やじうまミニレビュー

ディアグリーンサイボー「ディアネイチャー21」

~もう枯らさない! 自動で給水する植木鉢
by 藤原 大蔵


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです



観葉植物付きの「ディアネイチャー21」。このまま届いたのにはびっくりした
 毎日の観葉植物の水やりは面倒だ。忙しさにかまけて水やりを忘れたり、数日家を空けたりして、枯らしてしまった事はしばしば。面倒だからといって水を必要以上にあげすぎて、ダメにしてしまったこともある。

 そんな不精者の筆者を助けてくれる嬉しい商品が、今回紹介する「ディアネイチャー21」である。自動給水システムを搭載しており、日々の観葉植物の水やりを開放してくれる。しかも、給水タンクとなる水槽で淡水魚の飼育もできるという。とてもユニークな植木鉢だ。

メーカーディアグリーンサイボー
製品名ディアネイチャー21
品番DN21S (観葉植物付き)
購入店ディアグリーンドットコム(直販サイト)
購入価格6,825円


 届いた「ディアネイチャー21」のパッケージを開けると、ちょっとした驚きがあった。鉢と観葉植物が別々になって届くと思いきや、観葉植物がディアネイチャー21にセットされ、自動給水されながら届けられたのである。つまり、箱から取り出し緩衝材を外せば、すぐに飾れる状態だった。

 しかし、どうやって自動的に給水をしてくれるのかとても気になるところ。既に入っていた水を捨て、鉢をばらしてその仕組みを探る事にした。ちなみに、観葉植物はディアネイチャー21の鉢に直接植えられているわけではなく、茶色の別の鉢に植えられているため、簡単に取り外せた。

「ディアネイチャー21」のパーツ。右が、透明アクリル製の外容器(水槽)、左がポリプロピレン製で半透明の内鉢。5号鉢がぴったり収まる観葉植物は内鉢に直接植えてあるわけではない。別の5号鉢に、ハイドロカルチャー栽培(水耕栽培)の植物が植えてある

 自動給水の仕組みは大仰な仕掛けはなく、意外とシンプルな機構であった。外鉢の中に内鉢が取り付けられている2重構造で、その隙間に水を溜めておき、内鉢の底の小さな孔から、水の圧力で内鉢に水が上がってくる。この孔のそばには、フロート(浮き)とゴム製の栓が一対になったパーツが取り付けてあり、内鉢に水が入るにつれてフロートが押し上げられる。その反作用で、フロートの反対側に付いているゴム栓が下がり、余計に水が入らないよう、孔を塞ぐ仕組みになっている。

 分かりやすく言えば、内鉢の底にあるシーソーのような仕掛けで、自動給水をしているのだ。

透明な外容器(水槽)内部に、半透明の内鉢を取りつける2重構造。水槽と内鉢の間に水を溜める内鉢をひっくり返すと、底に小さな注水孔があいている。ここが外容器から内鉢への給水路だ内鉢に水が入ると、フロートが押し上げられる。その反作用でゴム製の栓が注水孔を塞ぎ、水が止まる仕組み。これにより、内鉢の底には常に一定の水量が確保される

 仕組みがわかったところで、水を入れて給水の様子を確認した。まず、水槽に内鉢を取りつけなおし、外しておいた鉢植えを内鉢に差し込む。水槽と内鉢の間には26mmの隙間があり、そこに水を注ぎ入れると、ゆっくりと内鉢に水が上がってきた。それにつれて、フロートが浮き上がり、鉢植えの底に1cm程度水に浸かったところでピタリと水が止まった。単純な仕組みとわかっていても、ちょっと感動してしまった。

 観葉植物が内鉢の底にある水を吸うと、底の水かさが減る。すると、自然にフロートが下がり、注水孔が開放されて水が補給される。試しに、約3週間、水槽に水を足す事なく何もせずに毎日様子を見続けたところ、内鉢の水量は常に一定を保っていた。一方で、貯水路の水は1.5cmぐらい減っていた。植物や温度、 湿度にも拠ると思うが、かなりの期間、水やりから開放されるのは間違いないだろう。水槽も内鉢の水位も簡単に確認ができるので、水やりを忘れて植物を枯ら してしまうことはないだろう。

外容器と内鉢の取り付けは、それぞれの溝と突起をあわせ、回転すれば簡単にできる水槽と内鉢26mmの隙間があり、そこに水を入れる。写真の状態で約2.5L。給水後、隙間に上部カバーを取りつけることによって、水の中に埃などが入りにくくなる
鉢植えの底が約1cm浸かると自動的に水が止まる。水槽の水位が内鉢の水位より低くならない限り、水槽の水圧により内鉢の水は逆流しないので、水槽内の水はずっと透き通ったままだった窓際に飾ったところ

 さて、本製品は貯水路で魚の飼育ができるというのも、もう一つの特徴である。そこで、黒メダカ、水草、水底に敷くアクリル製の砂を用意し、実際に飼育してみよう。内鉢を外し、水槽の底に砂、カルキ抜きをした水を入れ、水草を沈める。そしてメダカをそっと放したあと、メダカに触れないようにゆっくりと内鉢を取り付ける。

 メダカは貯水路の中でのんびりと泳いでおり、揺れる水草は見ていて本当に飽きない。夜間には温度の低いLEDライトを用いて水槽を照らし出すと、アクリルの砂や水草が輝き、とても美しい。時折メダカが顔を出し、ついつい見とれてしまう。

水槽の中に魚を飼うことも可能とのことで、黒メダカを泳がせてみた。水の量は2.5L、水槽と内鉢の隙間の最大は40mm程度なので、飼育する魚の大きさや数は考慮する必要がある水槽の上カバーと内鉢の間にはわずかながら隙間があるので、密閉状態にはならない夜間、熱の出にくいLEDライトを用いて水槽を照らし出すことにより、室内に小さいながらも印象的な自然を演出する事ができる。なお、標準で照明台を備えているタイプもある

 淡水魚を水槽で飼育すると楽しいが、当然ながら毎日の管理が必要となる。本来、観葉植物の水やりを不精したいがため購入したものなのに、毎日喜々としてメダカの世話をしている筆者であった。自動給水したいだけなら、淡水魚の飼育は避けたほうが無難だが、何も入っていない水槽は少々退屈かもしれない。魚を入れなくても、水草やガラス球、アクリルなど入れて、美しく水槽を飾るだけでも十分に楽しめるだろう。

 ところで、ディアネイチャー21の観葉植物付きを購入する際、観葉植物の選択ができない。メーカーに問い合わせたところ、農場の旬のものがショップで選ばれて届くとのこと。何が入っているかは、届いた時のお楽しみとなる。ちなみに、ラインナップには、観葉植物無しのものや、照明台付きのものも用意されていることを付け加えておこう。


2009年 9月 24日   00:00