やじうまミニレビュー
琳聡堂「HOT デシュラン」
■オフィスでも、お昼に炊きたてのご飯を!?
琳聡堂「HOT デシュラン HDS-1」 |
自分でお弁当を作っている方にとって、お弁当が冷たくなる寒い季節は悩ましいだろう。炊きたてのような、熱々ご飯が食べられたらと思ったことはないだろうか? ある男性はオフィスの自分のデスクで「いや~できることならここでご飯炊きたいっすよ~!」と言った。そこで思ったのだ。机の横に置けるような、食べきりサイズの炊飯器ってないのかな、と。探してみたところ、なんと「HOT デシュラン」という炊飯機能付きのお弁当箱を発見した。
このHOT デシュランは、炊飯しながら同時におかずを炊飯時の蒸気で温められるという製品。届いたパッケージを開梱しながら驚いた。出てきたのは、本体、計量カップ、お釜、おかずケースの3点。サイズは150×185mm(直径×高さ)で、重さ1.1kg。プラスチック製のお箸と、持ち運びしやすいように専用のバッグがついている。見た目だけだと、保温性の高いお弁当箱? と間違えそうだが、お米からご飯が炊ける、正真正銘の炊飯器なのだ。
メーカー | 琳聡堂 |
製品名 | HOT デシュラン HDS-1 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 6,450円 |
■食べるだけのご飯が、20分程度で炊きあがる
使い方は、一般的な炊飯器とほとんど変わらない。違うのは、中におかずケースを入れられることだけだ。
付属のバッグに入れた様子 | 上からみた様子 | 外ブタをはずすと、おかずケースが現れる |
まず、お釜の中に計量したお米を入れ、入れた分量に合わせた水を入れる。お米と水をセットしたお釜を本体に入れ、温めたいおかずがあるときは、おかずケースに移してきっちりフタをし、お釜の上にセット。あとは外フタをのせて、しっかり両サイドのフックをロック。電源プラグをセットして、スイッチを上に上げると炊飯がスタートする。
炊飯そのものは15~20分程度で完了するので、そのまま10分ほど蒸らせば完了だ。合計30分程度でホカホカご飯ができる。さらにお釜の上に乗せたおかずケースは、炊飯時の蒸気で全体がむらなく温められるので、電子レンジがなくても、温かいおかずが用意できてしまう。おかずケースのフタはきっちりしめられるので、蒸気でおかずがふやける心配もないし、電子レンジではないから、アルミホイルを使っても問題なし。
おかずケースをはずすと、お釜が現れる | お釜をはずすと熱版とサーモスタットが見える | 左からおかずケース、お釜、外ブタ |
お釜の内側の目盛り | 炊飯スイッチ。下におろすとONになる | おかずケースのフタを外してみたところ |
付属の計量カップは、すり切り1杯が約100g(約0.55合)。だいたいお茶碗1膳分の量だ。お釜は、このカップで1カップから、最大2カップ半(約1.38合)まで炊飯できる。おかずケースをつかう場合は、2カップが最大となるから、お茶碗2杯分のご飯と、温かいおかずがセットというわけだ。男性でも食べたりないということはなさそうな量である。
付属の計量カップ | 付属のお箸 |
半信半疑で使い始めたところ、想像以上にご飯がおいしく炊けることに、本当に驚いた。特に、炊飯中におかずが温まるという仕組みが実に便利で、病みつきになった。
■肉じゃがを温めつつ、炊飯
まずは、お総菜で買った肉じゃがをおかずとして試してみた。肉じゃがはおかずケースに移し、お米を2カップ分を用意した。
炊飯スイッチを押すと、約20分後に、パンという音とともに炊飯スイッチが上がり、ご飯が炊きあがった。本体はそのまま保温状態に入るので、さらに10分蒸らした。
外ブタを外し、おかずケースを触ってみるとかなり熱い。直接触れるのは危険だと思ったので、手袋をつかって取り外す。すると炊きあがったばかりのご飯登場。これが想像以上にしっかり炊けていて感動! そのサイズから、クッキングトイ的な印象を持つ方もいらっしゃるかもしれないが、本当に炊飯器だ。しかもなかなかおいしい。
肉じゃがを温めながら炊飯することに | お米は2カップ(約1.1合)分を用意し、2カップ分の目盛りまで水を入れる。通常の炊飯と何ら変わらない | 肉じゃがをおかずケースに移す |
お釜をセットし、上におかずケースをのせる | 外ブタをのせて、両サイドのつまみを持ち上げ、しっかりロックする | 蒸らしも終わり、できあがったご飯 |
量は、ほぼお茶碗2杯分だったため、完食すると満腹。今回お茶碗に移したが、製品サイトのムービーでは、そのままお釜から直接食べている例も紹介されていた。しゃもじが付属しないのだが、お釜が小さいため、通常サイズのしゃもじで混ぜるのはなかなか難しかったのだが、お箸で直接食べるなら、箸で混ぜればいいのか。
気になるおかずケースの中の肉じゃがもしっかり温まっていた。食べやすい優しい温かさである。おかずケース自体に保温性はないので、炊飯が終わったらすぐ食べよう。ただ、おかずケースはわりとコンパクトなので、人によっては、多少物足りなさを感じるかもしれない。
混ぜてみるとこの通り! | 温かいご飯と肉じゃがが用意できた。ご飯が2膳分あるので、念のためふりかけを用意 |
準備から、炊飯完了までの様子 |
■冷凍シュウマイを温めつつ、炊飯
甘えびシュウマイのランチにしてみる |
冷凍食品もOKということなので、冷凍シュウマイを入れて温めてみることにした。冷凍食品の場合、ある程度自然解凍したものを使うといいらしいが、今回は解凍せずに、いきなり入れるとどうなるかを確認してみた。
買ってきたシュウマイは1パック12個入り。この中で、おかずケースに入ったのは8個だった。お米は2カップ分を準備し、いざ炊飯。ご飯が普通に炊けたのはもちろんだが、冷凍シュウマイは、ふんわりとやわらかく温まっていた。電子レンジを使うと、シュウマイは芯から強烈な熱を帯びて口を火傷しそうになるが、「HOT デシュラン」で温めると、外側から包まれているような温かさである。悪く言えば冷めやすいともいうが、熱すぎないので、すぐ食べるならちょうどいい。
12個のうち、無理矢理詰め込めたのが8個 | 炊飯後のシュウマイの状態。しっかり解凍され、温められている | お湯を注ぐだけの味噌汁を用意し、少しだけ自宅外っぽい気分に!? |
■レトルトカレーは温まるか?
お総菜が温まり、冷凍シュウマイが温まり、ここで気になったのがレトルトカレーである。レトルトカレーといえば、通常、お湯を沸かした鍋でパックを温めるか、ご飯にかけて電子レンジにかけるだろう。もし炊飯中にカレーも温まれば、まさに一石二鳥! 別に温める分の光熱費が削減されるからだ。
パックごとではおかずケースに入らないので、中だけ移し入れて、再び2カップ分のお米を炊いてみた。すると、見事目論みは成功。念のため温度を測ってみたところ、温める前は21℃だったのに対し、炊飯後は72℃になっていた。炊きたてご飯にかけると、まさに湯気タップリの熱々のカレーライスとなったのである。ご飯の量も、ガッツリ食べられるだけあり、大満足の仕上がりであった。ただし、香辛料の強い食べ物を入れると、ケースに色が付く場合があるので注意が必要とのことだ。
レトルトカレーの中だけ、おかずケースへ | 炊飯前のカレーの温度は21℃ | 炊飯後はなんと72℃ |
炊きたてご飯にカレーをかければ、まさに一石二鳥カレーの完成 | おかずケースのフタの中央部にあるゴムの隙間から、カレーが漏れ出てしまった。液体は要注意 |
■残り物のおかずを温めていただく
最後は、お弁当にもなる、おかずの残り物の温め。用意したのは豚肉の炒め物、卵焼き、人参のソテーの3品。電子レンジでは使えない、アルミホイルが使えるというのもメリットの1つだ。
ご飯は1膳分に相当する1カップにしたところ、これまでの中で一番いい炊きあがりに! おかずも、ちょうどよい温かさ。せっかくなのでお湯を注ぐだけのわかめのスープも用意したところ、自宅なのにどこかにでかけているような、ホッとする昼食となった。
残り物のおかずを温めながら、食べ切れる量のご飯を炊いていただく。この無駄のなさが、「HOT デシュラン」の最大の魅力かもしれない。
一膳分のお米と残ったおかず | 1膳分でもいい炊きあがり! 炊きあがりまでの所要時間は気持ち短め | スープも用意すれば、食べる分だけのシンプルご飯が完成 |
■お弁当にも便利だが、実は自宅でこそ使い勝手のある1台!
もとは「仕事場のデスク脇でご飯を炊いたらいいのでは?」という発想で探した製品だったが、使っているうちに、むしろ自宅で役に立つ製品だと実感した。そのちょうど良さに惹かれて、しばらく「HOT デシュラン」でばかりご飯を炊いていたほどだ。
食べたい分だけのご飯が、15~20分程度でできるのである。しかも同時におかずも温められる。お米と水の量を加減すれば、おかゆも作れるし、玄米も炊ける(ただし、玄米の場合は事前に12時間ひたさなければならないが)。 普段あまり自炊しないけど、たまに炊きたてご飯が食べたいときがある、という方は、実質、これで十分だと思う。
もちろんオフィスで徹夜や泊まり込みをするとき、お米とレトルトカレーがあれば、立派な温かい食事が可能になる。お皿としゃもじやスプーンは別途用意しなくてはいけないが、完全なコンビニご飯が続くよりは、手作り感があって、精神的にかなり楽になるのではないだろうか。
ただ、オフィスで使用するときは、ブレーカーを落とすことがないよう、事前によく確認しておくことをお勧めする。また、みんながマネし始めたら、昼食時のオフィスが大変なことになりそうな気もするので、自慢はホドホドに……
2011年 1月 7日 00:00
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