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オムロンの卓球ロボットがさらに進化! メダリスト・水谷 隼さんのスマッシュを打ち返せるか!?
2017年10月3日 13:05
CPS(Cyber Physical System)とIoTの展示会「CEATEC JAPAN 2017」が、10月3日~6日に、千葉・幕張メッセで開催される。開幕前日となる2日には、オムロンの卓球ロボット「フォルフェウス」と、リオデジャネイロ五輪 卓球メダリスト・水谷 隼さんがラリー対決をするイベントが行なわれた。
オムロンは、同社のセンシング&コントロール技術を結集させた卓球ロボットを、CEATEC JAPANにおいて2014年より毎年展示。人の位置とラケットの位置、球の軌道などを予測するセンシング技術に加え、ロボット側の軌道計算、制御を行なう思考型コントロールを組み合わせたもので、長時間のラリーを実現するという。
4代目となる「フォルフェウス」はさらに進化し、サーブ機能とスマッシュ対応機能を新たに搭載。「初心者から上級者まで卓球ラリーを堪能できる」をコンセプトに、対戦相手のレベルにあわせたラリーを可能にした。これまでさまざな対戦相手とラリーをしてきたデータをもとに、対戦相手の卓球レベルを瞬時に判断。相手のレベルに合わせた返球をするだけでなく、スマッシュに対応することで、上級者でも卓球ラリーを今まで以上に楽しめるようにしたという。
サーブ機能では、2台の別々のロボットを同期制御し、人のようにトスを上げてサーブすることを世界で初めて実現しており、初心者には難しいサーブを代わりに行なってくれる。スマッシュ対応は、最先端AI技術「時系列ディープラーニング」で、人の手のひらの動きやひじの位置などを解析し、スマッシュを打つ気配を読み取って球筋を予測。アルゴリズムの高速化技術により、スマッシュを予測したときは通常のラリー時よりも速く動いてスマッシュを打ち返す。
オムロン 技術・知財本部 センシング開発研究センター 物性センシング研究室 4代目「フォルフェウス」開発リーダー 小泉 昌之氏は、同社の卓球ロボットについて以下のように述べた。
「ヘルスケア、ファクトリーオートメーション、モビリティなど、オムロンはさまざまな領域の技術を持っています。そうした技術を具体的に感じてもらう象徴が卓球ロボットです。フォルフェウスを通じて、オムロンが目指す“人と機会の融和”を伝えていきます」
同社では、こうした機能を搭載した卓球ロボットとのラリーを通じて、人のことを深く理解し、1人1人に最適な支援を行ない、能力を引き出す「融和」の関係へと進化した、人と機械の関係を、来場者に体験してもらいたいとコメントしている。
なお、フォルフェウスに使われている技術において、時系列ディープラーニングはドライバーのモニタリングに、ロボットの同時制御は、部品などのばら積みピッキングに応用。機械が単純な重労働を人の代わりに行ない、実際の現場でも活用され、社会に貢献するという。
水谷 隼さんがスマッシュを披露! フォルフェウスとラリー対決
会場には、2016年リオデジャネイロオリンピック 卓球 男子シングルス メダリスト・水谷 隼さんが登場し、フォルフェウスとラリー対決を行なった。
まずはフォルフェウスがサーブし、ラリーを開始。水谷さんは、「サーブが安定していて、人間がしているみたいです。結構厳しいコースにきたので、実力に驚きました(笑)」とコメントした。
しばらくラリーを続けた後、水谷さんが渾身のスマッシュを披露。フォルフェウスは反応はできていたが、打球の威力が勝り、打ち返した球は台上をオーバーした。
「無事に勝てましたが、スマッシュに迷わずに反応していて、まさか打ち返されるとは思いませんでした。ラリーもだんだん早くなっていて、ずっと続けられそうですね」(水谷さん)
また、フォルフェウスはコミュニケーション能力も備え、声掛け機能を搭載。「水谷さん、今日はパンツ履いていますか?」と聞いており、水谷さんが戸惑う場面も。「可愛い声で聞かれたのでびっくりしました。今日は試合ではないのでちゃんと履いています」と回答していた。