政府公認の節電対策ガイド「家庭の節電対策メニュー」を読む

~エアコンを消して扇風機にすると600W削減

 東京電力/東北電力管内について「15%」という政府の節電目標が正式決定された。それに合わせて、資源エネルギー庁が「家庭の節電対策メニュー」という家庭向けの節電対策ガイドを公開している。

 これは、15%の節電に向けて、家庭内の電気製品の節電方法を知らせ、その実行をチェックできるようになっている。

 4ページのパンフレットなので、各ページごとに内容を紹介していこう。

節電が必要なのは、夏の日中

1ページ目

 1ページ目では、いつ節電すれば良いのかが説明されている。

 電力需要がピークとなるのは、7月から9月の平日で、時間は14時頃がピークとなる。1日全体の節電も必要だが、特に9時から20時の日中の節電を呼びかけている。今年の節電のテーマである「ピークシフト」の推奨だ。


エアコンと冷蔵庫が節電のターゲット

2ページ目

 2ページ目では、夏の14時頃に、どの家電が電気を消費しているかが、円グラフで紹介されている。

 なんと、「エアコン」が53%と過半数を占めている。続いて「冷蔵庫」が23%、テレビが5%、照明が5%で、ここまでで、全消費電力の86%を占めている。つまり、この4つの家電に重点を置いて節電すれば良いのだ。

 また、ページの下半分では、使用時間は短いが、消費電力の多い家電が紹介されている。消費電力が多い順に、IHクッキングヒーター、電子レンジ、アイロン、炊飯器、浴室乾燥機などの名前が挙がっており、できるだけに平日の日中は使わないように呼びかけている。


エアコンは28度、もしくは切って扇風機を使う

3ページ目

 3ページ目が、このパンフレットの中心で、節電対策がメニューの形で並べられている。

 対策は10項目に絞られており、うちエアコンが3項目、温水洗浄便座が2項目、残りは冷蔵庫、照明、テレビ、炊飯器、待機電流が1項目ずつとなっている。

 エアコンは、まず「室温28度を心がけましょう」で、まず130W(削減率10%)。次に「すだれやよしずで日差しを避ける」で120W(10%)、最後に「無理のない範囲でエアコンを消して扇風機を使いましょう」で600W(50%)となっている。

 やはり、最終的にはエアコンを止めるのが一番有効なのだ。今年は、扇風機が人気商品となることは間違いないだろう。

 逆に温水洗浄便器については、やや強引な「コンセントからプラグを抜いておきましょう」を行なっても、5W(1%未満)でしかない。あまり有効性がないのに、あえて挙がっているのは、温水洗浄便器は贅沢品という感覚があるのだろう。


洗濯や食器洗いはまとめ洗いを

4ページ目

 4ページ目は、節電対策メニューの補遺という感じで、細かい対策が並べられている。

 たとえば、「エアコン:フィルターは2週間に1回程度掃除しましょう」とか、「洗濯機:容量の80%程度を目安にまとめ洗いをしましょう」などだ。

 ただし、「冷蔵庫:庫内にビニールカーテンを取り付けましょう」とか、「電気ポット:お湯はガスコンロで沸かし、ポットの電源は切りましょう」などのように、必ずしも万人向けとは言えないアドバイスもあるので、“必ず全部実行する!”と思い込まずに、自分にあったものを選ぶことをお勧めする。

 ページの下半分は夏前の準備になっている。ここでは、「省エネ家電に買い換えましょう」と「白熱電球を電球型蛍光ランプやLED電球に交換しましょう」というアドバイスが書かれている。

 とくに、白熱電球を買い換えるのは、下手な節電対策を行なうよりも簡単かつ有効なので、お勧めしたい。むしろ、このアドバイスの方を、ページの上に持ってきた方が良かったのではないだろうか。


よくまとめられた節電対策

 一部の記述で、やや細かい事にこだわりすぎている感じはするが、「家庭の節電対策メニュー」全体としては、よくまとまった節電対策ガイドになっている。

 とくに3ページ目は、チェックシートも兼ねているので、プリントアウトして、一度、我が家の節電対策をチェックしてみることをお勧めしたい。






(伊達 浩二)

2011年5月13日 18:49