードで進化しており、これまではLEDのチップやバルブの開発が主だったが、今後はソフトウエアの開発が中心になっていくだろう。アイリスオーヤマと組むことで、価値のある製品を提供でき、それが成功に繋がると思った」と説明した。

 フィリップスは、照明事業に非常に力を入れており、2013年度の売上は84億ユーロで、約46,000人の社員を抱える。また売上のうち5%は毎年研究開発に投資している。2013年には全世界で8万もの製品を発売した。その中でも現在特に力を入れているのが屋外照明で、日本ではスタジアムなどに設置する照明、倉庫用の照明、道路用の照明を展開するという。

フィリップスは、照明事業に非常に力を入れており、2013年度の売上は84億ユーロで、約46,000人の社員を抱える
研究開発に力を入れており、毎年売上のうち5%は研究開発に投資する。その額は2011年から比べると16%増えており、それに応じて売上も増えてきた
フィリップス ライティング 新興市場担当 プレジデント クリストフ・シェル氏

 フィリップス ライティング 新興市場担当 プレジデント クリストフ・シェル氏は、「今後照明はアナログからデジタルにさらに加速していく。フィリップスでは、他社に追随を許さない圧倒的な研究開発力により、デジタル革命を進めていく。また、アイリスオーヤマは、フィリップスの持つこれらの技術にアクセス可能となる。このようなパートナーシップを提携することはフィリップスとしても初めてのことだが、今後さらに拡大していきたい」と話した。

アイリスオーヤマ 執行役員 LED事業本部長の石田敬氏

 アイリスオーヤマ 執行役員 LED事業本部長の石田敬氏は「国内のLED照明市場は、2015年をピークとして想定しているが、施設用照明に関してはまだまだ普及は進んでおらず、今後加速していきたいところ。フィリップスが展開する屋外照明を加えることで、盤石な体制が整う」とコメントした。

 会場からは「これまでアイリスオーヤマでは内製化を強みとしてきたが、フィリップスの製品にはどう関わっていくのか」という質問が出た。これに対し、「LED照明分野は日本の中でも難易度が高い。フィリップスの製品を日本にあうようにローカライズしていきたい」と説明した。また具体的な数値目標については明らかにしなかったもののLED照明市場全体(住宅用製品も含む)で、トップシェアを獲得することを目標として語った。

阿部 夏子