パナソニック、中国政府から照明の入札企業に認定

~照明における高効率商品への切り替えプロジェクトで
中国政府から「高効率照明製品普及補項資金管理暫定弁法」対象に認定されたメーカーにはこのマークが付与される

 パナソニックが、照明商品分野において、中国政府の入札対象メーカーに指定された。

 指定された7社のうち、日本の企業はパナソニックのみとなる。

 中国政府は、CO2排出量の削減を目指して、エネルギー発展第11次5カ年計画を策定。2007年12月には、「高効率照明製品普及補項資金管理暫定弁法」(政府補助緑色照明プロジェクト)を制定し、現在使用中の白熱電球をはじめとした抵効率照明商品を、高効率の照明商品へと切り替える際に補助金を出す制度を開始している。大口消費者の購入の場合には、商品価格の30%、都市農村住民消費者の場合には50%が補助される。

 これらの消費者が補助金を利用して照明商品を購入する際には、指定された7社の商品を選択する必要があり、パナソニックにとっては、中国における今後の照明機器事業拡大の足がかりになる。

 対象となるのは、直管蛍光灯「Hf蛍光灯」。中国ではパナソニック ライティング社の傘下にあるパナソニック ライティング北京有限公司 (PLBC)が生産している。

 認定に際しては、中国GB規格および省エネラベルの取得、参加条件の審査などを経て、国家発展改革委員会傘下の評価委員会により検討される。

 主に施設などに用いられるHf蛍光灯は、定格45Wでの光束量が4,950ml。中国で使用されている直管蛍光灯のなかでトップクラスのエネルギー効率となる110lm/Wを達成。ランプ光束が向上したことで、従来の照明器具に比べて1.7倍の明るさとなることから、2灯分とほぼ同じ明るさを1灯で実現できる。ランプ使用数の削減が、そのまま省エネに直結できるとして、最新商品である「e-Hf蛍光灯」が発売された2008年11月以降、中国国内でも注目を集めていた。

中央と右側がHf蛍光灯。左側の従来品に比べて明るいのがわかる実際に数値で比べるとわかる。右がHf蛍光灯。ほぼ同じ照度を半分の消費電力で実現

 中国で最大規模を誇る家電量販店である国美電器でも、800店舗の店内の蛍光灯を、同商品に切り替えるといった成果が挙がっているほか、政府系ビル、商業施設でも採用されている。

 同社では中国国内におけるHf蛍光灯事業および関連事業で、2010年度には9,700万元(約15億円)の売り上げ規模を見込んでいる。

 パナソニック中国・北東アジア副本部長兼松下電器中国有限公司副董事長の木元哲氏は、「認定によって、すぐに受注活動につながるというわけではないが、日本の省エネ技術が中国当局の最高機関で認知され、国策事業において日本の省エネ技術の普及活動ができることには大きな意味がある。パナソニックの中国における照明事業の拡大や、環境先進企業としてのイメージづくりにも大きな意味がある。民間での受注活動にもプラスになるものと期待している」とした。

 同社によると、中国国内におけるHf蛍光灯およびパルック蛍光灯の市場では、2008年度実績で約5,000万本の規模となり、2009年度には1億本の市場規模にまで拡大するものと想定している。大規模な事業機会が見込まれると同時に、中国におけるパナソニックのシェア拡大にも影響するものと見ている。






(大河原 克行)

2009年5月20日 15:47