世界の住宅エネルギー消費量1位はアメリカ。日本は10位――富士経済

~先進国は電気・ガスが主要。用途は各国とも暖房が中心

 富士経済は、世界各国の住宅におけるエネルギー需要の動向について調査を実施。この結果、2008年におけるエネルギー消費量は、1位がアメリカで、日本は10位になったという。

 この調査では、北米、欧州、アジア・オセアニアの15カ国・地域における、住宅1戸あたりのエネルギー消費量を、電気/ガス/石油などエネルギー別に集計している。さらに、冷暖房や給湯といったエネルギー用途についてもまとめている。なお、この調査のデータはすべて2008年時点のもので、エネルギーはすべて石油に換算して集計している。

 住宅におけるエネルギー消費量は、1位がアメリカで、以降、ドイツ、オーストラリア、イギリス、デンマークと続く。一方、下位はタイ、インド、中国、台湾、スペインの順で、日本はこれに次いで10位となった。

各国の住宅におけるエネルギー消費量

 エネルギー別では、先進国では電気とガスが中心だが、北欧では地域熱供給システムが、欧米やアジアでは可燃性再生可能エネルギー(バイオマス発電)が存在感を増しているという。また、LPG(液化石油ガス)や灯油などの石油関連製品も、各国で一定の需要があるという。その一方で、次世代エネルギーとして注目を集める太陽光や地熱は、まだ構成比が低い。

 エネルギーの用途では、各国とも暖房の構成比が高い。しかしスウェーデンやデンマークは、地域熱供給システムが普及しているため、寒冷地ながら暖房におけるエネルギー消費量は低くなっているという。

 一方、冷房の構成比は全体的に低く、特に夏季に暑くならない欧州は、非常に低くなっているという。しかし、セントラル空調システムの普及しているアメリカ、気候が温暖で湿気も多い台湾は、冷房の需要が高いという。

 このほかの用途では、給湯はオーストラリア/アメリカ/日本/デンマークで高い構成比となっている。厨房はアジアの消費量が高く、特にタイでは全体の7割を占めている。家電は、テレビや冷蔵庫の消費量が多いアメリカとオーストラリアで多く消費されている。

国別・用途別のエネルギー消費量。全体的に暖房用途が高い
アメリカにおける住宅のエネルギー消費量の内訳
中国における住宅のエネルギー消費量の内訳
 





(正藤 慶一)

2011年9月30日 18:56