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長期レビュー

パナソニック「スチームIHジャー炊飯器 SR-SJ101」 その2

〜ふっくら、もちもち、しゃっきり! 好みの炊き方が選べる
by 藤山 哲人

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



 前回はパナソニックの炊飯器のメカニカルな部分やスペックを中心に紹介したが、今回は実際にご飯を炊いたり、蒸し料理をした実験結果を見てみよう。

メニューに合わせて銀シャリモードでご飯を炊き分け!

 前回は、消費電力を押さえつつおいしいご飯を炊く「エコ炊飯」モードを試したが、おいしさを重視したのが「銀シャリ」モードだ。このモードを使うと、白米や無洗米は「ふっくら」「もちもち」「しゃっきり」の3つの食感で炊き分けられるというスグレモノ。

 ただ「しゃっきり」はイメージしやすいのだが「ふっくら」と「もちもち」のイメージがつかみにくいのが難点。ということで、実際に炊いてみてその結果を比べてみた。

「ふっくら」モードで炊いたお米は、見るからに水分たっぷりでふっくらしているのが分かる 「もちもち」モード。左右の写真と見比べると、ちょうど中間なのが分かるだろう 「しゃっきり」モードは、お米の形がしっかり残ってほぐれやすい

 写真で見ても一目瞭然。「ふっくら」は、ご飯が水分をよく吸って太っていることが分かるだろう。食べてみると粘りや甘みが一番強く、ご飯を納豆や味噌汁、お新香でガッツリ食べたいときにベストだ。食感は、やや柔らかめになる。

 「もちもち」は、「ふっくら」より水分が少なくモチッ!とした食感のご飯が炊けた。洋食から和食まで、どんなメニューにも合うオールマイティーな炊飯モードと言っていいだろう。

「ふっくら」「もちもち」は、ご飯の味を楽しみたいときに使うといい 「しゃっきり」は、丼物に最適。硬めのご飯が好きな人にもピッタリだ

 「しゃっきり」は、予想通りほぐれやすく少し硬めの炊き上がりだ。食感は牛丼屋さんのアノご飯の感覚で、丼物に最適なモード。酢飯も「しゃっきり」がベストマッチかと思うが、独立した「酢飯」モードもあるので、食べ比べてみるといいだろう。この炊飯モードは、一粒一粒のご飯を味わえる楽しさがある。

 結果を総合したのが、次の表だ。いずれも、庶民的な価格の白米を3合炊いた場合となってる。


炊飯モード ふっくら もちもち しゃっきり
食感 甘み・粘り 標準的 1粒1粒を楽しむ
炊飯時間 56分 53分 52分
消費電力 0.23kWh 0.22kWh 0.22kWh
電気代 5.06円 4.84円 4.84円
言い換えると 柔らかめ 普通 硬め

 メニューの表記が「ふっくら」「もちもち」「しゃっきり」と少しイメージしづらいが、要は柔らかめ、標準、硬めを示していると思ってよさそうだ。


無洗米を炊くときは水加減を少なめに!

 日立の炊飯器には無洗米専用の計量カップがあったが、パナソニックは白米・無洗米共通の計量カップとなっている。また内釜の水量の目盛りも共通だ。そこで無洗米3合をしゃっきりモードで炊いて、白米との炊き上がりを調べてみた。

 無洗米と白米の炊き分けは炊飯時間で調整しているようで、白米だと52分のところが、無洗米の場合は46分(0.19kWh/4.18円相当)と短めだった。

無洗米を「しゃっきり」モードで炊いてみる お米の形は先のしゃっきりに近いが、少し柔らかめ マニュアルによれば、柔らかくなりがちの品種などがあるという。数回も炊けば水加減などのコツが分かるだろう

 炊き上がりは、炊飯時間で調整しているもののワンランク柔らかめになるようだ。つまり銀シャリモードで無洗米を使う場合、「しゃっきり」で炊くと標準的な「もちもち」の硬さに、「もちもち」で炊くと柔らかめ「ふっくら」の硬さに仕上がる。無洗米を炊く場合は、水を数mm程度少なめに入れるとよさそうだ。

豊富な炊飯メニュー

「コース選択」ボタンで左端のメニューを選び、矢印ボタンで内容を決める

 パナソニックの炊飯器のメニューはシンプル。炊飯と蒸し料理のメニューのみだ。これに加え、内釜に臭いが残ってしまった場合に使う「お手入れ」と「時計合わせ」がある。

 頻繁に使う炊飯メニューは「お米の種類」と「炊き方」の2つを次のように設定するようになっている。

 

お米の種類 炊き方 炊飯時間 機能
「白米」
「無洗米」
エコ炊飯 43分 省電力でおいしく炊く
銀シャリ
(「ふっくら」「もちもち」「しゃっきり」)
56〜52分 おいしさ重視で炊く
少量 55分 0.5〜1.5合を炊く
おかゆ 50〜65分 全がゆと5分がゆは水の量で炊き分ける
早炊き 20〜32分 炊飯時間を優先してやや硬めに炊く
炊込み 50〜60分 炊き込みご飯や、もち米を使ったおこわを炊く
すし 46分 すし用の酢飯を炊く。すし酢は炊き上がりに桶で混ぜる
かまどおこげ
(「淡」「中」「濃」)
56分 わざとおこげを付けて炊く
「玄米」
「発芽
・分づき」
「雑穀米」
ごはん 玄米/130分
発芽・分づき/50〜70分
雑穀米/48分
ビタミンなどが豊富なヘルシーなご飯を炊く
おかゆ 玄米/140分
発芽・分づきと雑穀米/50〜65分
全がゆと5分がゆは水の量で炊き分ける

 やはり目を引くのは「かまどおこげ」モードだろう。「濃」で炊くとおこげが硬くなる。そのまま食べるには「淡」か「中」で、お茶漬けにする場合などは「濃」を選ぶといい。

「銀シャリ」モードは、硬さを3段階から選べる
「かまどおこげ」モードは、おこげの濃さを3段階で選べる

 子供たちを連れて家族が帰省してしまい、一人ぼっちになったお父さんには「少量」がお勧めだ。白米と無洗米、エコ炊飯に銀シャリの各モードは前回の炊飯モードを保持しているが、それ以外はリセットされるようになっている(ボタンの長押しで呼び出しも可能)ため、家族が帰って来てから「少量」モードで4合を炊いてしまうというミスもない。ただし少量モードはメニューの1つとなっているため、銀シャリモードで少量を炊くといったことはできない。

 早炊きは、通常の約半分の時間で炊飯できるので、朝のお弁当作りでも活躍するだろう。

 あらかじめ水に浸したお米を炊く場合は、炊飯ボタンの2度押しとなっている。日立の炊飯器は、予約炊飯メニューの一部になっていたが、2度押しの操作性の方が標準的で戸惑うこともないだろう。この場合、炊き上がり時間がそれぞれ15分短縮されるということだ。


炊飯器で蒸し物なら調理時間に買い物にも行ける!

「蒸し」モードは、内釜に蒸し底をセットして水を張り、時間を設定するだけ。安全で手軽に蒸し料理を食卓に並べられる

 茶碗蒸しに代表されるように、蒸し物は調理時間も比較的長くコンロの前から離れられないので、なかなか食卓に上がらない。でも炊飯器を使った蒸し料理なら火を使わないので、炊飯ボタンを押したら即お買い物にでかけられる。

 マニュアルには冷凍したシューマイや中華まん、ふかし芋に茶碗蒸しなどのレシピが掲載されているが、本格的に中華の蒸しスープを作ることだってできる。

 蒸し物の操作は簡単で、メニューから蒸しコースを選び蒸し時間をセットするだけ。市販のレシピ本の指定時間に、水が沸騰する10分間を足して指定するといい。

 試しに茶碗蒸しを作ってみたのが、次の写真だ。

一般的な茶碗蒸しの器だと、内釜から飛び出してしまうのが泣き所だ 湯飲み茶碗を使ったところ、これがピッタリのサイズだった

 この炊飯器は5合炊きのため、蒸し物用の底板を内釜にセットすると、フタとの間隔が6cmとなり一般的な茶碗蒸しの器だと背が高すぎてフタが閉まらない。ただ1升炊きは9cmまで大丈夫なので、問題になることはないだろう。

 ここでは背の低い湯飲み茶碗を使って調理してみた。内釜に入るのは3個まで。3人家族なら問題はないが、5人家族となると何回かに分ける必要があるが、食事中に第2弾もできあがるのでさほど問題にはならないだろう。

蒸し底を内釜にセット。水を規定値(およそ800cc)まで注ぐ ポイントはアルミホイル。これをしないと、フタから滴る水滴が茶碗蒸しの中に入ってしまう 8分蒸して、そのまま15分余熱を入れる。これで完成。2回目以降は、釜が温まっているので短縮できる

 できあがりはこんな具合だ。まったく「す」が入ることのないきれいな茶碗蒸しになる。ポイントは、茶碗蒸しの中に水滴が入らないようにアルミホイルをする点だ。

 さらにマニュアルでは冷凍シューマイを調理していたが、実験では生シューマイを蒸してみた。

子供たちも楽しんでシューマイ作りに挑戦。本当は3姉妹の人手があるが、一人は熱を出して戦力外となっている 主な材料。これ以外にシューマイの皮も必要。撮影し忘れたのはスルーということで……

 餃子は家でも作るけど、シューマイは作らないという家庭も多いと思うので、レシピも合わせて紹介しておこう。レシピは4〜5人分だ。


材料 容量
竹の子 1パックの半分
たまねぎ 1個
しいたけ 3つぐらい
ひき肉(豚・鳥どちらでも) 400〜500グラム
えび、グリーンピースなど お好みで
ごま油 大さじ1
片栗粉 大さじ2
しょうゆ 1回し
おろししょうが 1かけ
小さじ1程度
砂糖 大さじ1〜2

 タネの作り方は、具材がちょっと違うだけで、餃子とまったく同じ。調味料も餃子と変わらないが、シューマイの味を決定づけるのは砂糖だ。全国的にもおなじみの崎陽軒のシューマイも、実はかなり甘く砂糖がたくさん入っている。比率としては、塩の倍と言ってもいいほどなので、少し戸惑うかもしれないが思いっきり入れてほしい。

野菜類を荒みじんに切って片栗粉をまぶす。つなぎとプリッ!とした食感を出すため。 肉を入れて粘りが出るまで練りづづける。ギョーザと同じ要領で。

 タネができたら子供を総動員して、シューマイの皮に詰めていく。餃子は小さい子には難しいが、シューマイならカンタンだ。ポイントは、次の通り。

1)人差し指と親指で輪っかを作る
2)皮をたるませて輪の中に入れる
3)タネを盛る
4)皮を指の輪の中に落とし込むようにスプーンで押す
5)形を整えてできあがり

指で輪を作り皮を置き、そこにティースプーン1杯程度のタネを乗せる タネを皮を手の中に落としこむようにスプーンで押さえる 形を整えグリーンピースなどをお好みで乗せる

 手作りシューマイは、あまった皮がひらひらするがソレでOK。崎陽軒のものをイメージしてしまうと、皮があまらずピッタリタネが入っているが、アレは市販の皮より相当小さいものを使い機械でやっているからできるもの。手作りシューマイは、中華料理屋さんで円卓に上るフリルつきのものをイメージして作るといい。

写真のように皮の大きなフリルが残る感じでOK 何人かいれば、ご覧のように流れ作業も可能 蒸し時間は15分。2回目以降は7〜8分で蒸しあがる
おいしそうな手作りシューマイの完成!

 1回に蒸せるのは20〜30個程度。欲張って詰め込むと、できあがりで皮のフリルが隣とくっ付いてしまうので、隙間を空けるようにしたほうがいい。

 蒸し時間は、冷凍シューマイと同じ15分程度だ。ただ2回目以降は、7〜8分でも十分に火が通るので、食事をしながらどんどん温かいシューマイを食べられる。蒸し器で一気に何十個も蒸すより、炊飯器の方が温かいものを食べられるのでお勧めだ。

蒸気は豪快にでるものの炊き上がりまでには乾く

 今年の炊飯器のトレンドになっている蒸気レスという点で見てみると、蒸気の出方は豪快というべきかも知れない。とはいえ、すでにこの炊飯器を使っている人なら必ずこう言うはずだ。

「うちのはほとんど蒸気が出ない」と。

 その秘密は、炊飯中にずーっと観察をしていると分かる。

モードによって湯気の量は異なるが、写真は銀シャリコースで炊いた場合 炊き上がり18分前の様子。上部だけでなく背面にも露がついているのが分かる 最高に露がついた状態は、こんな具合。指でこすったら水がボトボト落ちてきそうなほど露が成長する

 炊飯開始から10分もすると薄い湯気が立ちだし、途中では白い蒸気がモクモクと湧き上がり、かなり大きな水滴となる。とはいえ、フタに内蔵されているシロッコファンのおかげで、湯気でやけどするほどの高温にはならないようだ。

 これだけ大きな水滴になると乾かないだろうと思って観察し続けると、炊き上がりの10分前ぐらいからぐんぐん水滴が乾きだすのだ。そして炊き上がりには、まったく露がなくなっている。

ここから挽回! シロッコファンの冷気で露がどんどん乾いていく 炊き上がりは何もなかったように露が乾いている。写真はエコ炊飯モードの場合 銀シャリコースだと湯気が多く、炊き上がっても背面部分にはまだ露がついたまま

 シロッコファンの強制乾燥によるところが大きいが、見た目には蒸気は少ない。

 注意したいのは、高級家具や1,000円のカラーボックスに入れての炊飯だ。ご飯を炊くたびに露つきと乾燥が繰り返えされるので、特にカラーボックスの薄いベニヤ板は収縮を繰り返し、やがて波打った状態になってしまうだろう。

 またシロッコファンの冷気は上部から吹き出すため、炊飯器の背面下部についた露までは乾燥できない。購入時に、「蒸気レス」を重視する場合、この炊飯器はお勧めできない。

予約機能は2つのメモリー

 予約機能は、標準的な2つのメモリーとなっている。炊飯メニューを指定して、炊飯ボタンを押す前に予約ボタンで炊き上がりの時間をセット。最後に炊飯ボタンを押せばいい。

 早炊きや炊き込みモードでは予約炊飯ができないが、さほど問題になることもないだろう。

メモリーは2つ。矢印ボタンで時刻の変更ができる 予約ボタンを押すごとに、2つのメモリーが切り替わる

 次回はパナソニックの炊飯器の最終回。お手入れのしやすさや保温性能をご紹介しよう。そしてパナソニックらしい、細かな裏設定モードについてもお伝えしたい。




2009年11月9日 00:00

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