走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

適度なクッション性を備えたエリートランナー向けモデル「フィラ ケニアレーサー3」

<実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 フィラといえば、‘70年代から’80年代に青春時代を過ごした人はテニスアパレル、‘90年代のスニーカーブームを知っている人にはバスケットボールシューズのイメージが強いかもしれない。そんなフィラのフットウェアが今年より日本でもフルラインで展開されることになり、そのなかには機能性に優れたランニングシューズも含まれている。

フィラ ケニアレーサー3
メーカー名フィラ
製品名ケニアレーサー3
価格14,040円

 今回紹介するランニングシューズは、「ケニアレーサー3」とネーミングされたモデル。その名の通り、ケニアのエリートランナーがフルマラソンの際に着用することが可能なハイパフォーマンスモデルであり、昨年4月に行なわれたブラジル サンパウロマラソンのオフィシャルシューズに選定され、実際に数名のエリートランナーがこのモデルを履いて同大会を走ったという。

 エリート向けモデルというと、ソールが極薄でクッション性がほとんどないと思うかもしれないが、このシューズはある程度ミッドソールに厚みがあり、クッショニングテクノロジーも搭載。ということでトライしてみることにした。

シュータン部分には誇らしげにケニア国旗を配置。シューレースループが二か所に配された独自のデザインは、走行中のシュータンのねじれを防止してくれる

 手に持った段階でその軽さを認識していたが、足を入れるとそれ以上に軽量性を感じる。走り始めるとレースシューズとしては十分なクッション性があることをすぐに理解できる。それはヒール部分に配されたEnergizedというクッショニングテクノロジーを搭載し、薄すぎないミッドソールを組み合わせているからであり、これなら筆者のようなサブ4(42.195kmを4時間以内で完走するランナーのこと)レベルのランナーが履いても、インターバル走など短い距離のトレーニングなら充分に対応してくれるだろう。

ミッドソールのヒール部分に搭載されたEnergizedが高いクッショニング性能を生む

 ケニアレーサー3は、レーシングシューズということで「ラスト(木型)が細いかも!?」と思ったが、そんなことはなく、ウィズ(足囲)のゆとりもあるので、一般的な日本人ランナーが履いても前足部のキツさは感じないはずだ。シルバーを基調としたカラーリングも美しく、シンプルなデザインはウェアとのコーディネートがしやすい点も嬉しい。

アウトソールはフラットであり、アスファルトやコンクリートといったフラットな路面で最高のグリップ性を発揮する
生産は製靴技術には定評のあるブラジルにて

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。