家電製品ミニレビュー

サーキュレーターと扇風機を兼ねたコンパクトな扇風機「SIENTμ」

一年中使えるコンパクトな扇風機

東芝ライフスタイル「SIENTμ F-DPS20

 今回は、東芝ライフスタイルの扇風機「SIENTμ(サイエント ミュー) F-DPS20」を紹介する。SIENTは東芝の高級DC扇風機のブランドだ。μは今年から追加された新機種で、これまでのSIENTが純粋な扇風機だったのに対し、「サーキュレーター兼用」なのが特徴だ。

 また、羽根の直径がSIENTの30cmから20cmに小型化され、本体もコンパクトになっている。夏に使って冬にしまわれる扇風機から、1年中活躍する「ファン」を目指した、なかなか野心的な製品だ。

メーカー名 東芝ライフスタイル
製品名 SIENTμ F-DPS20
希望小売価格 オープンプライス
購入場所 Amazon.co.jp
購入価格 15,144円(税込)

20cm径の17枚羽根を搭載

 SIENTμの箱は、だいたい縦横30cm四方ぐらいで、高さが60cm弱だ。重さは3kg弱なので、売場で手提げを付けてもらえば、ぎりぎり持ち帰れるぐらいの大きさと重さだ。

 SIENTμは完成した状態で箱に入っているので、組立作業が必要なく、すぐに使える。やることといえば、リモコンの電池がセットされている絶縁シートを引き抜くぐらいだ。

単体で見ると普通の扇風機だ
左のリビング扇に比べるとコンパクトさがわかる

 羽根の直径が一般的な扇風機より小さい20cmなので、本体もずっとコンパクトだ。高さは、支柱をたたんだ状態で約53cm、伸ばした状態でも高さが約65cmなので、一般的なリビング扇より、頭ひとつ小さい。

羽根は透明な部分と茶色の部分の二重構造だ
斜めから見ると二重構造の様子がよく分かる
外側は7枚、内側は10枚で、合計17枚羽根の構成
羽根の径は約20cm。一般的な扇風機はこの定規と同じ30cm径なので差が分かる

 この小さい羽根で柔らかい風を送るために、羽根の構造は凝ったものになっている。ちょっと見ると、7枚羽根に見えるが、羽根の軸に近い部分は10枚羽根になっていて、合計で17枚羽根になっているのだ。内側の羽根は、斜流ファンと呼ばれ、外側に広く向かう斜めの風を出すことで、風全体をなめらかなものにするという。

 モーターはSIENTシリーズの特徴であるDCモーターで、消費電力は1.5〜16Wと小さい。DCモーターの扇風機は増えてきたが、サーキュレーター専用機はACモーターが主流で、最大消費電力が30Wを越える製品が多い。それに比べるとSIENTμの消費電力の少なさは大きなメリットだ。

小径を感じさせない柔らかい風

 実際に使ってみよう。まず、電源ケーブルはコードリール式で、扇風機のベース部分にケーブルが収納される。電源コードの長さは約1.7mと通常並みにある。必要な分だけコードを引き出すので、邪魔にならないのが良い。

電源コードはコードリール式
このように引き出して使う

 支柱の調整は一般的な押しボタン式で分かりやすい。支柱を一番高くすると、だいたい65cmぐらいの位置に羽根がくる。

一番低くした状態
一番高くした状態
左のリビング扇との比較

 扇風機本体の操作部分は、風量を調整する大きめのダイヤルと、各機能にボタンを割り当てたSIENTシリーズ共通のデザインだ。さすがに上位機種に比べるとLED表示などの高級感は薄れているが、アイコンが書かれたボタンは機能が分かりやすい。さらに必要な場合は、文字で機能を説明した「操作シール」が付属し、本体に貼れるようになっている。また、カード形のリモコンが付属する。

操作パネル部分
設定ごとにLEDが用意されているので状態が分かりやすい
付属のリモコン。普段は支柱につけるリモコンフォルダーに入れておく
リモコンの受光部分は本体の前面にある。感度はかなり良い

 SIENTμの一番の売りとなる機能は、上下首振りと左右首振りを組み合わせた「立体ワイド首振り」だろう。

 これは、上下、左右、どちらかの首振りをしているときに、もう1つの首振りボタンを押すと切り替わる。つまり、左右首振り中なら、「上下」ボタンを押すと、そのまま立体ワイド首振りになるのだ。

通常の上下首振り位置
このように真上まで首振りすることができる

 首振りの範囲は、上下が50度と100度、左右が90度と180度と広い。上下100度は、羽根がやや下を向いた状態から真上を向いた状態まで動く。これと左右180度を組み合わせると、かなり広い範囲に風を送ることができる。上下左右に首振りをしている状態は、かなり複雑で、見ていて飽きない。

複雑な動きを見せる「立体ワイド首振り」

 次に風量をいろいろ変えてみた。風量の指定は大きなダイヤルを指先で回して行なう。風量調整は7段階だ。

 羽根の直径が小さくなっているので、風の質が心配だったのだが、微風時でも柔らかい風がくるし、強風時でも風量がある割に風切り音がうるさくならない。小径の羽根とはいえ、サーキュレーターの硬く強い風ではなく、扇風機の風になっている。顔に風を直接当て続けても苦しくならない。

 また、風量調整ダイヤルを1回押すと、ランダム風に切り替わる。こちらは4段階で風量が調整できる。私は、ランダム風に伴うモーター音や風切り音の変動パターンが気になってしまって苦手なのだが、本機のランダム風は変化が自然で、風のゆらぎパターンが読みにくく気になりにくい。ランダム風に設定していても、家族が気づかないことがあった。メーカーもランダム風には自信があるようで、リモコンでは独立した専用ボタンがわざわざ用意されている。

 タイマーは「入タイマー」と「切タイマー」が別々に用意されている。切タイマーが1/2/4時間、入タイマーで2/4/6時間だ。2つのタイマーにそれぞれ独立したLEDが用意されているので、設定時間は分かりやすい。また、2つのタイマーを組み合わせて使えるので、寝るときに2時間で切って、朝になる6時間後に入タイマーで起動するという使い方ができる。

 なお、SIENTμのようなタッチパネルを使う機器は、幼児やペットによる誤操作を招きやすいので、チャイルドロック機能も用意されている。本体の「入タイマー」ボタンを3秒押しすることで、チャイルドロックのON/OFFができる。

寝室に向いたサーキュレーター

 今回、2週間ほど使用したが、一番良く使ったのは、自分の部屋だった。

 昼間は立体ワイド首振りで、上下左右に首振りをさせている。夜は羽根を真上に向けて一日中稼働するという使い方だ。一般的なサーキュレーターよりも、弱風が設定できるので、程の良い微風が部屋の空気を循環させてくれる。

 特に、立体ワイド首振りを使っているときは、風のパターンが読みにくく、無理に動かしているという印象がない。自然な、そよ風に近い印象なのだ。

このように真上を向けることで、部屋の空気を循環させることができる

 夜間は首振りの動きが気になるので、真上を向いた状態に羽根を固定している。風が弱く設定できるので、就寝時にタイマー設定を忘れて動かしっぱなしにしていても、夜中に寒くなることがない。

 これまでの扇風機だと、夜間に動かそうとすると、風の方向性が気になることがあった。また、サーキュレーターだと、こんなに微風に設定できないし、静かに動いてくれない。定評のあるいくつかのサーキュレーターに比べても、静かさと微風の穏やかさでは優っていると感じる。

 さらに、寝室向けの機能として、「減光モード」と「消灯モード」があるのが良い。これはLED表示の明るさを変更するもので、減光モードはLEDの明るさが半分になる。さらに、消灯モードにすれば風量表示用のLED1つを除いて、すべてのLEDが消灯する。真っ暗な部屋でないと眠れない私には消灯モードは大変有効な機能だった。

 惜しいのが、この2つのモードへの切り換えが、扇風機本体の「切タイマーボタン」でしか操作できないことだ。こういう機能こそ、リモコンで操作できるようにしてほしい。

 ちなみに、一般的な扇風機としても有効で、湯上がりなど風量が欲しい時は羽根を横に向ければ強い風が吹く。こういうときに便利だったのは、リモコンで首振りの位置を調整できることだ。横方向だけではなく、縦方向の首振り位置もリモコンで指定できるので、イスなどに座ったままで、自分の顔にちょうどよく風が当たるように首振りの位置を調整できる。

サーキュレーターの便利さと扇風機の風の質が両立

 SIENTμは、20cmファンのサーキュレーター兼用機ということで、風の質について、少し不安があったのだが、一般的な30cm扇風機と同等以上の質を保っていた。

 また、サーキュレーターとしては、低消費電力、低騒音という利点があり、さらに細かく調整できる微風という扇風機の特徴も取り入れている。扇風機兼用ということでサーキュレーターとしての能力に不安を持つかもしれないが、風量は最大で18立方m/分ある。羽根の径が20cmのサーキュレーターでも最大風量は10立方m/分ぐらいなので、十分と言えるだろう。

 スリムでコンパクトな本体なので、リビングだけではなく、寝室や子供部屋などにも向いている。冷暖房の補助としてオールシーズン使える扇風機を探している人には推薦する。

(伊達 浩二)

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