家電製品ミニレビュー
サンワサプライ「便利タップ TAP-B44」
~パソコン/スマホ/タブレットの電源を賢くまとめる電源タップ
by 藤原 大蔵(2013/7/26 00:00)
部屋のコンセントの数には限りがあるのに、電化製品はますます増える傾向にある。特にデスク周りは、パソコン関連機器や照明器具の他、毎日の充電が必要な携帯電話やスマートフォン、タブレットなど、電源が必要なものが集中しやすい。ゆえに、十分な差し込み口のある電源タップがあると重宝する。
今回、数ある電源タップの中から紹介するのは、サンワサプライの「便利タップTAP-B44」だ。タップが卓上用と足元用に分離されており、卓上用には3個、足元用は5個のコンセントを備えている。卓上タップにはコンセントの他に2つのUSBポートがついているので、ACアダプターを使わずにモバイル機器の充電ができる。つまり、合計8個のコンセントに、2個のUSBポートで、デスク周りの電源を一括するタップだ。
メーカー名 | サンワサプライ |
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製品名 / 品番 | 便利タップ TAP-B44 |
希望小売価格 | 6,090円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 3,460円 |
安全性の高いケーブルとプラグ。一括スイッチは足元タップ専用
実際に使用する前に、製品のスペックから確認していこう。便利タップは卓上タップと足元タップに分かれる。まず、卓上タップのサイズは128.5×66×48mm(幅×奥行き×高さ)。3つのコンセントのうち、1つはACアダプターに対応しており、隣と約50mm離れている。
卓上タップの左側面には2つのUSBポートを搭載し、下部にはスマートフォンやタブレットが立てかけられるスタンドが収納されている。さらに側面の「ON/OFF」スイッチで、足元タップの電源をまとめて管理できる。なお、このスイッチは卓上タップには連動しない。そのため卓上タップは、スイッチのON/OFFに関係なく、常に通電していることになる。
一方の足元タップのサイズは203×36×24mm(同)。5つある差込口のそれぞれの間隔は約30mm。タップの裏側には、固定するための木ネジの穴がある。ネジ穴間の寸法は88mmだ。なお、足元タップには、一括スイッチは用意されておらず、卓上タップのスイッチでON/OFFを切り替える。
両方のタップを繋ぐプラグは、180度回転するスイングタイプなので、コードへの負担が少なく、場所をとらない。プラグの刃の根元に絶縁キャップが付いており、トラッキング火災など事故の予防効果がある。さらに、電源から侵入してくるノイズや雷サージから機器を守る「AC雷ガード」が搭載されており、安全面にも配慮されている。
プラグから足元タップまでのコードの長さは約200cm、足元タップから卓上タップまでの長さは約95cmだった。一般的なデスクの高さは72cm以下なので、長さは十分だろう。プラグ側は二重被覆(ひふく)のスリムな平型コードだが、卓上タップ側はスイッチがあるためか、コードの直径はさらに太く、8mmだ。少々扱いにくいかもしれないが、いずれも断線や被覆破れに強いしっかりしたコードを使用している。
細かな話だが、本製品は壁面コンセントの穴の大きさが左右違う「接地コンセント(2P)」に対応している。プラグの表面(何も表記が無い方)を上にしてコンセントに差し込めば、タップの接地側(Nと表記されている側)と合わせられる。
デスク周りの電源を集約。タブレットを立てて使いながら充電できる
前置きが長くなったが、ここから実際に使用してみる。まずは、卓上タップに設けられた2つのUSBポートから接続する。
USBポート付きの電源タップで気になる点は出力。タップによっては十分な出力が得られない場合があるが、本製品の出力は、2ポート合計で最大2.1A(5V)。iPad 2と、スマートフォンを一度に繋いでみると、どちらも全く問題なく充電できた。充電時間も、それぞれのデバイスに付属するACアダプターを使用している時と遜色ない。
また、タブレットが立て掛けられる収納式のスタンドもとても便利だった。立てかけるデバイスの厚みにもよるが、だいたい30度ぐらいの仰角がつき、画面が見やすい。iPadは縦・横どちらにも置ける。また、スマートフォンやiPodもきちんと収まる。
ちなみに、卓上タップの裏側にはゴム足が4カ所ついており滑りにくいので、立てかけたままでも操作しやすかった。
こうしてデスクの上と、デスクの下の足元にそれぞれ設置して使ってみると、デスク周りの電源を集約できて便利だった。卓上タップは、毎日持ち歩くモバイル機器の充電にピッタリで、普段は携帯電話、iPad、スマートフォンの3つの充電にあてているほか、時々必要になるカメラのバッテリーや、ニッケル水素電池の充電にも活用している。充電が必要になった時にすぐに使えるうえ、目に触れやすいので、充電器を抜き忘れることもなくなった。
USBポートが手元付近あるので、スマートフォンやiPadを充電しながら扱える点も気に入った。壁面コンセントや足元付近のタップから電源を取ると、充電しながら使うにはコードが短すぎだったのだが、本製品は電源が手元に近いので、デスク上で充電しながらデバイスを操作できる。
一方でデスクの下に設置した足元タップは、5つの差し込み口で、デスクワークに必要なパソコンの周辺機器と照明器具の電源が全てまかなえた。繋いだものは、デスクトップ本体、モニター、外付けハードディスク、アンプ付きスピーカー、そしてタスクライト。足元タップの差し込み口の間隔はすべて29mmだが、大きなACアダプターはスピーカーのみなので、特に問題はなかった。
増え続ける家電やモバイル機器をスマートにまとめるタップ
欠点は、どちらのタップも“据わり”がイマイチな点だ。コードが太く、少しでも「ねじれ」があると、簡単にタップが浮いてしまう。卓上タップはiPadやスマートフォンを載せれば重さが加わり安定するが、太いコードはフレキシブルに曲がらないので、何も乗せていない時にタップが浮くことがあった。さらに、卓上タップを引き出した時、足元タップも動きやすく、時には倒れてしまうことさえあった。足元タップのネジ穴だけでなく、気軽に固定するために、もう一工夫欲しいと感じた。
それでも、分離した2つのタップと、USBポートの組み合わせはとても便利だ。常に繋ぎっぱなしにする機器は足元の目立たない所へまとめられ、毎日抜き差しするようなモバイル機器やたまにしか使わない機器は手元で電源が取れる。卓上タップにあるスイッチで、足元タップにつながる機器の電源を一括でOFFにできるので、使わない時は待機電力も簡単にカットできる。
デスク以外でも、キッチンカウンターやダイニングテーブルの側でも使えそうだ。手元に電源があれば、ちょっとしたキッチン家電が手軽に接続できて便利だろう。ただし、合計出力は一般的なタップと変わらず1,500W(15A)までなので、機器の繋ぎすぎや、高出力の製品の同時使用には注意が必要だ。
本製品は雑然となりがちな電源周りを立体的に整理できるうえ、2台のUSB機器の充電もできる、使いやすいタップだ。ますます増え続けるモバイル機器や電化製品をスマートにまとめるタップとして、生活シーンの真ん中で活用してはいかがだろう。