家電製品ミニレビュー
血管の健康状態もわかる! 活動量計とセットで使える体組成計「Withings Body Cardio」
2016年11月28日 07:30
かれこれ3年は活動量計を使っています。自分の歩数、消費カロリー、睡眠サイクルといった活動が長期間に渡ってモニターできるのは非常に興味深いことです。ログが溜まれば溜まるほど、どう変化しているのかが分かります。
ただ1つ、ずっと叶えたいことがありました。それが体組成計との連動でした。活動量を記録しているアプリ内で体重や体脂肪率、筋肉量、骨量、体水分量などを管理したかったのです。
メーカー名 | Withings |
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製品名 | Withings Body Cardio |
実売価格 | 22,540円(Amazon) |
単体で愛用している体組成計はありますが、活動量計がないため(実際にはあるのですが相性が悪かった)アプリはバラバラ。どう動いたらどう変化したのか知るにはやはり1つがいい。
活動量計のアプリには体重管理メニューもあるので、測定データを手入力すればいいのですが、これがなかなか難しい。1度は追加するものの、毎日続けることができません。
体重だけなら取り込めるメーカーもあります。しかし筆者の場合、運動をしても脂肪でなく筋肉を使いやすい体質のため、体重の増減が何によるものか明確にしたいのでNG。体脂肪率も測定できる製品がありますが、なんと日本未発売。並行輸入品はありますが、いざというときメーカーサポートが心配。
「お気に入りの製品同士が全然データ連係できない……辛い……」と諦めかけていたところに現れたのが「Withings Body Cardio」(以下、Body Cardio)でした。
体脂肪率や筋肉量も計れて、スマホと連携できる体組成計
Body CardioはWithingsの体組成計です。厚さ18mmのアルミニウム製で、ハードフロアやカーペットといった床面での正確な測定が可能となっています。ボタンは右側面に1つだけ。
よくある乾電池ではなく、バッテリーはmicroUSBケーブルでの充電式。1回のフル充電で約12カ月は使い続けられ、バッテリー残量はアプリで確認できます。また、最大8人までのユーザーを同時に管理できるので、家族で使えます。
測定できるのは、体重、体脂肪率(%)、筋肉量(%)、体水分率(%)、骨量(%)、心拍数、脈波伝播速度。Wi-FiやBluetoothでスマートフォンと接続すれば、データは専用アプリ「Health Mate」に保存されます。体重は100g単位で記録でき、アプリ内ではBMI値も算出されます。
WithingsのアプリHealth Mateといえば、同社のアナログ時計タイプの活動量計Withings Activiteシリーズの活動データを管理できるアプリ。つまり、体組成計のBody Cardioと活動量計のActiviteシリーズがあれば、Health Mateで活動量と体組成データをまとめて見られるというわけです。
脈波伝播速度から心血管の健康状態がわかる
測定時は特にモード選択などの操作は必要なく、いきなりBody Cardioの上に裸足で乗るだけで電源が入り、測定が始まります。重心のバランスが悪いと測定開始まで少々時間がかかりますが、バランスを示す表示がでるので目安になります。
測定が始まると、体重、体脂肪率、筋肉量、体水分率、骨量が順次表示され、心拍数と脈波伝播速度、天気と続きます。フルに表示させた場合で、測定の所要時間はだいたい10秒くらいでしょうか。体重は過去7日間分がグラフで表示されるので、いやでも増減がわかるようになります。前日の歩数がHealth Mateに記録されているときは、アプリの設定で表示させることもできます。
最初天気と気温が表示されるのを見たときは、なぜ必要なのかと不思議でしたが、毎朝使っているうちに雨の日は外出しないので活動量が低下することがわかりました。逆に朝晩が晴れだと気分がアップするという効果があることもわかりました。
これらの表示順や、測定項目はアプリで変更できますが、心拍測定の都合上フルに表示させ、最後まで乗っておくほうがよさそうです。
おもしろいのは、Body Cardioは心拍数と脈波伝播速度(心臓の拍動が大脈動から足元に届くまでの伝播速度)を測定できること。脈波伝播速度は大脈動の弾力性と関係しているそうで、速度が速いほど高血圧や血管が硬化していることを表しているとか。測定後はユーザーの年齢を考慮し、基準値内かどうかをアプリ上で知らせてくれます。
この脈波伝播速度はこれまで医療施設でしか測定できなかったそうですが、Body Cardioを使えば、家庭内で気軽にチェックできるようになります。常に自分の血管の状態を監視しておくことで異変をいち早く察知し、食事、運動、睡眠で高血圧や高心拍の予防対策ができる。これが大きなポイントのようです。
血管はよかったが……明らかな肥満化傾向が可視化される!
利用開始当初こそ、バランスがうまくとれずに測定時間がかかりましたが、毎日使っていたおかげで、乗れば概ね即測定が始まるようになりました。
脈波伝播速度は数回測定後に記録できるようになります。今のところ正常値の範囲内が続いており嬉しい限り。しかし、体重や体脂肪率は右肩上がりを記録してしまいました。使い始めたら痩せました! といえたら記事の内容としても最高なのですが、2カ月以上にわたって記録されたグラフはむごい結果に……。
8年ほど前に本気のダイエットを行なった結果、約16kgのダイエットに成功し、数年は維持できていたのです。それがここ1~2年で急激に体重が増加するようになってしまいました。現在悪戦苦闘中なのです。年齢を考えると、ホルモンバランスの変化と重なる中年太りまっしぐら状態。
Health Mateのグラフを見ていると、ときどき減少するのですが、またすぐ前以上に戻っているのがわかります。ホルモンの変化により定期的に訪れる体重増加のタイミングで増えて、戻ることなく次の周期へ突入するのです。痩せ期といわれる期間でも、もはや抵抗は無意味。それでいて一定のペースで増量するのだからたまりません。
もうかつてのダイエット法がまったく通じません。歩いても歩いても私の体脂肪は減らないようです。活動量計と体組成計から突きつけられる厳しい現実。もうこれまでのライフスタイルではだめ。習慣を大きく変えなくてはならないと痛感させられました。でも、それが分かるのがいいところでもありますが。
アプリのアドバイスによると、腹部に集中した脂肪は高血圧のリスクにつながるとか。私の場合、実際腹部にやたら脂肪がついたと実感しています。
しかし、脈波伝播速度はまだ正常値。このまま異常がでないように心がける必要があるわけですね。ダイエットも焼け石に水でモチベーション低下に悩んでいましたが、負けずに頑張らなくてはと思うに至りました。
中高年は特に活用したい体組成計
体組成が測定できるおかげで、体水分量と筋肉量が連動して減っていること、対して体脂肪率は増えているという関係性がつかめました。同じ体重でも筋肉量が多いならまだ救いがあります。
ただし、現在のアプリのグラフでは体重と体組成の項目が別なので、全体の関係がちょっと把握しにくいと感じました。体組成も項目の間隔が広いのと、期間が長くなるにつれてグラフも間引かれて表示されるため、拡大しないと日々のデータが見えません。
活動量と体組成を自動的に記録でき、1つのアプリで管理できる環境はそうありません。せっかくなので、気になる項目のグラフを重ねて表示できたらおもしろそうです。
運動している人なら歩数などの活動量を、食事もしっかり記録している方なら摂取カロリーの動きと比べられたら、反省すべき点も明らかになりそう。
心筋こうそくや脳卒中といった病気は、血管の老化が引き起こしているといいます。肥満も動脈硬化の要因になるそうです。そのようなリスクと現状を日々のデータから読み取れるようにするのが、Body Cardioを使う最大のメリットです。もちろん活動量計とのセットが理想的。
私も脈波伝播速度が正常範囲内のうちに、なんとか手を打てるようがんばります!